「鈴の音がしたら振り向いちゃいかないよ…。」
その言葉を最後に姉は事故で死んだ。
―5年後―
「陸!」友達の葵が呼んでる。
「一緒に帰ろう〜!!」
「良いよ!帰ろう!」
「ねぇ知ってる?都市伝説なんだけどさ、鈴の音がしたら振り向いたらだめなんだって。」
「あ〜、それ知ってる。お姉ちゃんに聞いたことある。てか何で振り向いたらダメなの?」
「スズに殺されるんだってさ。マヂうけるし!!」
他愛も無い話。
いつも通りのお喋り。
友達と楽しみながら帰る。
その行動の一つ一つが姉を忘れさせていった。
今思えばとても大切な事だったのに…。
「ただいま。」
誰も居ない部屋に言う。
私は高校になってから一人暮らしをしている。
親も死んだしね。
親戚にも迷惑をかけるわけにはいかないから。
Pi Pi Pi…
突然携帯が鳴る。
「もしもし。」
電話の相手は葵だった。
「陸!助けて!ずっと鈴の音がするの!消えないの!」
「葵、落ち着いてよ!」
「キャァァァァァァァァ!」
突然葵が悲鳴を上げた。
「葵!?どうしたの!!?」
プー…プー…
電話が切れた。
私は一目散に葵の家へ向かった。
インターホンを押す。
何度も、何度も。
でも葵は出ない。
嫌な予感がする。
ドアに手を掛けるとドアは開いていた。
「葵!入るよ!!」
踏み入れた瞬間の鉄の臭い。
葵は赤一色の部屋に横たわっていた。
変わり果てた姿で…。
叫ぶより先に嘔吐感が私を襲った。
そこで私は気を失った…。
気がつくと私の目の前には白い天井が映った。
「ここ…どこ?」
「病院ですよ。」
横には見知らぬおじさんが居た。
「私はこういう者です。」
おじさんが警察手帳を出して言う。
「刑事さん…?」
「はい。昨夜の事についてお伺いしてもよろしいかな?」
突如、あの紅い光景がフラッシュバックする。
「…葵は…死んだん…ですか…?」
「残念ながら…。ところで、この鈴に見覚えはありませんか?葵さんが手にしてらっしゃったのですが…。」
金色の小さな鈴。
「知りません…。」
「そうですか…。辛いことを思い出させてすいません。」
そういうと刑事は帰っていった。
私も医師の許可を得て帰宅した。
昨日から置きっ放しにしている携帯。
沢山のメールが届いていた。
そのほとんどが葵の死について知らせるものだった…。
学校に行くと皆泣いていた。
その中で一つ気になる事を耳にした。
『葵、スズに連れていかれたのかな…』
確か葵電話で鈴の音がするって…。
鈴を握り締めてたって…。
私は都市伝説のサイトを開いてスズについて調べた。
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
スズ
N市の都市伝説。
後ろで鈴の音がして振り向くと死ぬという。
死んだ者は皆鈴を握っているらしい。
真偽は定かではないが噂の起源はスズという少女と伝えられる。
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
私は図書館へ行って昔の新聞を調べた。
するとスズの正体はすぐわかった。
―1988年5月3日
N市で14歳の少女が自殺した―…
自殺の原因はイジメだったそうだ。
そして一つの疑問が浮かんだ。
今から5年前、姉は14歳だった。
命日は…
5月3日―…。
姉の名は…鈴。
チリン…チリン…。
鈴の音がした…。
ゆっくり後ろを振り返る。
そこには死んだ姉、鈴が立っていた。
「陸…振り向いちゃいけないって言ったよね。でももう遅いね。ツレテイッテアゲル…。」
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