第10話 昨日の償い
澄みきった高い空は、秋を感じさせる。
「秋だね〜ぇ!」
「・・・だから・・お前、登場回数多いんだよ。」
「えぇ〜〜!そんなことないよォ」
「いや、そんなことある」
「“そんなことある”ってどういう日本語デスカー?」
「るせー!」
河原のグラウンドでは、中学生たちが野球を楽しんでいる。
まさしく、青春・・・呟いた新一の声は、快斗には届いていなかった。
「お、トンボ。」
快斗のくせ毛頭に、トンボがとまった。
「ホントだー。きっと新一の頭は臭くてとまれなかったんだね〜ぇ」
あはは〜・・と笑う快斗に、少々殺意を持ったが、ここは堪えることにした。
鞄で殴り合いながら、二人は工藤邸に向かった・・・
て、いうか。
「なんでお前、また居んだよ」
「え、いいじゃん」
「何がだ」
「泊めてよ」
「嫌だね」
「冷たい・・」
「今頃気づいたのか?」
工藤邸前。
・・・息をつく暇もない言い合い。
結局、やはり・・新一が折れ、快斗は泊まることになった。
「お前・・実はホームレスとか?」
「違うっっ!」
言い合いを止めることなく玄関で靴を脱ぎ、そのまま家の奥へと進んで行った。
・・・・・
〜〜〜♪〜〜♪
「お、新ちゃんメール♪」
「新ちゃんって・・・」
リビングのソファに向かい合って座り、食後の珈琲タイム中。
新一の携帯が震えた。
=蘭=
メールは蘭からだった。
『新一!!昨日ケーキ食べた後、どこ行ってたのよ!!
信じられない!!
びっくりして帰ったわよ!!
しかも今日は黒羽君とくっついてて話す暇なかったし・・・!!!
もう、どうなってんのよ!!!!?
P.S
明日、どうなるかわかってるわよね・・・!!?
覚悟しときなさい!!!
by激怒りの蘭
』
―――という内容のメールだった。
そーいやー昨日、そんなことあったな〜〜〜
そーいや―今日、蘭と話してねぇ・・・
新一は凍りついていた。
しかし、このビックリマークの数から想定すると、蘭はそうとう怒っているだろう。
「まずい」・・・そう、確信していた。
画面から目を離さない新一の横から、ヒョイッと顔を出す快斗。
「あ〜あ。新一・・彼女とケンカしちゃダメでしょ〜〜」
「彼女じゃねぇし。てか、ほとんどオメーのせいだろーガ・・・」
力なく言う新一を「ドンマイ」と慰める快斗。
まぁ、ぜんぜん慰めになっていないのだが。
とにかく新一は、一晩中・・・明日への恐怖感に耐えるのだった。
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