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ウォーターボーイズ
作:tensuke



8.帰り道


8.帰り道

僕は佐藤コーチに送ってもらって翌日の昼前に家に戻った
彼は「気をつけてな」と言って帰って行った
彼の乗る大きな車の後ろ姿を見送って 僕は家に入った
家の中はたった一晩 誰もいなかっただけなのに
随分と長いこと誰もいなかったみたいに しんとして空気もこもって重かった
僕は少し寒いのを我慢して 家中の窓を開けて空気を入れ換えた

そうこうするうちに両親が帰宅した
僕たちは慌ただしく身支度を整えると父の車で従姉妹の家へ向かった
通夜に参列し そのまま従姉妹の家に泊まり翌日の葬式に出て
その日の夕方 僕たちは家に戻った
僕の祖父母は4人とも元気に存命だ だから僕は生まれて初めて葬式というものに参列した

通夜と葬式には沢山の人たちが訪れた
その大半は彼女の小学校や中学校での友人たちとその家族だった
目を真っ赤に泣きはらした13歳の同級生たち
従姉妹と言うだけの僕なんかより ずっとずっと彼女の事をよく知っている人たち
彼らの涙は見ている僕の目にも涙を溢れさせた
僕は彼女の死を知ってから 初めて泣いた
彼女の友達が泣くのを見て泣いた

僕が死んだら みんなああやって泣くのだろうか
そしてふと思った もし彼が明日死んでしまったら 僕はどうするのだろう
きっと涙もでない程にその場で石になってしまう
生きて 今彼の事を思うのって ホントはとてもすごい事なんじゃないか
だからこそ 今 伝えておかなきゃいけない事ってあるんじゃないか・・・
僕は帰り道 そんなことを考えていた

僕は父の車が家の前につくと 家に入らずそのままプールへ向かった
母も ちゃんとお礼を行ってくるようにと送り出してくれた
従姉妹の家の近所の有名な和菓子屋のお土産を持たせてくれた
僕は初めて水着を持たずにジムへ向かった












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