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第三話
馬を数時間走らせると街に着いた。
乗馬なんてしたことも無いので非常に疲れた、そして股と太ももが痛い。
『勧誘』で馬が言うこと聞いてくれるようになってたのにこの様だ、乗馬の難しさを痛感した。
今後馬に乗ることは出来るだけ控えたいな。



第3話「物価の違いがいまいちわからなかったよ…」


そういえば街に着くまでに一つ残念な事実が判明した、奪った剣に関することだ。
剣を奪った理由はもちろん聖剣技を使えるようにして戦力の強化、そして生存率の上昇の為だ。
別に近接戦闘で剣を振り回そうなどとは思ってはいない。

聖剣技の使用には剣か騎士剣?が必要だったはずなのだが、私が奪った剣は剣というよりもサーベルに近い形状ものだったので聖剣技が使えるかどうか不安だった。
もちろん奴らが持っていた武器の中で最も剣っぽいものは選んだ。
ダガーや弓のような武器を持っているものが大半だった中、サーベルチックな曲刀が数本だけあったので、その中で一番曲がってない武器を選んだのだが、聖剣技が使えないのでは持っていても仕方がない。
街に着く前に野良ウサギを見かけたので、聖剣技が使えるかどうか確認するいい機会だと思い、不動無明剣を使おうとしたのだが技が発動しなかった。

どうやらこの剣では聖剣技は使えないらしい。
この瞬間にサーベルの認識が、剣→ただの重い鉄塊へと変化した。
売れば金になるかもしれないという淡い期待を捨て切れなかった為、一応街までサーベルは持ってきたが、使えないとわかってからのサーベルは重さが3倍ぐらいに感じられた。


…と、このように残念すぎる出来事があったのだ。
それでも街に着いた事に喜びを感じ、テンションが上がってきたことは事実だ。
入り口の厩舎らしきところに馬を預け早速街にはいっていくことにした。

街に着いたことでどうもフワフワした気分になっているらしい。
街の入り口付近、RPGで例えると『街の名前を教えてくれる人』が立っているであろう位置に男が立っているのを見つけて話しかけたい衝動に駆られてしまった。
万一「こんにちは」「ここは○○の街だよ」みたいな会話になってしまったら噴き出して笑ってしまう自信がある。
街に入って一歩で喧嘩を売るのはどう考えてもよろしくない。
過度に目立つことはろくなことに繋がらないのは明らかである。
それに今から色々と店を回ってみるつもりなのだ、情報を集めるのもそこで話を聞けばいい。

とにかく…まずは武器屋に行こう。
なんせ使えないサーベルが重くて邪魔だ。
これを売り払う事が先決。出来ることなら剣を買いたい……重いんだろうなぁ…
ブルーになっていても仕方がない。通行人に武器屋の場所を聞き裏通りにあるらしい店に早速向かった。

「いらっしゃい、見かけない顔だな。服装からして一般人にしか見えねぇが…嬢ちゃん店間違ってないかい?」

「いや、これでも一応冒険者の端くれですよ、武器を見にきました」

「ほう、そうかい。まぁ俺ぁ客なら何でもいいがな。んでどんな武器が欲しいんだい?」

「欲しいのは剣なんですが…その前にこのサーベルを買い取ってもらえませんか?」

「サーベル?それも剣じゃねぇのか?まぁよくわからんが売りたいってならちょいと見せてみな…こりゃ粗悪品だな…せいぜい10エキューぐらいにしかならないがいいかい?」

「…ちなみにこの店で売ってる一番安い剣はいくらですか?」

「一番安いボロ剣で40エキューだ。ナイフとか弓ならもっと安いのもあるがな」

なるほど、道理で盗賊が長剣を持ってなかったわけだ。
どうやらこの世界では金属の値段が結構張っているらしく剣が高い。
確か1エキューが日本円で2万相当だったか?そう考えると一番安い剣で20万もするわけだ。
今持ってるのは銀貨と銅貨の詰まった袋だけ。
いくら入ってるかはわからないが、数えなくても30エキューもはいっていない事は明らかである。
…仕方ない、サーベルだけ売っぱらって金に換えるか。

「剣の価値もよくわからないんでその価格で買い取ってもらえますか?」

「ガハハ、正直な嬢ちゃんだな!しかし冒険者なのに剣の価値がわからんとは変わってるな」

「実は東方のほうからやって来たばかりでして…わからないことだらけなんですよ。恥ずかしながらこの街の名前すらわかってない状態です」

「ロバ・アル・カリイエのほうから来たってのか!?すげぇな嬢ちゃん!!よっしゃ!!お客さんだし色々教えてやるよ」

どうやら気さくな店主らしい。
この街がトリステインの王都トリスタニアであること。最近このあたりに盗賊が多いから気をつけたほうがいいということ。最近王都の政治が怪しく税金が上がってきて生活がままならない事。カミさんがうるさくて最近ろくに酒を飲めない事などとりとめのない話を色々としてくれた。
そのかわりと言っては何だが東方の秘術を見せてほしいとせがまれ、『チャクラ』を見せてあげたところ大層興奮した様子だった。

長々と話しこんでしまい、商売の邪魔になってるんじゃないかと不安になったが「どうせ客なんて滅多にこねぇから構わねぇよ」と店主は豪快に笑っていた。
結局サーベルを10エキューで売って話しこんでしまっただけになったが、店主とは仲良くなったのでまた今度剣を買いに来る約束をして店を去った。
後々思ったのだが、ここがトリスタニアであるということはあの店にはデルフがいたのだろうか?いたのなら何かしら絡んどいたほうが良かったかもしれないな…

武器屋を出たところ日が暮れ始めていたので、宿を確保した後は宿の下にある酒場で飲みながら今後の身の振り方を考えることにした。
基本的な方向性としては原作に絡んでいきたいと思う。
面白そうだし、超かっこいい貴族と知り合えるかもしれないしね!

皆忘れてるかもしれないけど私おにゃにょこだからね。イケメソは大好きですよ。
そしてここがトリスタニアであるとわかった以上、原作に絡んでいく手段はいくつかある。
① 魔法学院に生徒として入学
② 魔法学院に行ってみて雇ってもらうよう頼む
③ 魅惑の妖精亭で働いてサイトとルイズ待ち
④ 軍に入って戦争行くときに出会う


今思いつく現実的な案はこの4つだ。
1は貴族にならないと無理なんだよね?ゲルマニアで金積むにしてもそんな金持ってないし…どっかの家の養子にしてもらうほうがまだ現実的か。
2は行ってみてオスマン学院長に話聞いてもらえればなんとかなるかも知れないけど…そこまで話を通せるかが問題だよね、門前払い喰らうかもしれないし。
3と4は序盤の話に絡めないことと一回会ってもその後永続的に絡んで行けないって言うところが残念なんだよね…


そういうところを踏まえて考えると…②かなぁ…
使用人や衛兵としてならなんとか入りこめそうな気がするし…上手いこと力を見せれたら近くにおいてくれるはずだよね。
よし!!②に決めた!!そうと決まれば早速明日魔法学院に行ってみよう。
テンションあがってきたー!!今日は飲むぞー!!

こうして、この後主人公補正が働くことも知らず1人酒を飲み続けるのであった。
次回、初めて正方向への主人公補正を発揮させる予定です
ご都合主義とか言われる気しかしてません;;堪忍やで~



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