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プレゼントは花ちゃん
作:ランデブー



さーん


 お花さん達にお水をあげたさとみちゃんは、リビングに戻ってきました。
 壁にピッタリくっついているエアコンはお休み中です、こわれていませんよ、今日はいつもよりスズシイからお休みしているのです。でも扇風機は羽を動かし働いています、強風です、レシートがあっちに飛んでいきます。

「あーー」
 扇風機の前で言います、タオルで汗を拭き取りながら言います。
「さとみちゃん」
 可愛い声がいい匂いのするリビングにヒビキましたが、呼ばれた本人はあーーをやめません。
「あのー」
 大きくて可愛い声、パパは声がした方を見て笑顔になりました。呼ばれた本人は頭をカキカキ、聞こえてないのかな?

「咲いたのに、見てくれないのね」
「えっ?」

 さとみちゃんはテーブルの上に置かれている小さな植木鉢の中に咲いている小さくて可愛いお花さんを見ました。そこにいたのは、おへそから下が土にまっている女の子。普通ならコレはショッキングですが、でもこの子はお花の妖精みたいなモノなので安心して下さい。
「こんにちは、さとみちゃん」
「こんにちは、小さなお花さん」
 二人とも頭を下げてアイサツしてますよ、頭を先に上げるのはどっちだろうな? パパは苦笑い、パパが会社でよくする事です。
「私には名前がないの、ママから産まれてくる赤ちゃんと同じなの。だからさとみちゃんが、私の名前を付けてくれない?」
 先に頭を上げた小さなお花さんは言いました。しかも命名を任されました、突然こんなの焦ります! ほら、口をぽかんと開けてるじゃないですか!
「あっ、ゴメンなさい。名前を付けるのはムズかしすぎだよね」
 しゅんとなった小さなお花さん、泣かないけど悲しい目をしてます。パパは足音をたてずにそっと、向こうに行きました。

「……はなちゃん」

 さとみちゃんが言いました。はなちゃんと名付けられた小さなお花さんは、マバタキします、パチパチパチ。小鳥が屋根で目を閉じて大きく口を開けあくびをしてますがまだします、パチパチパチ。飼い主と散歩しているドーベルマンが電信柱におしっこをしてますがまだまだします、パチパチパチ。
「イヤだったら違う名前考えるけど」
 パチパチパチ、拍手してるような感じがしますが“マバタキ”をしてるのですよ! 小さなお花さんは横に顔を振りました。
「ベタすぎる名前だからオドロイテるの」
 抜き足差し足忍び足で小鳥を狙っているのは、真っ黒なにゃんこ。逃げろ! く、食われるぞ!
 リビングでは、さとみちゃんが花ちゃんの小さな頭をなでなでしています。ニコニコニッコリ、その思いが小さな心に届いたのか、花ちゃんもニコニコニッコリに。言葉にしなくても、届くんですね!

「プレゼントは花ちゃんだね」
「そうだね、ふふっ、うれしいな」

 ほっぺたが赤いです、りんご病じゃないのに赤いです。花ちゃんは照れているのです、恥ずかしいのです、だから赤くなっちゃってるんです。
「さとみちゃん」
「なに? 花ちゃんがプレゼントでさとみは超うれしいよ!」
「ありがとう、でね、さとみちゃん」
「それにしてもお腹すいたなー、てか何で夕食と誕生日パーティーを一緒にしないんだろ?」
「さとみちゃん……」
「何? ちょ花ちゃん、涙目にならないでよ」
 ニャー! 真っ黒なにゃんこは小鳥に向けて猫パンチ、しかし小鳥はその攻撃を見事に避けました。
 トリー! 小鳥はくちばしで真っ黒なにゃんこをツンツンします、スルドイくちばしなので痛いのです、とっても痛いのです。
 真っ黒なにゃんこは白旗をあげました、しかし小鳥はにらんでいます――

「ぎゃあああああ!」

 悲鳴です、ビックリしてドーベルマンが電信柱に頭をぶつけたじゃないですか! 誰なんだよ、このぎゃあは! 名乗り出ろ!
「二階から聞こえたような気がしたんだけど」
「見てくるね、花ちゃんはここで待っててよ、着いてきゃダメよ」
 さとみちゃんは二階へと走りました、一体二階で何が? 下着ドロボウがいたとか、隠していたへそくりが見つかったとか!
「待ってます、私はここから動きたくても動けないから」
 花だしね、喋ったりするけど花だしね。


「……さとみちゃん、ニヤリって笑ってた」














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