とりあえず文章の説明を、『』はデバイスの発言で、「“”」は念話です。
第二話 中編
魔法少女リリカルなのは~紡がれるは戦士の鼓動~ 第二話 奏でられるは戦いの序曲、はずれ行く歴史
sideニコル
海鳴市内公道、普段から車が行きかうながらも、郊外に向かえば、やはり交通量は少なくなる。
そんな車の少なくなった道を、爆走する、一つの影があった。
「ちょ、ニコル君、速すぎるの~~!」
「問題ないよ、安全運転だから」
「安全運転とかよりスピード違反~~!」
「ははは、この国にスケボーの速度を制限するものはありません」
そう、この二人はスケボーに乗って爆走しているのだ、ちなみにただのスケボーではない。
某マッドことDr・ジェイルの改造したスケボーである。
ぶっちゃけると、見た目は子供、頭脳は大人な某探偵小僧のあのスケボー。
しかも手に負えないことに動力は超小型魔力駆動炉であるためエネルギー切れはないと言うでたらめ振りである。
「ま、どっちにしろもう着いたけどね」
そういうと、スケボーは空気が抜けるような音と共に停止した。
「うう、ひどい目にあったの」
口ではそういいながらも、友人に会えることで機嫌良さそうにするなのはに、微笑みながらニコルは歩き出した。
だが、ニコル達が階段下の鳥居をくぐった直後異変が生じた。
キンッ
小さな耳鳴りの直後、辺り一帯はまるで日の光を失ったかのように薄暗くなり、色合いがおかしくなっていた。
「これはまさか」
これが結界である事に気づいたニコルはなのはに振り向きここから離れようとしたが。
「これって、結界? でも霊力じゃなくて、ミッド式の?」
聞こえてきたなのはの呟きに、本来ならありえない言葉が混じっていたことに、ニコルは驚愕せざるおえなかった。
なのはに問いかけようとした直後、上の境内から響いてきた轟音に、二人は駆け出した。
二人が階段を外れた直後、階段を滑り落ちるように、久遠が巨大な犬に押さえつけられて落ちてきた。
「くーちゃん!?」
いきなりの出来事に驚くなのはだが、そんなことは長くは続かなかった。
「なのは、後ろだ!」
「え?」
ニコルの声に後ろを振り向くと、そこには飛び掛ってくる、異形の姿があった。
それを見たなのはが目をつぶると、なのはの頭の中から、何かが問いかけてきた。
‘変わって'
そして、なのはの姿は、異形の下に消えていった。
「なのは~~!?」
絶望に顔を染めるニコルだが、その直後起こったことに理解がついて行かず、目を点にするしかできなかった。
ドゴッ!
突如として弾き飛ばされた異形の下から、
巫女服を身に纏った、黒髪を紫色のリボンでポニーテールにし、目を碧に染めたなのはが片手に日本刀を構えて現れた。
「何者かは知らない、けど、ここで暴れるなら、討つ!」
そう言ったなのは?は一気に跳躍すると、異形に切りかかった。
sideアリサ
彼女達が神社に到着し、まず最初に目にしたのは、ありえざる光景だった。
ジュエルシードと戦う久遠、これは問題がない、久遠はここの巫女のペットなのだから居てもおかしくはない。
しかし、巫女服を纏い、日本刀を片手に戦う少女が誰なのかは彼女達にはわからない。
わからないが、それでも分かってしまった。何故ならその傍で、彼女達の友人であるニコルが呆然と少女を見上げていたのだから。
「アリサちゃん、あの子ってもしかして」
「ええ、たぶん、なのは、なんでしょうね」
二人は呟きながらも、訳がわからなくなっていた、しかし、二人は立ち止まるわけには行かない。
「とりあえず行くわよ、すずか!」
「うん!」
二人は二手に分かれ、アリサはなのは?の側へ、すずかは久遠の方へと走っていった。
side???
「どういう、こと、なんだ」
神社の社の上で、一匹のフェレットが、荒れ狂う戦場と成り果てた境内を呆然と眺めていた。
「なんで、なんで、なんで」
フェレットにとって、目の前にある光景は悪夢でしかなかった。
彼にとって、一番巻き込んではいけなかったはず、巻き込まないように注意していたはずの少女が戦い、
その親友たる少女達までもが戦場に躍り出てきた。
「こんなことって、誰が、誰が彼女を」
彼のあげた声は、何処までも禍々しく、そして、怨念に満ち溢れていた。
そして、彼の目には一人の少年が映った。
「あの子は? それにあの子の持ってるのは、デバイス? そうか、そういうことなんだ」
ククク
その少年が魔導師、もしくはそれに類するものであると気づいた彼は、一つの確信を持った。
“あの男が彼女を巻き込んだものだと、彼女に災いをもたらす者だと”
彼は気づかない、それ自体が誤解であることに、その少年が彼の大事な少女にとって大切な存在であることに。
たった一つの妄想に取り付かれた彼は笑う、どす黒い、瘴気を纏った笑みを。
「排除しなくちゃ、なのはのために、未来のために」
彼は気づかない、それが己のエゴだと、自分勝手な妄想だと。
sideニコル
ゾクッ!
何処からか飛来した嫌な気配に、彼の背筋は小さく震えた。
『“マスター!!”』
脳裏に響いてきた声に、彼は意識を戦場に戻した、そこにはいつの間にか、更なる人物達が加わっていた。
「アリサに、すずか? なんで、彼女達が?」
『マスター! なにをぼーとしてるんですか! 彼女達が戦っているんですよ!」
ハッ!
「そうだな、行くぞ! スサノオ、セットアップ!」
『ソードフォーム!』
彼らが声を上げると、光に包まれ、その中からは、武者甲冑を纏い、腰に一振りの大太刀を下げた少年が立っていた。
その雰囲気は打って変わって、歴戦の戦士を思わせるものとなり、その瞳は、金色に光り輝いていた。
そして、少年達は戦場に躍り出た。
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