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反逆者と偽りの街
作:碧空



01 第八話:招待


「俺をゲームに招待?」
確かに目の前にいる男はそう言った。聞き間違いではない。
ゲームとは一体なんだ?
「そうだ。ゲームに招待してやる。」
男はそういうと服から手紙らしきものを取り出し、俺に渡した。
真っ黒な封筒には『大河内綾』と書かれている。
「それはお前への招待状ではないんだ。そこに名前が書いてあるだろう? そいつに渡せ。」
「こ、これをか?」
「そうだ。その封筒を渡すことでお前はゲームに招待されることになる。」

「どういう意味だよ。」
「お前は必ず来るさ。誰になんと言われようがな。」
こいつの言っている意味はいまいち分からないが、とにかくこれを渡せということか。
けど、これを綾さんに渡せと言うのか。この怪しい封筒を。そんなこと出来るはずが無い。
明らかにおかしい。なんで、綾さんにこんなものを渡すんだ。
「一応言っておくが、もし、その封筒を渡さなかったらお前は死ぬ。その女も死ぬ。」
「えっ…」
「封筒の中身を見ずにそいつに渡せ。三日以内にだ。簡単なことだろう?」
これを渡せば俺と綾さんは殺されない。何が入っているのかは分からないが、渡したほうがいい。いや、渡さなくちゃいけない。
「これを渡せば俺も綾さんも死ななくてすむんだな?」
「まぁ、そうだな。どちらにせよその女は死ぬがな」
言葉が終わると同時に声を上げて笑い始めた。
綾さんが死ぬ? この封筒を渡せば綾さんは死ぬ。渡さなければ俺と綾さんが死ぬ。
どちらにしても綾さんは死んでしまうのか…
「あと、お前にこれをやるよ。」
カバンから袋を出し、中に入っていたものをこちらに投げてきた。
足元に落ち、カランという音を立てた。暗くて何があるのか分からない。
封筒をポケットに入れ、その場にしゃがみこみ落ちているものを拾おうとした。
雲から月が現れ地面を照らした。光が反射し目に飛び込んでくる。

明るくなり見えてきたのは、真っ赤に染まった包丁だった。

「うわぁ!」
地面を蹴り後ろへと下がった。月の光を反射し続ける刃物。
真っ赤な包丁。あれは…血だ。
「ククク。それが何か分かるか。」
声の主を見ず首を振った。
「三日前に使った包丁だ。目を抉った包丁さ。」
その言葉を聞いたとき頭の中で男の叫び声が響いた。目の前にあるこの包丁で殺したんだ。あの男の人を。
体が震えだし、思わず自分を抱きしめた。なんで、こんなものを俺に渡すんだ。一体どうしろと言うんだ。俺は関係ないじゃないか。

「それだけだ。封筒渡しとけよ。いつもはこんなことはやらないが、今回は特別だ。」
男はそういうと近くに止めてあった車に乗り込み、どこかへと消えていった。
ポケットから封筒を取り出し、他に何か書いてないか確かめた。
しかし、綾さんの名前以外何もかかれていなかった。
どうすればいいんだ。綾さんに渡すべきなのか?確かに綾さんに渡せば俺は死なない。
けど、綾さんは渡しても渡さなくても死ぬ。死ぬと決まったわけではないが、不安なのは確かだ。
これを渡せば綾さんをこの事件に巻き込むことになる。もしかしたら、綾さんもあのときのように殺されるのかもしれない。
包丁に視線を写した。俺の血もあんな風にベッタリとつくのだろうか。
想像したくもない。自分が殺されるなんて考えたない。
殺されないためにこの事件とかかわらないようにしたんだ。
これじゃあ意味が無い。

「どうすればいいんだよ。」

ひざを抱えてその場にうずくまった。
生きたければ綾さんを売れと言うのかよ。
できるかよ…そんなこと












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