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マギクラフト・マイスター 作者:秋ぎつね

28 世界会議準備と遺跡調査篇

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28-11 準備開始

 カイナ村でのんびり過ごした仁は、夕方前に蓬莱島へ帰った。

「さて、いよいよ世界会議の準備を始めたいと思う」
「ん」
 エルザ、礼子、老君に加え、ユニーから戻って来たアン、崑崙島の魔導頭脳『太白』、その補佐であるロル、レファを交えての会議だ。
「場所は崑崙島で行いたいと思う」
 洋上会議、ということも考えたのだが、250メートル級の戦艦というのも威圧外交のようで、仁としては避けたかった。
御主人様(マイロード)、何名くらいをお招きするご予定ですか?》
 太白からの質問。
「各国首脳2名とその護衛2名くらいとして、4名かける6で24名、まあ30名以下くらいだろうな」
《そういたしますと、宿舎はどうなさいます?》
『館』の収容人数を考えるとやや不足しているだろうというのである。
「ああ、そうか」
『館』では、1人に1部屋、というわけにもいかないだろう、と『太白』は言う。
「迎賓館みたいな物を建てる必要があるか」
『私もそう思います』
 老君も賛成したので、建てる前提で話を進めることとした。詳細はまた後で、とする。

「期日は予備日を入れて3日を考えている。最初から長期間は難しいだろうからな」
 日程の調整をしやすいように、短期間で終わらせるつもりだ、と仁は説明した。
「ん、いいと思う。最初は顔合わせ、くらいのつもりで」
 エルザも賛成してくれた。
「テーマはこの前話し合っているからいいとして、どうやって招待するか、か」
「コンロン3で送迎?」
「ああ、そっちはそれでいいと思う。でも、俺がどうやって招待するか、と言っているのは別のことなんだ」
 ただ単に手紙を送って、いついつどこどこで世界会議をしますから出席お願いします、といっても来てくれるかどうかわからない、というのが仁の言い分であった。

『それでしたら、まずはショウロ皇国の女皇帝陛下にお話されるのがよろしいかと思います』
「ああ、陛下から各国へ誘いを掛けてもらうのか」
『はい、それもありますが、競争心といいますか対抗心といいますか、『あの国が出るなら我が国も』というような意識を煽るのです』
「なるほど……」
 確かにいい手かも知れない、と仁は感心した。
《ですが御主人様(マイロード)、モノレールの話をメインとなされるのでしたら、セルロア王国の国王陛下にまずお知らせするのが筋ではないでしょうか?》
「ああ、そうか」
『太白』の言うことにも一理ある。今回の議題、そして、将来を見据えた大陸内鉄道網の話をしたいのだから。
「そういたしますと、2国同時にお話を持って行けばよろしいのでは?」
 レファが自分の意見を述べた。
「ご主人様は『分身人形(ドッペル)』を持っていらっしゃいますし、可能だと思います」
「わたくしめも賛成です」
 アンもレファの意見に賛成のようだ。
「……陛下のところへは私が行っても、いい」
 エルザもそう言ってくれる。仁はそれを聞いて決定する。
「わかった。ショウロ皇国とセルロア王国に同時に話を持って行こう。女皇帝陛下にはエルザに頼むことにするよ」
 そう言いながら、エルザの肩をぽん、と軽く叩く仁。
「……うん、任せて」
 エルザは少し力強く頷いた。

「さて、そうすると、2次的な話になるのかな」
 宿泊関係の話をしようかと仁が口を開きかけた時、『太白』が意見を述べてきた。
御主人様(マイロード)、『モノレール』という乗り物ですが、図面だけでなく模型をお作りになったらいかがでしょうか?》
「おお、それはいいな!」
 仁のテンションが一気に上がった。
 実は、仁にもHOゲージとかNゲージに憧れた時期があったのだ。

 どちらも鉄道模型の規格である。HOは縮尺87分の1、軌道間(レールの幅)16.5ミリ。Nゲージは縮尺148分の1から160分の1、軌道間9ミリとなる。
 大きいHOゲージの方が工作しやすいが、場所をとる(レールを敷設して走らせる)ため、日本ではNゲージが多い。……と、仁は記憶していた。

 とにかく、デモ用のモノレールの模型を作るというアイデアに、仁の工作心は沸き立っていたのである。

「よし、そっちは俺がやろう。あとは……まず宿泊施設を決めようか」
 これについて、皆の意見をもらい、検討した結果、今の『館』ではなく、もっと海沿いに建てることに決まった。
 イメージは海辺のリゾートホテルだ。
 白亜の外壁を持つ4階建てとする。
 更に、
「畳の部屋も欲しい」
 というエルザの意見で、和風の茶室をイメージして、付近に日本庭園を持つ和風建築も同時に建てることが決まった。
《お任せ下さい》
『5日以内に仕上げてごらんにいれます』
 太白と老君は張り切っている。

「もてなすのはゴーレムメイドでいいかな」
 蓬莱島から5色ゴーレムメイドを派遣すればいいだろうと仁は考えた。
 来客が恒常的になれば、専任のゴーレムメイドを作ればいい。
「あとは出す食事だが……各国の料理を出せるようにしておけばいいかな」
 第5列(クインタ)がいるので、各国の食材を調達するのは簡単だし、既に主だった食材は手に入れ、料理もマスターしている。
「お父さま、先日の『ビュッフェ』でしたか、あの形式もよろしいのではないでしょうか?」
 礼子からも提案が出てきた。
「ああ、そうだな。会議の合間の軽食はそれをやってみるか」
 各国、各地の味や珍味を少しずつ味わえるようにするのも面白いかもしれない、と仁は思った。
「ごしゅじんさま、会議中にお飲み物を出すのもよろしいかと」
「ああ、アンの言うとおりだ。炭酸系のジュースを出したら面白いかな?」
 もてなす側としては、いくつかサプライズがあってもいいのでは、と思ったりする。
「うーん、あとはないかな……」
 今まで誰も食べていないようなもの、ということで仁は考え込んだ。そして。
「そうだ、プリンがある」
 正確にはプディング、というのだろうが、日本ではプリンの方が通りがいい。
「えーと、卵と牛乳と砂糖があれば作れたよな」
 施設にいた頃は、プリンの素を買ってきて作ったことの方が多かったので、今一つ記憶が曖昧であるが、まだ時間はあるので、試作してみればわかるだろう、と仁は楽観している。
「それに、フルーツみつ豆もいいな」
 テングサもどきは大量に採れているので、寒天はたくさん作れている。
「あんみつでもいいし」
 会議で疲れた頭に、甘味はいいだろうと仁は考えたのである。
「あー、でも求肥ぎゅうひの作り方がわからないな」
 仁はみつ豆に入っている求肥が好きだったのだ。
「白玉とはちょっと違うから、もしかしてもち米の粉で作ればいいのかも」
 さすが魔法工学師マギクラフト・マイスター、ほぼ正解である。

 求肥は、もち米を搗くのではなく、もち米の粉に水と砂糖を足して火にかけて練ることで粘りを出している。
 そこに水飴も加えることで、冷めても柔らかさを失わないようになるのだ。
 水練り、茹で練り、蒸し練り、などがあるらしい。

「ペリドに研究させるか」
「ん、私も手伝う」
 興味を持ったエルザも手伝いを申し出てくれた。

 そして料理担当のペリドリーダーは、この後、見事に仁好みの求肥を完成させるのである。
 いつもお読みいただきありがとうございます。
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