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マギクラフト・マイスター 作者:秋ぎつね

36 移動基地篇

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36-15 応酬

[ぐおおおおっ]
 27発の徹甲弾が『ディスアスター』を揺るがし、その装甲を貫いた。
[あんなちっぽけな船がこの『ディスアスター』を脅かすのか!?]
 直径2キロメートルの『ディスアスター』に対し、全長100メートルの巡洋艦はいかにも小さい。
 27発全てが装甲に穴を空けたとはいえ、『ディスアスター』にとっては蚊に刺されたようなものだ。
 この段階ではまだ、『ディスアスター』の中央頭脳は仁たちを見くびっていた。
[あのような取るに足りない船など『ディスアスター』の敵ではない]
 が、もう1度斉射が行われ、今度は26発が命中した。
[うぬ、生意気な。こちらも攻撃だ]
 『ディスアスター』から竜巻が発生した。

障壁(ソリッドバリア)展開』
 老君の指示により、物理障壁(ソリッドバリア)を展開する3隻の巡洋艦。
力場発生器フォースジェネレーター起動。艦隊固定』
 次いで、風で揺さぶられないよう力場発生器フォースジェネレーターを使い、安定させる。

[ぬ?]
 竜巻をまともに受けたはずの3隻は、見た目変わりなくまだ海に浮かんでいた。
[あれを凌いだというのか? ……う、ぐおおおおっ!]
 竜巻が消えたその次の瞬間、またしても27発の命中弾を受ける。
 『蛮人』と呼ぶこの星の勢力が操る船から再三攻撃され、中央頭脳は怒り狂っていた。
[ちょこざいな! これでも喰らえ!]
 『ディスアスター』は新たな兵器を使用する。
 『淀』の真上で爆発が生じた。

*   *   *

『巡洋艦『淀』、小破』
 その報告は『アドリアナ』にいる仁の元にも届けられた。
「ううむ、あれは『魔力爆発マナ・エクスプロージョン』と同系統の魔法か」
 展開していたのは物理障壁(ソリッドバリア)。魔法は防げない。
「老君、『魔力流分析機(エーテルアナライザー)』は使っているか?」
『はい、御主人様(マイロード)
 すぐに返事がきた。
「今の攻撃は『魔法転写銃(マギトランスガン)』に近いものです」
「やはりな」
 仁も似たような武器を開発していたので、防御方法は見当が付く。
「エーテルジャマーだな」
『はい、それで防げるはずです』

*   *   *

 小破した『淀』は少し後退し、代わって戦艦『穂高』が戦闘に参加する。
 まずは主砲、口径30センチのレーザー砲6門が斉射された。そしてもう1回、さらにもう1回。
 それらは過たず『ディスアスター』に吸い込まれた。

*   *   *

[ぬおおおっ!? この光は!]
 『ディスアスター』は魔法障壁(マジックバリア)を張っていたのだが、それをものともせず命中した光学兵器。
[侮れぬな……]
 とはいえ、これもまた微々たる損害。致命傷には程遠い。
 と、そこにさらなる振動が『ディスアスター』を揺るがす。
[こ、今度は何だ!?]
 爆発の原因及び箇所を調査すると、原因は特定できなかったが、箇所は海中である。
[海中戦力……だと?]
 マーメイド部隊が魔力爆弾(マナボム)を貼り付け、遠隔操作で爆破したのである。
[うぬぬ……これまでそんな報告はなかったはず。……この中央頭脳を欺いていたというのか!!]
 ようやく、自身の持つ情報が誤っていることに気が付きはじめた中央頭脳であった。
 そんな『ディスアスター』を、さらなる爆発が襲う。
[航空戦力だと!?]
 それは『ファルコン』隊が落としていく魔力爆弾(マナボム)
 マーメイド部隊のそれよりも大きいため、爆発も強力だ。
 ようやく、『ディスアスター』の装甲が一部吹き飛んだ。
[うむ……おそるべき蛮人め]
 こうなってもまだ蛮人呼ばわりをやめない中央頭脳は、周囲を障壁(バリア)で囲んだ。
 魔力爆弾(マナボム)障壁(バリア)表面で爆発し、『ディスアスター』本体には僅かな振動が響くのみとなった。
[よもや障壁(バリア)の中に引き籠もることになろうとは]
 中央頭脳はこの事態を打開すべく、思索に没頭した。

*   *   *

『『ディスアスター』は障壁(バリア)を張りましたね。なかなか強力なようです』
 『ディスアスター』本体が揺らいで見えるところから察するに、光学兵器も散乱するか減衰させられてしまいそうだ、と老君は判断した。
『このまま膠着状態が続けば、魔力素(マナ)不足で困るのは向こうのはず。ならば、そうなる前に再び攻勢に出るはずですね』
 その攻撃をいなすため、『防御盾(アイギス)』の使用もあり得る、と老君は考えていた。
 隕石対策用に開発した『防御盾(アイギス)』ならば、大抵の物理攻撃は防ぐことができる。

『こちらとしても、あれだけ巨大ですとやりにくいですね』
 仮にいっぺんに破壊できるほどの魔力爆弾(マナボム)を使ったとしたら、惑星アルスにもダメージが及ぶ可能性がある、と老君は推測していた。
『少しずつでも削っていくしかないですね』

*   *   *

自由魔力素(エーテル)の備蓄量はまだまだ大丈夫だな]
 『ディスアスター』の中央頭脳は、そうした状況も的確に把握していた。
[今のペースでも半年は補給なしで行ける]
 1000年にわたって横取りしていた自由魔力素(エーテル)の量は途轍もないものになっていた。
[本来の目的に使えないのは残念だが、仕方ない。まずはこの星を征服しなくてはならないからな]
 『ディスアスター』は新たな兵器の起動準備に入る。
[まずは津波だ]
 『大津波(タイダルウエイブ)』と同種の魔法攻撃である。
 艦船には効果大だ。あくまでも普通の艦船には、だが。

*   *   *

『大津波を起こしましたか』
 老君は『覗き見望遠鏡(ピーパー)』によりその様子を観察して下り、適切な指示を出した。
『こちらも対抗です』
「了解。……『大海嘯(オオツナミ)』」
 戦艦『穂高』の『魔法転写砲(マギトランスカノン)』が唸りを上げた。
 いつもお読みいただきありがとうございます。

 お知らせ:
 11/12(土)早朝から夜にかけて実家へ帰省して参りますのでその間レスできなくなります。
 御了承ください。

 20161113 修正
(誤)『ディスアスター』本隊には僅かな振動が響くのみとなった。
(正)『ディスアスター』本体には僅かな振動が響くのみとなった。
+注意+
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