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マギクラフト・マイスター 作者:秋ぎつね

36 移動基地篇

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36-14 そして開戦

「あれは!?」
『おそらく火属性魔法『炎玉(フレイムボール)』ですね』
 炎玉(フレイムボール)は火属性魔法中級の上。ファイアボールの上位で温度が高く、1000℃以上。
「それを打ち出すのか」
 円盤機は3分の1を焼かれ、海に墜落した。
『『ディスアスター』の兵装は基本魔法武器のようですね』
「そのようだな」
 蓬莱島の兵装は魔法+物理が多い。
 巨大な『ディスアスター』への効果が見込めるかどうかはやってみなければわからなかった。
御主人様(マイロード)、エルザさまやファミリーの皆様と共に『アドリアナ』に避難して下さい』
「どういうことだ、老君?」
『『ディスアスター』の兵器の中に『魔素暴走エーテル・スタンピード』を起こすようなものが含まれている可能性があります。しかも、このアルス上全土を覆うほどの』
「……」
『幸いにして、カイナ村の皆さんは魔導士ではないので、魔素暴走エーテル・スタンピードにも平気でしょう』
 が、『仁ファミリー』のメンバーは魔導士が多く、魔素暴走エーテル・スタンピードが起きればその命の保証はできないと老君は言うのである。

「ううん……」
魔素暴走エーテル・スタンピードが起きたとしても、成層圏より上、宇宙空間でしたら影響はないはずです。どうか、避難を。……いえ、『アドリアナ』からの指揮をお願いいたします』
「『アドリアナ』からの指揮、か……」
『はい。そして、『ディスアスター』にくっついている『侵略者』の宇宙船が逃げ出した場合、追えるのは『アドリアナ』だけです』
「……そこまで言われちゃな。わかった、言うとおりにしよう」
 仁は老君に指示を出し、『仁ファミリー』の全員を『アドリアナ』に集めることにした。
 それ以外の人間はどうする、という葛藤ももちろんある。が、仁も全能ではない。
魔素暴走エーテル・スタンピードを起こさせないよう対処するのが第一だな」
『それはそのとおりです』
「このごたごたが終わったら、『オノゴロ島』や『移動基地』と相談してみるか」
『それはいいかもしれませんね。マリッカさんの安全に関わる問題ですから、協力してくれるでしょう』
「だな」

 そんな言葉を交わしたあと、仁は『アドリアナ』へと転移する。
 そこには既に『仁ファミリー』全員が揃っていた。
「ジン、『大聖』から事情は聞いたよ」
 ラインハルトが真っ先に口を開いた。
「ジン様が、私たちを心配してくれているということも聞きましたわ」
 ユリアーナを抱いたベルチェが付け加える。
「しかしねえ、ここはどこなんだい? あたしたちだけ、ってのも気が引けるねえ」
 マーサが言う。
「おばあちゃん、ここは宇宙。お空のもっともっと上なのよ」
 ハンナがわかりやすく説明しているが、マーサに通じたのかどうか。
 なにしろ、今彼等がいる場所に窓はないので、どこにいるのかわからないのだ。
 アルス上のどこかである、と言っても信じてもらえるだろう。

「事情は老君が説明したとおり。世界を滅ぼしかねない奴がいて、それをなんとかしようとしているところなんだけど、心置きなく戦えるように、みんなにはここに来てもらったわけなんだ」
 マーサやミーネにもわかりやすく、背景を掻い摘んで説明する仁であった。
「もちろん、向こうに手出しさせる気は毛頭ない。でも、万が一、億が一、何かあったら俺はきっと後悔するだろうから、ここに来てもらったんだ」
 その説明に、それ以上何か言うものはいなかった。
「今何が起こっているか知りたければ、中央艦橋へ来てくれ」
「じゃあ行ってみようかな」
 そんな仁の言葉に従い、『仁ファミリー』、すなわちラインハルト、ベルチェとユリアーナ、ハンナ、マーサ、サキ、グース、ルイス(クズマ伯爵)、ビーナ、マルシア、ロドリゴ、トア、ステアリーナ、ヴィヴィアン、リシア、シオン、マリッカ、ミロウィーナ、ミーネ、そしてエルザは艦橋へ行くことになった。
 なんだかんだ言って中央艦橋は最も安全性が高いということもある。

*   *   *

御主人様(マイロード)、皆様、ようこそ『アドリアナ』へ』
「ええ、え? こ、声がしたよ!?」
 早速マーサは驚いている。
「おばあちゃん、あれは『大聖』っていって、この船を管理している魔導頭脳なの」
「へ、へえ、そう……なのかい」
『お寛ぎ下さい』
 大聖の声に従い、床から椅子がせり上がってくる。ちゃんと全員分だ。
『外の様子です』
 正面の大魔導投影窓(マジックスクリーン)に宇宙空間が投影された。
「うわあ……きれい」
「す、すごいな」
「はあ……」
「こ、ことばが出ましぇん」
 初めて宇宙に出た面々はその眺めに圧倒されている。
 漆黒のビロード地に散りばめられた色とりどりの宝石、とは誰が言ったんだろうか、と仁は頭の片隅で考えていた。

「さて、アルスで何が起きているか、それを確認しなくちゃならない」
 仁はやや小型の魔導投影窓(マジックスクリーン)の前に移動した。付いてきたのはエルザとラインハルト。
「僕らにも見せてくれよ」
「ジン兄1人に負担をかけるわけには行かない」
「ありがとう」
 仁たちは魔導投影窓(マジックスクリーン)を注視した。

*   *   *

 円盤機2機は完全に沈黙した。
[なんと旧式な飛行体だ]
 『ディスアスター』の中央頭脳はその様子を見てせせら笑う。
 そして宣言する。
[このままこの世界を征服に行く。止められるものなら止めてみるがいい。その場合容赦はしない]
 それは外部にスピーカーの役目をするものがあるらしく、周囲の海域にも響き渡った。

*   *   *

『傲慢ですね』
「ああ、わかりやすいな」
 『アドリアナ』の中では、仁たちが憤慨していた。
「なんとしても食い止めないといけないな」

 そこへ老君から連絡が入る。
御主人様(マイロード)、『移動基地』の方は安全地帯に退避した模様です』
「よし、巡洋艦、遠距離砲撃だ」
『わかりました』
 かねてより派遣していた巡洋艦、『梓』『桂』『淀』の3隻は、左舷を『ディスアスター』に向け、一斉砲撃を行った。
 彼我の距離は10キロ、砲弾は徹甲弾。
 亜音速で打ち出された9門×3隻、27発の砲弾は、全て過たず『ディスアスター』に着弾する。
『ディスアスター』に振動が走った。
 いつもお読みいただきありがとうございます。

 20161111 修正
(誤)かねてより派遣していいた巡洋艦、『梓』『桂』『淀』の3隻は
(正)かねてより派遣していた巡洋艦、『梓』『桂』『淀』の3隻は
+注意+
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