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マギクラフト・マイスター 作者:秋ぎつね

36 移動基地篇

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36-04 移動成功

 敵ゴーレム第二陣は、やはり異形揃いであった。
 右腕が大きく、左腕が小さいもの。
 右側に腕が3本付いているのに、左側の腕は1本しかないもの。
 腕が8本、脚が3本のもの。
 頭が3つ、腕が1本、脚が8本のもの。
 等、等、等。
 それらが床の上にいきなり現れる。

*   *   *

「……このデザインの意味はいったい何なんだ?」
 思わず仁の口から疑問の言葉が突いて出る。
『まるで子供の書いた絵から飛び出してきたようですね、御主人様(マイロード)
「え? ああ、うん、そうだな」
 老君が言うように、確かに『子供の絵』かもしれない。と仁は思った。
 が、考え込む前に、戦闘が始まる。

*   *   *

 まず、異形のゴーレムたちが攻撃を仕掛けてきた。
「また雷属性攻撃か」
 それらは全て、ランドたちの障壁(バリア)で弾かれている。
《施設を出来るだけ壊したくないんだろう》
「それはわかるが、他にやりようはないのかな」
 仁の分身人形(ドッペル)は指示を出す。
「ランド15、『魔力砲(マギカノン)』を使え」
 今回連れてきたランド隊の面々には、それぞれ特殊装備を持たせている。ランド15は小型魔力砲(マギカノン)だ。
 以前『統一党(ユニファイラー)』との決戦時、礼子が使っていたものの発展型だ。
 口径は小さくなっており20ミリ。弾丸は鉛玉、鋼球を選べる。弾倉の総弾数は50発。
 もはや『砲』ではなく『銃』かもしれない。

 まずは鉛玉を『弱』で発射。
 異形のゴーレム1体が吹き飛んだ。
「……対魔法結界はあっても実弾は防げないようだな」
《少なくとも我々は実弾を使う兵器はほとんど使わないからな》
「そうなのか……」

 そういう発展の仕方もあるのか、と仁は思ったが、今は考え込む時ではない。
 異形のゴーレムたちが雷属性魔法を放つが、それらは全て『魔法障壁(マジックバリア)』で弾くことが出来ていた。
「物理現象ではなく、魔法なのか……」
 雷属性魔法=『電撃』だと考えていた仁には驚きである。後で解析しよう、と密かに決心する。

 そして、ランド15が弾倉1つを撃ち尽くす前に、異形のゴーレムは全て沈黙した。
「あっけないな」
 仁の分身人形(ドッペル)が呟くと、『ヘレンテ』がそれを否定した。
《いや、『崑崙君』の武器が優秀なのだ。強力な物理攻撃手段を持っているというのは強い》
「でも、円盤は矢を放ってきたじゃないか」
《あれは原住民の武器を模倣しただけだ》
「え? それじゃあ、あれ以上の攻撃手段は?」
《当然、魔法になる》
「なんだって……」
 こと戦闘に関しては、かなり偏った発展をしているようだ。
 そのあたりも『始祖(オリジン)』は地球人類とはメンタリティが違うのかもしれない。

《先へ進もう》
「そうだな」
 敵ゴーレムはもう現れないようなので、一行は先へ進むことにした。
 仁としては異形のゴーレムを解析してみたかったのだが、今回は諦める。
 そして、目的地であるホール中央部。
「やはりか」
《推測どおりだな》
 そこには転移魔法陣が刻まれていたのだ。
「よし、行こう」
《まあ、待て。……これは罠だ》
「罠?」
《大した効果はないが。……『1階層上へ』……と描かれているな》
「双六かよ!」
 『ヘレンテ』の解説を聞いて、思わず仁と仁の分身人形(ドッペル)は声を上げてしまった。
《すごろくというのが何かわからんが、下へ行くのだからここを描き直せばよい》
 『ヘレンテ』が魔法陣の一部を指差した。
「『ヘレンテ』は読めるのか?」
《問題なく読める》
 仁には読めなかった。何せ、これは仁の知っている言語体系ではなかったからだ。
「『始祖(オリジン)』の使っていた言語なのか?」
 それで仁は『ヘレンテ』に聞いてみた。
《そうであるともいえるし、そうでないともいえる》
「どういう意味だ?」
《ここに使われているのは、『主人たち』が使っていた言葉というより、『主人たち』の仲間が使っていた言葉、といえばいいだろう》
「ええと……」
 仁は想像してみた。
 要は、日本人にとっての英語、のようなものなのだろう、と結論する。
「つまり、同じ星だが別の国の言葉のようなものか?」
 『ヘレンテ』は頷いた。
《まあ、その認識でいいだろう。つまり、『ヘール』に残った人々が使っていた言語に近いな》
 これを聞いて、やはり敵の黒幕は『ヘール』にいるという確信を強めた仁である。
「それじゃあ、どこをどう直せばいいか教えてくれ」
《わかった》

 ヘレンテは魔法陣の一部を指差し、仁の分身人形(ドッペル)に説明した。
「ええと、ここをこう直せばいいのか? ……『変形(フォーミング)』」
《ふむ、『1階層下へ転移』。これで間違いないな》
「なら、行こう」
《うむ》
「ご主人様、まず自分が」
 ランド12が立候補し、真っ先に魔法陣に足を踏み入れた。
 瞬間、淡い光が輝き、ランド12は消える。
 そして内蔵魔素通信機(マナカム)による報告がなされた。
『1階下であるかどうかの確認はできませんが無事到着。罠や待ち伏せはありません』
 加えて、周囲の様子などから、より重要なフロアであることはわかったという報告もなされた。
《内容的にいって間違いなさそうだ。行くぞ》
「わかった」
 こうして、仁の分身人形(ドッペル)、ランド11から15、それに『ヘレンテ』は転移魔法陣で移動したのであった。
 いつもお読みいただきありがとうございます。

 20161101 修正
(誤)これを聞いて、やはり敵の黒幕は『ヘール』にいるという核心を強めた仁である。
(正)これを聞いて、やはり敵の黒幕は『ヘール』にいるという確信を強めた仁である。

(旧)こうして、仁、ランド11から15、それに『ヘレンテ』は転移魔法陣で移動したのであった。
(新)こうして、仁の分身人形(ドッペル)、ランド11から15、それに『ヘレンテ』は転移魔法陣で移動したのであった。
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