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マギクラフト・マイスター 作者:秋ぎつね

30 謎のゴーレム篇

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30-37 鎮圧

注意:ゴーレム相手とはいえ残酷なシーンがあります
「……そうか、『流体金属』自体がシールドの役目を果たすから、『魔法無効器(マジックキャンセラー)』の効果が薄いんだ」
 詳細は現物を手に入れて特性を調査する必要があるが、仁は一つの仮説を立ててみる。
魔法無効器(マジックキャンセラー)』は、『魔力素(マナ)』を強制的に『自由魔力素(エーテル)』に戻してしまう働きがあるが、『流体金属』自体にシールド効果があって、効果が削がれるのだろう、というように仁は考えた。
 従って、長時間放射を当てていれば効果が出てくると思われるが、相手もそう甘くはないだろう。
 では、行動不能にするための方策は、ということになる。

 そのために最も手っ取り早いと思われるのは、『命令者』に命令を撤回させることだ。
 礼子と『スチュワード』はジックスとガンノを捕らえようとしたが、それは彼等も予想していた。
 ジックスとガンノはそれぞれ1体ずつの『鈍色にびいろゴーレム』に守られている。
 残る8体のうち1体はセザール王一行を、もう1体は仁とエルザ(の分身人形(ドッペル))を襲わんとしていた。
 あとの6体はそれぞれ別々の方向に向かい始めており、放っておけば被害が拡大するのは目に見えている。
 こうなると、少々過激な手段に訴えねばならない、と、仁は残念に思った。

「……制御核(コントロールコア)は頭部にあるのがわかっているから、切り離すしかないだろうな」

*   *   *

「う、うわっ! 奴ら、おかしくなったのか!」
「陛下! お下がり下さい!」
 セザール王たちに襲いかかる『鈍色にびいろゴーレム』。それを迎え撃ったのは『スチュワード』だった。
『スチュワード』は『鈍色にびいろゴーレム』を殴り飛ばす。
 発泡金属独特の鈍い音と共に『鈍色にびいろゴーレム』は5メートルほど吹き飛んだ。
「陛下! こちらへ!」
 仁(の分身人形(ドッペル))はセザール王一行を呼び寄せた。
 二箇所を守るより一箇所を守る方が守りやすい。仁とエルザ(の分身人形(ドッペル))は障壁(バリア)を張った。

「『崑崙君』、大丈夫だろうか?」
 今、『スチュワード』は2体を相手に戦っている。
「ええ、問題ないですよ。じきにゴーレムメイドたちも、この騒ぎを聞きつけて駆けつけてくるでしょう」
 礼子が来たんだから、と仁(の分身人形(ドッペル))は説明し、王たちを安心させた。
 そしてその言葉どおり、5色ゴーレムメイドが現れた。
 もちろん、蓬莱島から転移してきたのである。
 手には『超高速振動剣バイブレーションソード』を持っている。当然、『スチュワード』の分も。
「ご主人様、お守りいたします」
「よし、『スチュワード』、ここはメイドたちに任せてお前も迎撃に行け!」
「ハイ」
 ゴーレムメイドから『超高速振動剣バイブレーションソード』を受け取った『スチュワード』は走り出した。
「ジ、ジン殿、大丈夫なのかね?」
 いくら高性能でも、ゴーレムメイドと『スチュワード』の戦闘能力の差は歴然としている……と、第一軍事省長官ラゲードは青ざめた顔で尋ねた。
「大丈夫ですよ」
 仁(の分身人形(ドッペル))は、襲いかかってきた『鈍色にびいろゴーレム』を迎え撃たんとしている5色ゴーレムメイド、ルビー1を指差した。

 格闘戦にならない限り、ゴーレムの戦いは速度がモノを言うことが多い。
 そして、軽量級のゴーレムメイドは、『鈍色にびいろゴーレム』の倍は速度が速かった。
鈍色にびいろゴーレム』が武器を持っていないというのも大きい。
 ルビーは、殴りかかってきた『鈍色にびいろゴーレム』をひらりとかわすと、横腹に蹴りを入れた。
鈍色にびいろゴーレム』の突進方向がずれ、仁たちの横を通り過ぎていく。
 更にその背をアメズ1が蹴り飛ばした。
 体勢を崩しながらも踏みとどまる『鈍色にびいろゴーレム』。だがその時には、アクア1がその手の『超高速振動剣バイブレーションソード』を振り抜いていた。
 転がり落ちる『鈍色にびいろゴーレム』の頭部。
 制御核(コントロールコア)を切り離され、『鈍色にびいろゴーレム』は停止した。

 そしてもう1体、仁たちを襲った『鈍色にびいろゴーレム』はというと、トパズ1とペリド1が相手取っていた。
 トパズとペリドは入れ替わり立ち替わり『鈍色にびいろゴーレム』を攻撃している。
 ダメージを与えられるほどの威力はないが、仁たちから距離をとらせることには成功した。
 そして。
 おもむろに背中から『超高速振動剣バイブレーションソード』を抜き放ったトパズ1は剣を一閃。
 ごろりと転がる頭部。
 2体目の『鈍色にびいろゴーレム』が動作を止めたのであった。

「もう大丈夫ですよ」
 仁(の分身人形(ドッペル))が言う。
 セザール王たちはほっと溜め息をついた。
「あとは礼子と『スチュワード』に任せて、あの2人を捕まえましょう」
 仁(の分身人形(ドッペル))は、2体の『鈍色にびいろゴーレム』の後ろに隠れているジックスとガンノを指差して言った。
「頼むぞ」
 仁(の分身人形(ドッペル))が一言言えば、
「はい、お任せ下さい」
 と、ペリド1を除く4人が動き出した。ペリド1は当然仁たちの護衛である。
 障壁(バリア)は張ってあるが、用心のためだ。セザール王たちへの心理的な安心感を与えるためでもある。
 アクア1とトパズ1がガンノの所、ルビー1とアメズ1がジックスの所にいる『鈍色にびいろゴーレム』に向かって行った。

 一方、礼子は周囲を襲うために練兵場から離脱していく『鈍色にびいろゴーレム』に追いすがった。
力場発生器フォースジェネレーター』を使わずとも、時速500キロで走ればたちまちのうちに追いつける。
 速度差は4倍以上。そのままの速度を保ったまま、水平に振るわれる超高速振動剣バイブレーションソードモードの桃花。
「まず1体」
 頭部をなくし、停止した『鈍色にびいろゴーレム』に目もくれず、礼子は次の目標を探す。
 来た方向とは90度ずれた方向へと走っていく『鈍色にびいろゴーレム』が目に入った。礼子は瞬時に走り出す。
 10秒足らずで追いついた礼子は剣を振るった。
 が、偶然か、『鈍色にびいろゴーレム』は体勢を崩し、その剣を辛うじてかわした。
「ですが……!」
 だが、続く2撃目であえなく頸部を切断され、停止したのである。

「次は……遠いですね」
 既に1キロメートルほど離れた場所で、城壁を破壊し始めている『鈍色にびいろゴーレム』がいた。
 礼子はさらに速度を上げた。
力場発生器フォースジェネレーター』を併用すれば、時速1000キロを楽に超えられる。
 亜音速の速度で、礼子は城壁を破壊中の『鈍色にびいろゴーレム』に体当たりした。
 衝撃で『鈍色にびいろゴーレム』はバラバラになって吹き飛んだ。
「あと2体」

 この時、既に『スチュワード』も2体を片付けていた。
 礼子ほどではないが、仁により強化された性能は伊達ではない。
 まして、『超高速振動剣バイブレーションソード』を手にしているのだ。
 これを防げる物質は、魔力で極限まで強化された古代竜の抜け殻、つまり礼子の皮膚くらいしかない。
 もっとも、礼子には『物理障壁(ソリッドバリア)』もあるので、直接触れずに防ぐことも可能である。
 だが、『鈍色にびいろゴーレム』にはそのどちらも持ってはいなかった。
 蹴り掛かったその脚を斬り飛ばして更に頭部を落とす。
 防ごうとした腕ごと首を切断。
 そうして2体が動作を停止したのである。
 いつもお読みいただきありがとうございます。

 20160405 修正
(旧)そのままの速度を保ったまま、水平に振るわれる超高速振動剣バイブレーションソード
(新)そのままの速度を保ったまま、水平に振るわれる超高速振動剣バイブレーションソードモードの桃花。
+注意+
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