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氷鉋鳴海の事件ファイル
作:Daisy Katsura



File 04.殺害された恋人


 鳴海が高宮に案内されたのは、捜査一課九係の狭い一室。
「あれ、その子は?」
 と、若い刑事が高宮に訊ねる。
「この子は氷鉋 隆一さんの息子さんだ」
 高宮がそう言うと、鳴海はお辞儀した。
「氷鉋 鳴海」
 と、小さな声で名乗る鳴海。
「へぇ、なるみ君か。女の子みたいな名前だね」
 と、彼をからかう刑事。
「それより涼子さんは一緒じゃないんですか、警部?」
「彼女はカツ丼買いに行ってるよ」
そんな事より──高宮がそう言い掛けた時、鳴海が遮る様に言葉を発した。
「高宮警部、事件の捜査状況を教えて下さい!僕が取り調べ室に入れられている間にある程度進んでるんですよね?」
「おお、そうじゃった。進んでいるよ。
 立ち話もなんだから、ソファにでも座って話すかね」
 高宮はそう言うと、鳴海をソファへと座らせ、茶を煎れた。
「先ず、これを見てくれたまえ」
 高宮はそう言って、ある一枚の写真を取り出した。
 そこには、一人の男性がこっちに笑顔を向けているのが写っていた。
「これは?」
「こいつは、山路 敏哉やまじ としや。被害者の交際相手だ」
 高宮は一旦そこで区切ると、
「否、交際相手だったと言った方が良いか」
 と、言い直した。
「どう言う事だ?」
 その問いに、高宮は深刻な表情をしてこう言う。
「殺されたんだよ。一年前にな」
「なっ!?」
 高宮は、鳴海が驚くのも無視して話しを続けた。
「状況は、今回と同じ滅多刺しだった。恐らく、同一犯の犯行と見て間違い無いだろう」
「現場は何処なんだ?」
「北海道だ」
「北海道か・・・・・・何っ、北海道!?」
 鳴海は驚き、大声を張り上げた。
「声がでかいよ」
「すいません」
「道警には連絡を取ってある。行って、詳しく話しを聞いて来い」
 高宮はそう言うと、20万程入った封筒を取り出し、鳴海に渡した。
「これは?」
「交通費だ。刑事局長さんが君の為に出してくれたものだ」
「え、親父が?」
「まぁ、何だ?それ使って行って来い」












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