第38章 手紙
トントン
「はい」
翌日、朝食を取った後、離夜は約束どうり志保の部屋を訪ねた。
扉をノックすると、志保は既にドアを開けた。離夜が来るのを待っていたのだろう。
「入って良いわよ・・・・。」
「・・・いいえ、此処で良いわ」
「そう・・・・なら、本題に入って貰えるかしら?」
「ええ」
2人は少しだけ言葉を交わすと、本題に入った。昨日までとは違い、お互いにとてもよそよそしい・・・・。
「此れを見て」
「・・・・何、此れ?」
「良いから、読んでみて」
「・・・・・・・」
離夜は手に持っていた真っ白な封筒を、志保にさし出した。
志保は怪訝な顔をしながらも受け取ると、中身を取り出して読み始めた。
「此れは・・・!!!!」
暫く手紙に目を通していた志保は、大きく目を開いて絶句した。
もの凄く衝撃的な事が書かれていたのだろう。
驚いた顔の中に、悲しみや怒り、困惑の表情が浮かんだ。
「此れ・・・どう言う事かしら・・・・」
志保は掠れる声で呟いた。今にも消えてしまいそうな程か細い声だった。
・・・・しかし、しっかりとした目で離夜を見つめていた。
「見ての通りよ。其手紙は、私が彼女から預かった物・・・・」
混乱している志保とは逆に、離夜は至って冷静で淡々と話している。
「此れ、いつ貰ったの?」
「彼女が、仕事を実行する直前よ」
「お姉ちゃん・・・・・」
志保は暫くの間、離夜から渡された手紙をただ眺めていた。
其手紙の中身とは・・・・
志保へ
志保、貴女が此の手紙を読んでいると言う事は、私はもう、此の世界には存在していないのね・・・。ごめんね志保。助け出してあげられなくて。
此の手紙を貴女に渡した人が、私が手紙を託した人である事を祈るわ。
彼女は・・・・組織の被害者よ。出来る事なら、彼女を助ける手助けをしてあげて。詳しい事は此処には書けないわ・・・・。貴女が直接聞いて。
だけど此れだけは言えるわ。彼女は信頼出来る人よ。意志が強くて、とっても賢い人だわ。
志保、貴女に幸せが訪れる事を願ってる。私の分も精一杯生きてね。
今までありがとう。さようなら
お姉ちゃんより
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