第37章 眠れぬ夜
北海道最後の夜、彼等は其々の部屋でゆっくりと過ごした。
もっとも、心中は其ほど穏やかではなかったが・・・
―事件が起こった日からだよね、様子が変なのわ・・・。
蘭は、同室の志保の事を心配していた。
街から帰って来てから、彼女はいつにも増して何も話さないのだ。
蘭が話し掛けても上の空だし、どこか不安げな表情をしている。
「明日はチェックアウトもあるし、もう寝ましょ?」
蘭の心配を余所に、志保はいつもの表情を装ってクールに話した。
「あ、うん・・・。お休みなさい」
「お休み・・・・・」
一方、志保は蘭が気にしてくれている事には気が付いていたが、相手をする程余裕はなかった。
離夜の言葉が引っ掛かってしょうがなかったのだ。
初対面の時、彼女から感じた組織の臭いの事も気になっていた。
―彼女は一体何者なの・・・?やっぱり、工藤君に話した方が良かったかしら・・・・
其後も、志保の眠れぬ夜は続いた。
結局、彼女が眠りにおちたのは、もう時計の針が4時を回ってからだった。
しかし、なかなか眠れなかったのは志保だけではなかった。
離夜も考える事があり、なかなか寝付けなかった。
―彼女、信じてくれれば良いけど・・・。きっとショック受けるよなぁ・・・・・・
「・・・・さん、とうとう約束が守れます」
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