第32章 第1の推理
6人は、聖治に頼んでホテルの一室を借りると、其処に事件の関係者や警察を集めた。
「どうしたのかね、こんなに大勢を集めて?」
警部が不思議そうに尋ねた。
「勿論、今回の事件に関しての推理ですよ!!」
警部の質問に新一が答えた。もうすっかり探偵の雰囲気を纏っている。
「何?其じゃあ君達は、犯人が誰なのか分かっているのかね!?!?」
警部が驚いて質問をした。他の刑事や3人の容疑者も心底びっくりしているようだった。
「勿論です。第1の事件も第2の事件も、凶器、アリバイ、証拠と、全て分かっています!!!」
今度は、新一に代わっ離夜が答えた。さっき迄とは違う、鋭い雰囲気を出している。此の雰囲気が、離夜が探偵として纏う雰囲気なのだろう。
「まず第1の事件、被害者の頭に撃ち込まれた銃弾の角度からして、犯人は被害者よりも身長の高い人間しかありせん。」
「第2の事件では、犯行に使われた道具から、ある人物が浮かび上がって来ます」
『其人物とは、小野浩平さん、貴方です!!!!』
新一と離夜は、順番に自分の考えを話した。最後の部分は、見事に彼の事を2人同士に指差した。
「何だって!!」
「嘘!浩平君が?」
「浩平、おまえ・・・」
「おいおい、冗談だろ?」
警部、妃呂香、颯太、浩平が其々の反応をした。1番驚いているのは浩平自信のようだ。
「第1の事件。被害者、久賀洋介さんの身長は176センチ、銃弾は彼の上から撃ち込まれていたので、犯人は彼よりも大きいと言う事になります。妃呂香さんは蘭とほぼ違わない身長、颯太さんは快斗や僕よいも小さい・・・。そうなると、此の中で犯行が可能なのは、白馬と同じ位の身長をしている浩平さん、貴方しかいません」
「ふっ、そんなの只の推測にすぎないだろ!?俺にはアリバイもあるし、第一証拠はあるのか?」
新一が一旦推理を終了すると、 浩平が強気に聞いて来た。
「勿論や。あんたと颯太さん、ゲレンデの上級者コース居たらしいけど、其後いっぺん2人して其場を離れたんやろ?」
「ああ、珈琲を買いに。15分位で戻ったと思うが・・・?」
今度は平次が推理を披露し始めた。質問すると、浩平ではなく颯太が答えてくれた。
「其後、2人一緒にはゲレンデに戻っとらんな?最初に戻ったんはどっちや?」
「俺だよ・・・?」
「浩平さん、颯太さんを先に行かせて、あんたは何をしとったんや?」
「颯太のジャンパーを洗っていたんだよ!!」
平次が質問が続けると、浩平は欝陶しそうに答えた。
「何か零したんか?」
「そうさ!間違って珈琲をかけちまったんだよ!!」
「其処や、其があんたの計画の一部やったんや・・・わざと颯太さんのジャンパーを汚したあんたは、自分のジャンパーを貸して先に行かせ、別行動をとる口実を作ったんや。そんでもって、自分は予め呼び出しておいた被害者を殺害したんや!!」
「な!!」
平次の言葉に浩平は絶句した。びっくりしていると言うよりは怒っているようだった。
「そんなもん、只のこじつけじゃないか!?ふざけるな!!!そんなんじゃ俺が久賀を殺したって言う証拠にはならねぇだろ!?」
浩平は平次に向かって怒鳴ったが、当の平次は全く無視した。そして、代わりに快斗が答えた。
「あんたはさ〜、颯太さんに自分の派手で目立つジャンパーを着せ、リフトの係員の男性やスキー客に、恰も其処に自分が居たかのように錯覚させたんだよ!!幾ら身長差があっても、普通の人はそんな事気にも止めないからな〜。其にジャンパーが派手だったのなら、そっちにばっかり目が行っても可笑しくないしな!!」
「そして、誰からも硝煙反応が出なかったのは、おそらく、貴方が颯太さんのジャンパーを裏返しに着たからです。わざと珈琲を零したのは、返り血を洗い流したさいにジャンパーが濡れるのをごまかすためでもあったんです!!」
快斗の言葉を受け継いだ新一は、最後まで推理を言い切った。
「僕等の推理は間違っていますか?」
新一は浩平に返事を求めたが、浩平は何も言わず、只足元を睨み付けていた。
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