第26章 朝食(新たな事件)
次の日の朝、彼等10人は揃ってホテル内のレストランで朝食を採っていた。
朝食はバイキング型式になっていた。
外は前日の夜から降り出した雪がまだ降っていて、空は厚い雲が覆っていた。全く止む様子はない。
「おはよう離夜さん、柚木君」
「おはよう!」
「おはよう、呼び捨てで良いわよ蘭さん」
「それじゃあ私の事も蘭って読んでね!?」
「ええ」
離夜と霸潤が料理を取っていると、蘭が話し掛けてきた。朝から爽やかな声だ。
「離夜、私達と一緒に食べない?」
「良いわよ」
離夜は笑顔で答えた。
其は警部達に見せていたものとは何処か違う笑顔だった。そんな離夜の事を、霸潤は優しい顔をして見ていた。
「おい!柚木〜!!」
突然声を掛けられて霸潤が後ろを振り向くと、そこには平次が立っていた。
「何?……んっと…服部君?」
「霧藤の姉ちゃんが和葉等と一緒に食べるんやったら、自分1人になってしまうやろ?せやから俺等と食べへんかと思ったんやけど、どうや!?」
「・・・良いのか?」
平次のパワフルさに驚きながらも霸潤は聞いた。
「かまへん!4人も5人も同じや!!」
「じゃあ一緒にさせてもらうよ」
霸潤は離夜に平次達と食べると告げ、平次の後に着いて行った。
「工藤君」
「・・・工藤で良い・・」
朝食も食べ終わり、平次達は飲み物を取りに行っていた。テーブルに居るのは新一と霸潤だけだ。2人共暫く無言だったが、急に霸潤が沈黙を破った。
「じゃあ工藤、何を気にしてる?」
「は?」
新一は眉をしかめた。当然だろう。
「離夜の事だろ?」
「・・・何故そう思う?」
「離夜を見る時のおめぇの目は、離夜が犯人や疑わしい人間を見る時の目と同じだ」
霸潤はきっぱりと言った。いつの間にか口調も変わっている。
「そりゃ気ぃ付けなきゃな」
新一はふっと挑戦的に笑った。
「確かにあいつの行動、いや言動には可笑しな点が多い。だが警部が言ってたように、離夜とおめぇの立場は似ている。其の意味におめぇ等が気付くか試してんだよ、あいつは」
霸潤は新一の態度には全く動じず言い切った。
「この事件が終わったら、全部話してくれると思うぜ?」
「おめぇは、何を知っているんだ?」
「悪いけど、俺の口から言ぅ訳にはいかねぇな・・・」
「2人共、何を話しているんですか?」
探が2人声を掛けた。3人共飲み物を取って戻って来たのだ。此処で2人の会話は終わりになった。
朝食を終え、其々の部屋に戻った探偵達は事件現場に行く為の準備を、離夜を除く4人の少女は街へ行く準備をしていた。霸潤と快斗も新一達に着いて行くようだ。
時刻は10時、レストランから戻って来て1時間経った。
「おい服部、おめぇまだ準備出来ねぇのか!?」
「ちょい待ちや!」
「さっきから待ってんだろ・・・・!?」
新一と平次の部屋では、のんびりした声とイライラした声が飛び交っていた。新一は朝6時には起きて推理していたのだから、準備万端で当然だ・・・。
その頃、離夜と霸潤の部屋ではこんな会話がされていた。
「霸潤、行ける?」
「ああ」
「ゴメン、電話長引いちゃって」
「良いって!」
どうやら離夜は誰かと電話をしていたようだ。離夜も朝6時には起きて事件の事を考えていたのだから、その電話のせいで出発が遅れたのだろう。
『ドンドンドン!!』
其の時、ドアの外で扉を叩く大きな音がした。
「離夜さん!!居ますか!?聖治です!!」
「・・・!?・・・如何しました!?」
離夜は聖治の只ならぬ様子に急いで扉を開けた。
「聖治さん、何か遭ったんですか!?」
「相良様が亡くなっているんです!!」
『何ですって(だって)!?』
『え(は)!?』
声のした方を見ると、隣の部屋から新一が顔を出していた・・・・・。
「何でおめぇが?」
「あなたこそ・・・?」
『新一さん(離夜さん)!!早く来て下さい!!』
『あっ……はい!!』
騒ぎを聞き付けた平次や探、霸潤等と一緒に新一と離夜は急いで現場へ向かった。
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