第24章 離夜 Side(アリバイ)
30階まで戻った離夜は、聖治に次の指示を出した。警察が来るまで待機しておく事、そして来たら部屋を案内すると言う内容だ。
「解りました、何か遭ったら声を掛けて下さい」
離夜は其のまま聖治と離れると部屋に戻った。
「一体誰が犯人なの?手掛かりが無さすぎる・・・」
離夜はコピーして来た手帳と日記を調べながら呟いた。
[……それでは貴方方と洋介氏の詳しい関係を教えて下さい……]
―警察、到着したんだ・・・・。
離夜は無線機の声を録音すると、聞こえて来る会話をメモしていった。
[……遺体の死亡推定時間は9時頃〜11時頃です。その頃の貴方方の行動を教えて下さい……]
現場検証や身元確認はまだ続いていた。其れにしてもこの刑事は捜査は鈍い。
[……死亡原因は頭を一突きしている銃弾で間違いないだろう……]
―アリバイ確認やっと終わったみたい・・・・なら今聞こえたアリバイが本当か、確認に行かなきゃ!!
離夜は必要な物を持つと部屋を後にした。
―それにしても、警察が来る前まであちこち調べまわってた人達、誰なんだろう?
離夜はまず、彼等の証言した、ホテル内でのアリバイの場所へ向かった。
彼等の証言によると、被害者との関係、アリバイは次の通りだった。
水杉妃呂香 21歳
・被害者の恋人
・サークルでは書記
アリバイ:雪祭の会場の入り口、氷のアーチの前に9時〜10時まで。その後1時間程会場を一人で見て歩いていた。12時30分頃まで近くのレストランで昼食。
相良香夏子 21歳
・被害者の幼馴染
・サークルでは副部長
アリバイ:街で買い物8時30分〜11時30分頃まで、その後カフェで昼食を1時間程取り、1時10からの映画を鑑賞。
毛塚颯太 21歳
・大学に入ってからの友人・サークルでは会計
アリバイ:8時35分頃にルームサービスに電話、8時50分頃にサンドウィッチを持って来て貰った。10時〜11時30分までスキー場の上級者コースで浩平と一緒にスキー、その後12時〜13時までホテルのカフェで昼食。
小野浩平 21歳
・高校からの親友
・サークルでは部長
アリバイ:9時頃からホテル内のジム、10時〜11時30分まで颯太とスキー。12時まで食堂で昼食、その後はずっとスキー。
離夜が確認した事によると、全員のアリバイが確認された。
まずは水杉妃呂香。彼女がアーチの前に立っていた事、会場にいた事は雪祭りのマスコットのをやっていた学生が覚えていたし、レストランに居たのは従業員に確認が取れた。
相良香夏子が街で買い物をしていたのは、幾つかのお店の店員が目撃していたし、監視カメラにも写っていた。カフェに居たのは店員が覚えていたし、映画館にいたのも間違えなかった。
毛塚颯太がルームサービスを頼んだのは、ホテルの従業員が間違えなく証言したし、スキーをしていたのは何人かのスキー客が覚えていた。ホテルのカフェに居たのは店員が覚えていた。
小野浩平がホテルのジムに居たのは従業員が覚えていたし、監視カメラにも写っていた。スキーをしていたのは颯太同様スキー客の何人かが覚えていたし食堂に居たのは店員が証言してくれた。昼食後にスキーをしていたのも他のスキー客が覚えていた。
全てのアリバイが確認できた離夜は、急いで事件現場に戻った。
戻るまでも刑事の声は聞こえていたが、随分ゆっくりとした捜査をしているようだった。
―この刑事、さっきから大丈夫なわけ?凄く頼りないけど・・・其れにしてもさっきの人達、捜査には口出ししてないみたいね・・・・
離夜は新一や平次の声が全く聞こえない事を気に留めていた。勿論、其れが彼等だとは知りもしなかったが・・・・。
離夜は携帯を取り出すと、霸潤に電話を掛けた。
PPPP
「もしもし?」
「あ、霸潤?私」
「おう、どうした?」
「一応アリバイ確認と、被害者の部屋は調べ終わったから、今からそっちへ向かうね」
「解った」
離夜は霸潤と会話しながら現場への道を急いだ。
妃呂香の悲鳴が響いてから、もう直ぐ1時間半が経とうとしていた。
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