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真冬のゲレンデ殺人事件
作:朝月瑠唯娜



第23章 離夜 Side(捜査)


現場検証を始めた離夜は、直ぐに可笑しな点に気が付いた。指に引きがねがかかっていない事、そして、遺体の人物が左利きであると言う事だ。
更に、立ち上がって遺体の寄り掛かっている木を見ると、弾丸が頭を貫通した再に飛び散った血痕が、大量に付着していた。離夜の身長よりも上に。


―決まりだ・・・!!


離夜は自殺ではなく、殺人事件だと確信した。









「すみません、彼って左利きじゃありませんか?」


離夜が質問すると、思った通り遺体の人物は左利きだった。


「彼や、そのサークル仲間が写っている写真、有りますか?」
「ええ・・・デジカメの写真で良かったら…どうぞ」
「ありがとうどざいます」


離夜が写真を確認していると、ようやく霸潤が到着した。


「おい離夜!!勝手に行くなよ!!」
「あ…霸潤。ごめん」
「何があった?」
「此れ・・・」離夜は遺体を指差すと、自分の考えを話した。
「又事件かよ・・・」
「アハハ・・・」


離夜は苦笑いしながら再度妃呂香に近付くと宿泊場所を聞いた。


「「ICICLE TOWERホテル」です」
「解りました、ありがとうございます。貴女は此の侭此処に居て、警察に方にちゃんと証言して下さい」
「あ・・・はい」


離夜は霸潤に向き直ると、的確に指示を出した。


「今無線機持ってる?」
「おう」
「なら霸潤は、無線機をONにしたまま此処に残って彼女を見ていて。人が集まって来たら現場検証をしている人の会話が聞けるようにして」
「了解、此処の様子が、おめぇに伝わるようにすりゃ良いんだな?」
「そう」
「任せとけ!!」


霸潤は笑顔で答えた。どうやら今までも、こうやって離夜を手伝った事があるようだ。


「其れじゃあお願い!!」


離夜は笑顔で答えると、急いでスキー板と取り付け、其の場を去って行った。








霸潤と別れた離夜は、急いで預けておいた荷物を受け取り、スキー道具を預けるとホテルへ戻った。
ホテルへ着いた離夜は、真っ直ぐ聖治の部屋へ行って事情を話した。聖治はとても驚いていたが、離夜の指示に素早く従ってくれた。



[蘭!!警察に連絡してくれ!!]



被害者の部屋を開けて貰う為、聖治の後について移動していると、離夜の耳に付けている無線機から声が聞こえて来た。



―そろそろ野次馬も集まって来ているみたい・・・・



[失礼ですが、第1発見者は貴女ですか?]



―え?警察関係者?・・・・其れにしては声が若いような・・・・



「どうかしましたか?」
「あ、いえ」


聖治の声に我に返った離夜は、被害者の部屋に入った。


「此処が久賀様のお部屋です。ただ毛塚様、小野様と同室になっておりますので、気をつけてくださいね」
「解りました」


離夜は部屋に入ると、洋介氏の荷物を片っ端からチェックしていった。
すると、手帳と日記、数枚の写真が見付かった。


―これは・・・・一応確認して貰った方が良いな・・・


離夜は手帳、日記の気になるページと写真をコピーすると、その場を離れた。
本当はそのまま被害者の友人の荷物もチェックしたかったが、そこまでする事は出来ないのでしょうがない。


「何か解りましたか?」


部屋を出ると、外で待っていた聖治が声を掛けて来た。


「いえ、まだ何とも……」


そう、いくらなんでも手掛かりが無さすぎる。犯人は被害者の友人、あの4人の中にいる筈だが、まだ誰がやったのか見当もつかない。
離夜と聖治は、其のまま部屋を後にした。
















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