第19章 捜査開始<不審な態度>
新一と離夜のやり取りを黙って聞いていた警部が、遠慮がちに話しかけてきた。
「ところで霧藤君、そこの彼等は誰なんだい?君の知り合いみたいだが・・・」
「え?・・・ああ彼等は、東の高校生探偵工藤新一、西の高校生探偵服部平次君、マジシャンの卵の黒羽快斗黒君、海外留学中の高校生探偵白馬探君、新一の幼馴染で、眠りの小五郎と法曹界のクイーンを両親に持つ毛利蘭さん、服部君の幼馴染で父親が刑事の遠山和葉さん、黒羽君の幼馴染で同じく父親が刑事の中森青子さん、それから、高校生にして超優秀な科学者宮野志保さんの8人ですよ。春からずっと雑誌や新聞で報道されているじゃないですか?今じゃそこらへんのアイドルよりも有名人ですよ・・・・?」
「おぉ彼等が!?それじゃあ随分君と似たような境遇なのだな」
「ええ、・・・・いろんな意味で・・・・」
そう言うと離夜は、新一達の方を向いて意味有りげに笑った。
其の時、志保が身体を強張らせたが、其処にいる誰も気付かなかった……離夜を除いは……。
そう、志保は感じたのだ、あの、組織の人間が出す特有の臭いを・・・離夜から・・・・・。
「それじゃあ君達は、もう事件の真相が解っているのかね?」
警部が声を大きくした。
「いえ、残念ですがまだです。警部さん達が到着するまで、30分しかありませんでしたから。」
「そうか・・・・」
「ですが、気になる点は幾つかありました」
「本当、新一!?」
今度は蘭が声を掛けた。
「ああ、まず1つ目は久賀氏が握っている拳銃だが、遺体は即死の筈なのに指が引きがねに架かっていない、其れに彼はは左利きだ、なのに銃は右手で握っている。これから自殺しようと決めてる人間が、わざわざ利き手じゃない方の手でで引きがねを引くのは不自然だ。普通は無意識のうちに利き手を使う」
新一は確信を持って言い切った。これは探偵としての今までの経験から推理したのだ。
・・・自殺者や加害者の心理は多少なりと解っている・・・・。
「な、なるほど・・・・!!」
警部は関心したように呟いた。
「待って工藤君、何であの人が左利きやってわかったん?」
和葉が新一に質問した。さっぱり解らないと言った様子だ。
「あほやな和葉、あの兄ちゃん、左手に腕時計してたんや。そうやろ?工藤」
「ああ」
「しょうがないやいん、こっからじゃ見えへんかったんやし、平次達とは違うてアタシ死体なんて見とうないもん!!!!」
お決まりの痴話喧嘩を始めそうな平次と和葉に、半ば呆れた様子の警部と新一。そんな新一の事をじっと見る離夜。
―相変わらず良い推理。まぁあれくらい、頭の切れる人間なら直ぐ気が付く筈だけど・・・・
そんな事を思って不敵に微笑んでいる離夜を、志保はずっと見つめていた。志保がまだ『灰原哀』だった時のように、何処か不安で怯えたような表情をして・・・・・。
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