第18章 北の高校生探偵
「殺人事件です!!!!」
新一達が声のした方を一斉に振り返ると、そこには長い黒髪に黒い瞳を持つ、彼等と同い年くらいの少女が立っていた。
「彼等の言う通り、これは殺人ですよ!!刑事さん」
「だから子供が捜査に口出しするんじゃない!!大体君達は何なんだ!?!?」
新たな少女の登場に戸惑いながらも、刑事は又文句を言った。
「私ですか?・・・霧藤離夜です」
刑事とは対照的に、至って冷静な少女はさらっと自分の名を名乗った。
「何だって!?」
それを聞くと、少し離れたところで捜査していた警部が寄って来た。酷く驚いているようだ。
「お久しぶりです、警部」
少女は警部に向かってにっこり笑うと、新一達の立っている方へ歩いて来た。スキー板は肩に担いでいる。それに肩からショルダーバックを下げている。なんとも可笑しな格好だ。
「あら、貴方もしかして新一!?」
少女は新一達のところへ来ると驚いたように言った。
『へ?』
『え?』
『は?』
少女よりも更に驚いたのは新一達の方である。上から新一と平次、蘭達女の子、快斗と探の順に皆間抜けな声を出した。名指しされた新一本人もよく事態が飲み込めていないようだ。
「自分誰や?」
新一達全員の考えていた事を平次が代表で言った。
「私は霧藤離夜、今名乗ったじゃない?離れる夜と書いてりいやと読ませるのよ。・・・・そう言う貴方は服部平次君ね?」
「そんなんどうでもええ!!おまえ何者や!?」
平次が怒って声を荒げた。
「ああ。そうね、私は探偵、貴方達と同じ高校生探偵よ!!」
『な!!!!』
「貴方達が西の服部、東の工藤なら、私は北の霧藤ってとこかしら!?!?・・・・まぁよろしくね」
『何だって(何やて)!!』
困惑している新一達をよそに、離夜と警部は親しく話しをしている。
「いや〜霧藤君久しぶりだな。最近は又活躍しているようじゃないか!?」
「はい、おかげさまで。やっとこっちに帰って来られました」
「そうか、そうか、君はロサンゼルスに行っていたんだったな?」
「はい、1年の予定だったんですが、事件に巻き込まれて帰れなくなってしまったんです。半年も長引いてしまいました」
「そうか、そりゃ君も大変だったの。ところで君は何故此処に?」
「[ICICLE TOWERホテル」のオーナーの息子さんに招待されたんです。幼馴染の霸潤と一緒に。前に彼に脅迫状が届いた時、偶然私がいて解決した事があるんです。其の時の御礼として」
「ほう」
いつまでも話している2人に、とうとう快斗が痺れを切らした。
「だぁぁぁ!!!!つまりあんたは何なんだよ!?何で初対面の新一の事、行き成り呼び捨てしたりすんだ?つーか図々しすぎ!!」
すると離夜は、キョトンとした顔でさらに驚く事を口にした。
「え?初対面じゃないわよ!?」
どうやら全く話しが噛み合っていないようだ。
蘭達は離夜と新一を交互に見詰めている。
「新一、2年前ロスで解決した『連続通り魔事件』覚えている?」
「ああ」
「じゃああの時、ロスの警部に貴方を紹介し、一緒に事件を解決した金髪に青い瞳の子、覚えてる?」
「ああ」
「その時の子が私よ!!」
「何だって!?!?」
新一が声を大きくした。明らかに信用ていない目だ。
「だって君は黒髪に黒い瞳の見るからに日本人じゃないか!?あの時の彼女は君も言ったように金髪に青い瞳だったぜ?」
其の場にいた誰もが思った事を彼が口にした。
「あの時はハイスクールのフェスティバルで、金髪のウィッグにブルーのカラコンを付けていたのよ。打ち上げした後、其のまま帰るところであの事件に遭遇して貴方と会ったって訳」
「だけど、だったら何故君はあの時日本人の俺に英語で話しかけたんだ?最後の最後まで」
「貴方だって最後まで私にフルネーム教えなかったじゃない?」
「それは・・・・だけど君だってそうだったじゃないか!?」
「私は貴方がロスの人間じゃないのに英語が凄く上手だったから、まさか英語しかしゃべれない東洋人かなと思って一応英語で話していたのよ。それに私はフルネームを明かさなかったんじゃなくて、もう知っていると思ったから言わなかったのよ?」
「え?」
「あの時、刑事の1人が『む・と・う』って言ってたじゃない!?」
「俺には『ムートン』って聞こえたけど?」
「・・・あぁ、彼等には霧藤って発音しずらいのよね。それにあの刑事は少し訛ってるから、しょうがないのよ」
「ふーん」
「あ、そうだ!!あの後たしかデジカメで写真撮ったわよね?」
そう言うと、離夜はショルダーバックの中からデジカメを取り出した。暫く捜査すると、画面を新一に向けた。そこには新一と金髪の少女が写っていた。
「確かにあの時の写真だ。だけどこんなのは・・・」
「まぁ確かに、これじゃあ決定的な証拠にはならないわよね……。ホテルに戻ったらウィッグもカラコンも常備してあるから、同一人物か確認してもらえりんだけど……」
離夜は本当に困っているようだった。しかしそれは新一も同じこと・・・・・。
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