第14章 スキー場〈自由行動・悲鳴〉
北海道に来て3日、新一達はおもいきり遊んだ。受験や仕事の事なんて忘れ、ただの高校生として朝から真夜中まで。
スキーは飽きる程滑ったしホテル内のテニスコートにも屋内プールにも行った。街の方まで行ってスケートもしたし蘭達はショッピングも楽しんだ。夜は遅くまで話しに花を咲かせ、蘭達は学校や幼馴染の事を、新一達は専ら事件の事を話した。
新一が心配していた事件のような事は1度も起こっていなかった。……今のところは。
4日目の今日は昼間はスキーをし、夜は雪祭りに行く予定だ。
スキー場の上級者コースに着いた彼等は午前中に一通り滑り、食堂に集まって昼食を取ると今度はそれぞれ別行動をとった。
新一と蘭、平次と和葉、快斗と青子、探と志保、ここ最近、男女で別れると必ずこうなる。まぁ当然の事だろうが……。
平次と和葉は一足早く雪祭りの開場へ、快斗と青子は街の方へ、探と志保はホテルのカフェへそして新一と蘭は蘭にスノボーを教える為に今度はスキー場の初級者コースへ向かった。
「新一、ちゃんと教えてよ!?」
「わ〜てるよ!!」
新一と蘭は、たわいのない話しをしながらしばらく練習した。まず新一が何度か滑って見本を見せ、一緒に緩やかな斜面を少しずつ滑った。蘭は覚えが早く、あっと言う間にこつを掴んでだ。
「へぇ結構うめ〜じゃんか!!」
「本当!?」
「ああ」
「嬉しい!!まさか新一に褒められるなんて」
「おい………。其れじゃあまるで俺が一度も褒めた事ねーみてーじゃねーか」
「だって本当じゃない!!」
「あのなぁ……」
「あはははは」
楽しそうに話す新一と蘭、傍から見れば恋人同士に見えるだろう。
「そろそろ上級者コースに移るか?」
「え?まだ無理よ〜」
「大丈夫だって。俺がリードしてやっから。それに蘭の運動神経なら問題ないだろ」「う〜ん、じゃあ行ってみようかな……」
「よし、そうこなくちゃな、行くぞ!!」
「あっ、待ってよ新一!!」
リフトに乗ると、蘭が意外な事を話しかけてきた
「ねぇ新一」
「ん?何だ?」
「今のところ何にも起きてなくて良かったね」
「へ?」
「だって、新一とどっか行くと8割は事件に遭遇するじゃない?服部君や和葉ちゃんと出掛けると、ほぼ100%事件が起こるじゃない!?」
「ははははは」
新一は苦笑いをした。自分が此処へ来る前に考えていた事を蘭も思っていたなんて。それ程彼が事件に関わる事が多いと言う事だろう・・・・・・・・・。
「それにしても、何か空曇ってきたね。」
「ああ、こりゃ夜には吹雪くかもな」
今朝は雲1つない青空だったが、今の空は灰色の厚い雲が覆っていた。まるで、これから何か悪い事は起こる前ぶりのように・・・・・・。
―何か起きる、そんな気がすんな……。
新一は、事件の前に自分のなかで起こる、あの妙な感覚を感じていた。
そしてその予感は的中する。
「キャァァァァァァーーーーー!!!!!」
突如、この賑やかなスキー場には似合わない声が鳴り響いた。
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