第13章 スキー場<マスコミ>
蘭が言ったように、上級者コースは空いていた。がら空きと言うには程遠かったが、それでも初級者コースに比べればずっと滑りやすそうだった。
−こっちは、まあまあ空いてんじゃねぇか。これなら問題ねぇな。
人が少ないのは、新一にとっても喜ばしい事だった。人込みが嫌いなのもあるが、新一はスキーもスノボーも得意なので、あまり大勢の人がいるとスピードが出せないのだ。それにいらぬ視線を受けなくてすむ。
探偵と言う職業柄、マスコミに報道される事は以前からよくあったが、春に黒の組織を壊滅させ、コナンから工藤新一に戻ってからは取材陣の数が激増したのだ。初めは、久しぶりに自分が表舞台に出て来たと思ったら、大きな組織を壊滅させる為に戦っていたと知って、一時的に注目しているのだと思っていたが、半年たってもおさまらず、もうすぐ1年が経とうとしている。それは平次、快斗、探、志保にも言える事で、その知り合い、と言うより幼馴染である蘭、和葉、青子も一緒に報道される機会が多かった。
最初のうちは新一、平次、快斗といつも一緒にいる幼馴染の女の子としてしか見られていなかったが、時間が経つと共に蘭の両親が眠りの小五郎王と法曹会のクイーンであり、和葉と青子の父親が刑事であると言う事が知られると、一気に報道陣からの注目が集まった。新一達はマスコミのせいで彼女等が傷付かないかと心配し、出来るだけ騒ぎ立てられないように気を配っていたが、当の彼女達は、何も知らされずただ心配する事しかできかった時よりも、多少騒ぎ立てられようと堂々と大切な人の隣にいられる事の方が嬉しかった。勿論、新一達には恥ずかしくて言えないが、志保だけは知っている。
「あっちよりは空いてんな。じゃあ滑っか!?」
新一達はリフトの方へ進んで行った。
|