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第八話:第三王子レナードとの交渉

 いよいよ、王族が来る日になった。

 もてなす準備はたっぷりしてある。


 アヴァロンを心の底から楽しんでもらおう。

 アヴァロンに好意をもってもらったほうが、交渉がやり易い。


聖杯クリス教も順調に広まっているな」


 礼拝で感動した信者たちが、せっせと広めていってくれている。

 すすめられた側も、美味しいワインを飲めて、最高の歌を楽しめるならと次回の礼拝に参加する気になっているものが多い。


 そして、参加さえすれば熱心な信者になり、新たな信者を連れてきてくれる。

 これは、アヴァロンを守るために必要なことだ。


 住民たちがアヴァロンに骨をうずめる覚悟をしてくれる。それだけでできることはいろいろと増える。

 そんなことを考えながら部屋で書類仕事を片付けていく。


 今取り掛かっている仕事は孤児院の開設だ。

 孤児院に必要な人材は、クルトルード商会の伝手を使いよその都市から引き抜いた人材を中心に、その下にアヴァロンの中から子供が好きで勤勉なものをつける。

 ノウハウを持っていない分野は金を積んでよそから引っ張ってくるのが一番早い。


 子供たちの幸せのため、そしてアヴァロンにより多くの人を呼び込むために一刻もはやく孤児院を完成させる。

 そして、幼いうちから聖杯クリス教を使ってアヴァロンに忠誠を誓わせよう。


「ねえねえ、パトロン。そういえば、なんであんな温い歌を作れっていったの? 僕たちが本気になれば、パトロンのために死ねって言えば死ぬぐらいのガチ洗脳だってできたのに」


 ベッドに寝転がっているルルが、不思議そうに問いかけてくる。

 最近、暑くなってきたので冷房器具があるこの馬車に涼みに来るようになっていた。


「それをやるのはダメだ。……偽善かもしれないけど、最後の一線は超えないようにしているんだ」


 アウラの【神の微笑】とルルたちの歌。

 そのおかげで、信者たちに隣人愛と俺への敬愛を刻み付けたが、あくまでそういう価値観を持ってもらっただけだ。


 何かを強制するほど強い洗脳ではない。

 操り人形のようにしてしまうのは、”違う”。アヴァロンは人間と魔物の共存を目指している。


 それに、人間には新しい何かを生み出す力がある。すべてを塗り潰して人形にすれば、その力が発揮できなくなる。そうなればアヴァロンの発展はこれ以上進まなくなるのだ。


「ふぅーん。パトロンって変なことにこだわるんだね」

「それより、もうすぐ出番だぞ。王族の方々に楽しんでもらうための目玉はおまえたちだ。準備はいいのか?」


 洗脳ではなく、純粋に楽しんでもらう余興としてルルたちの力を借りる。


「愚問だね。この異界の歌姫、ルルイエ・ディーヴァ。こと芸においては一切の妥協をしないよ。まあまあ、期待してくださいな。一世一代の歌と踊りを披露するよ」


 王族というだけあって、歌も踊りも見飽きているだろう。

 そんな相手を感動させるにはルルの力がいる。

 さて、そろそろ俺も着替えようか。


 ◇


「ご主人様、お客様がお見えになりました」


 アウラの声が風に乗って部屋まで届いた。

 アウラに風でアヴァロンの門を見張らせていた。この機会に乗じて【黒】の魔王が攻め込んでくる危険性が強いので警戒態勢になっている。

 よし、さっそく出迎えに行くとするか。


「クイナ、準備はいいか」

「やー♪ 完璧なの!」


 お洒落をしたクイナが頷く。

 成長し大人びたクイナに似合うシックなドレスを纏っていた。


 万が一があるので護衛のクイナを傍に控えさせる。

 それにもう一つ意味があった。

 アヴァロンが亜人との共存を目指す街だとアピールするためにわかりやすい存在を傍に置いておく必要がある。


「昨日も説明したが、今から口調は大人っぽいものに変えるんだ。できるな?」


 少しかわいそうだが、いつものクイナの口調は目上のものには失礼にあたる。魔王が相手なら、わりとくみ取ってもらえるが人間相手にはそうはいかない。

 クイナが頷いた。


「かしこまりましたお父様。お父様の立場にふさわしいふるまいを心がけます」


 彼女のかしこまった口調はひどく違和感があるが、それが必要な状況だ。

 クイナは頭がいいのでやろうと思えば、どんな振る舞いもできる。


「うん、いい感じだね」

「では、王族の方がお帰りになるまで、こちらの口調を続けます。……その代わり。うまく事が運べばたくさん褒めてください」


 口調と振る舞いが変わってもクイナはクイナのようだ。

 俺は思わず苦笑してしまった。


 ◇


 門のほうに向くと、王家の紋章入りの立派な二頭立ての馬車、そしてそれを守るように馬を駆る騎士たちの一団が現れた。

 騎士の一人が、高らかに声をあげる。


「アクセラ王国、第三皇子、レナード・ミラ・アクセラ王子及び、その配下一同だ! 街の代表をすぐに呼んでほしい」


 ずいぶんと派手だ。

 王子の威厳を見せつけるためにわざとやっているのだろう。

 俺はクイナを連れて、その一団の前に出る。


「よくぞお越しいただきました。私はこの街、アヴァロンの長、プロケルと申します。今日一日、皆様を全力で歓待させていただきます」


 騎士が俺とクイナを見る。

 クイナの美貌に目を奪われ、そして亜人と気付いて表情を曇らす。


 ふむ、【黒】の魔王の宗教であるリグドルド教は人間至上主義だから、その反応は当然か。

 あの宗教は、神である【黒】の魔王とその眷属である天使型の魔物を頂点にし、その祝福を受けた信者の人間は優れているものとして、祝福を受けられない亜人たちは下等なものという教えだ。


 宗教としてはなかなか考えられている。

 下位の立場を作って、人間どもに優越感を与える。使い古された手だ。

 とはいえ、娘であるクイナをそんな目で見られるのは気分が良くないので、さっさと話しを進めよう。


「さて、皆様は長旅で疲れていると思いますので、まずは宿に案内させていただきたく思います」


 指をならすと、妖狐たちが現れ礼をする。

 そして、騎士たちと話しをしてアヴァロンで最高の宿に案内するように命じた。


 レナード王子だけでなく、騎士たち全員の部屋を用意していた。

 アヴァロンは、富裕層が多いので宿も超一流のものをそろえている。

 その中でも最高の宿を、貸し切りにしていた。


「ふむ、気が利くな」

「お褒めいただき光栄です。皆様を楽しませるための催し、そして食事の準備もできております。後ほど、使いのものに迎えに行かせます。それまでとゆっくりと体を休めてください」


 礼をすると、満足げに妖狐たちの案内に従って一行が去っていく。

 王子はまだ顔を出さない。

 まあ、食事になれば嫌でも顔を出すだろう。

 あとの楽しみにとっておこう。


 ◇


 俺とクイナは先にこの日のために貸し切りにしたレストランで待っていた。

 レナード王子の一行は、宿に案内されて荷物を下ろし、そのあとに教会を兼ねたホールでルルイエ・ディーヴァ監修のミュージカルを鑑賞し、さらに俺のツケでたっぷり買い物を楽しんでもらい、温泉でひと汗流すという予定だ。


 俺がいないほうが、心置きなく楽しめると思い同行はしなかったが、動向はアウラに風で報告させている。


 ルルのミュージカルも、世界各国の優れたものが集まる市場も、大いに楽しんでくれたらしい。

 交渉前にアヴァロンの良さは知ってもらう目的は果たせただろう。

 そして、いよいよ夕食どきだ。

 気をよくした、王子と騎士たちがやってきた。


 今日のメニューもクルトルード商会の力を貸りている。

 奴の商人ネットワークを使い、レナード王子の好物や好みの味付けを調べ、さらには好物でありながら鮮度や流通の問題でアクセラ王国では手に入らないものをヒポグリフを使った空輸で仕入れたらしい。


 ……コナンナは優秀すぎて怖いぐらいだ。

 しばらくするとぞろぞろと騎士団、文官とアクセラ王国の第三王子であるレナードが現れた。

 レナードは金髪碧眼の美男子で年齢は二十台半ばだ。

 頭が切れることが一目でわかる。


「此度の歓迎、余だけではなく、余の配下たちにまで心を尽くしてもらい感謝の言葉もない」

「いえ、皆様に楽しんでいただければ、こちらとしても苦労した甲斐があります。とはいえ、騎士たちがいては話せないこともあると思われます。騎士様はこちらの部屋で、そして私たちは特別な部屋を用意しました。そちらで話しましょう」


 騎士たちの分も食事を用意したが、あくまで今回は交渉の場だ。

 そちらをおろそかにするわけにはいかない。


「心遣い感謝するプロケル殿。我の知恵袋となる大臣と騎士長は同伴させたいが、構わぬか?」

「ええ、こちらもこの子を同伴させますので」


 そう言ってクイナの肩に手を乗せる。

 お互いに頷き、個室のほうに移った。


 ◇


 たっぷりと歓迎してやったおかげで、レナード王子は友好的に話しかけてくれている。

 会話もなかなか弾んでいた。


「プロケル殿、このアヴァロンという街はすごいな。物と人が溢れて、活気がすごい。聞けば、この街はできて一年も経っていないと聞く。短時間でこれほどの発展は凄まじいというほかない。為政者として、興味がわくよ。余に秘訣を教えてもらえないか?」


 意外に、謙虚な性格のようだ。

 王族なんてみんな性根が曲がっていると思っていたので驚きだ。

 だから、真面目に答えてやろう。


「コツは一つです。住民が幸せになれるように努力をする。そうすれば、生活をさらによくするために住民はがんばる。そして、自然と街も潤うのです」

「ほう、住民が幸せにすることが国を豊かにすることにつながる。ふむ、国のために民がある。父君たちの考えとは真逆だ。だが、理にはかなっている」


 しかも、ずいぶんと素直だ。

 さて、アウラに調べさせている件はどうだろうか?


『ご主人様、やっぱりです。この方はかなり汚染されています。常時型ではなく潜伏型です。術者が合図を送れば意のままに操ることができるタイプですね』


 アウラの声が届いた。

 そうか。

 彼女には風で、王子たちが操られていないか調べさせていた。


 どうやら、一種の呪いのようなものに体を犯されているらしい。

 食前酒を、アウラが作った【浄化】の力をもつ【生命の水】を使ったアヴァロン・ワインに変更するように指示を出す。

 さっそく食前酒が運ばれて来た。


「ぜひ、飲んでください。アヴァロンの特産品です。自慢の一品ですよ」

「余も噂は聞いたことがある。これがアヴァロン・ワインか。絶対に飲んで帰りたいと思っていたのだ。天上の酒という噂は本当なのか確かめさせてもらおう」


 レナード王子は、好奇心にあふれた顔でアヴァロン・ワインを見つめていた。


 はじまりの木のリンゴではないが、アウラが育てている他のリンゴの木に実るリンゴも十分すぎるほど美味しいし、特別な力を持っている。

 そのアヴァロン・ワインを騎士長が飲んだ。


 彼が毒見役だろう。

 その彼が目を見開く。

 そして動かなくなった。


「どうした、バーナード。まさか毒が!?」

「いっ、いえ、あまりにも美味しい酒で言葉を失いました。それだけでなく、体が軽くなった気が。まるで、何年も体にたまっていた澱みが抜けていくような」


 抜けていったのは、黒の魔王の魔物がかけた呪いだろう。

 おそらく、アクセラ王国の重鎮は、かなりの割合で黒の魔王に汚染されているとみるべきだ。


「では余も……本当だ。うまい。それに体が楽になったよ。感謝するプロケル殿」

「気に入ったのなら、何樽か送りましょう」

「いいのか?」

「ええ、その代わりレナード王子だけでなく、皆様でお楽しみください。お家族や配下の方々にも」


 アウラに頼んで、特別に気を込めてもらおう。

 一時的とはいえ、やつの力が及ばなくなるのは大きい。


「それはありがたい。父親や兄上も喜ぶであろう」


 彼は微笑む。

 この程度の投資なら安いものだ。


 それから、次々と料理が運ばれてくる。

 素材も調理も超一流。贅沢な料理に慣れ切った王子すら夢中にさせている。

 俺もクイナも大満足だ。

 デザートが提供されるころ、レナード王子は真剣な顔になった。


「素晴らしい料理であった。世界各地から最上のものを集めているという噂は本当であったか。この街にはすばらしい物だけではなく、素晴らしい人材にも恵まれている」


 それがアヴァロンの強みだ。

 空路を使い、世界中からいいものを集める。

 いいものが集まるところには、いい人材が集まる。

 錬金術士や魔術士、鍛冶師たちが次々と、よりよい研究環境を求めて移民してきたし、商人たちも続々と増えていた。


 そして、その動きをより強めるために税を安くしている。

 そうして、連鎖的に大きく発展しているのがアヴァロンの強みだ。


「さらに、亜人たちの力を取り入れているようだ。無数のゴーレムたちをコストのかからない常備軍に仕立て、労働力にもする。ヒポグリフどころか、闇の竜まで従えて、……正直、羨ましいよ。亜人たちや魔物の力も、使いようによっては国を豊かにするための大きな武器になると分かっていても、余の国ではリグドルド教の連中が邪魔をする」


 まあ、そうだろ。人間至上主義のリグドルド教の連中が幅を利かせているのだ。

 亜人の力を借りるなんてできるはずもない。


「使えるものはすべて使うのが、アヴァロンのポリシーですから」

「……そうだな。それがいい。だが、できぬ。リグドルド教は毒なれど、民の心を一つにしているのもまた事実。余の声よりも、教祖の声のほうが民には良く響くのだ」


 複雑な感情を込めて、王子はそういった。


「それを私に言ってよろしいのでしょうか?」

「構わぬ。お主には嘘は通じん。余の経験がそう言っている。だから、単刀直入に言おう。アヴァロン、この街を、我がアクセラ王国の一都市としたい」

「そして、資金援助と戦力の援助。具体的にはゴーレム部隊と暗黒竜の空爆部隊を貸してほしい。とあるダンジョンを攻め落とすためにと続くわけですね」


 そう俺が言った瞬間、王子は目を見開いた。

 なるほど、俺が目的を予想しているとは思っていなかったわけか。


「お主、どこまで知っている」

「アヴァロンは世界中を相手に商売をしておりますので、耳はいいんです。そして、その答えはノーです。理由はいくつかあります。一つは、我が街のゴーレムと暗黒竜を貸し出した程度で、あれは倒せない」


【竜】の魔王。

 強力な【竜】の魔物を使役する。

 そして、最高位の竜帝によって【狂気化】した竜の軍団すら支配し自在に使いこなす。


 真正面からぶつかれば、アヴァロンの全戦力を投入したところで返り討ちだ。

 アクセラ王国に、アヴァロン・リッターや暗黒竜グラフロスを貸し出したところで焼け石に水もいいところだろう。


「……アヴァロンの戦いは聞いている。圧倒的な力をふるったと」

「その圧倒的な力も、彼からしたら児戯ですね」


 いくらなんでも、【竜】の魔王を甘く見すぎだ。いったい、何を考えて【竜】の魔王のダンジョンに攻め入ったのだろう。自殺行為にしか見えない。

 王子は顔を暗くしている。助け船を出そう。


「さて、王子。あなたの本音はすぐにでも戦いをやめたい。全戦力を注ぎこんでも、一向に勝てる見込みがないどころか、被害は無限に広がっている。すでに国庫への負担も限界でしょう」


 そのあたりのことは調べていた。

【竜】の魔王を潰すために、【黒】の魔王がアクセラ王国をけしかけた。

 だが、その軍隊を【竜】の魔王は一方的に蹂躙している。


【黒】の魔王はいやがらせのつもりだっただろうが、【竜】の魔王は稼ぎ時だと高笑いしている。大量のDPと感情を喰らえてホクホク顔だ。さすがは最強の魔王の一角だ。


「かといって」

「かといって、今更手を引いたところで報復が怖い。ここで手を緩めればアクセラ王国が竜の化け物に滅ぼされてしまう。教祖は守ってやるとは言っているが信用できない」

「なぜ、そこまで」

「言ったでしょう。耳がいいと」


 まあ、普通はそう考えるだろう。

 だから、今度はアヴァロンを欲した。その戦力と経済力を狙って。

 正しくは、【黒】の魔王にそそのかされただ。


 王子は、もし今日の交渉がうまくいかなければ、強引にでもアヴァロンを奪う覚悟があるはずだ。それしかアクセラ王国が生き延びるすべがないから。

 だから、もっと別の道を用意しよう。


「アヴァロンの力を接収しようとしても無駄ですよ。消耗したあなたがたが、この街をどうにかできるとは思わないほうがいい。……アヴァロン・リッターと暗黒竜など、この街の力の一端だ」

「なら、その力を貸してくれないか! 今は金がないが、必ず恩に報いるだけの金を支払う」

「お断りします。なにせ、あなたがたの敵と私には交流がある。向こうは私のことを息子なんて呼ぶぐらいです。そんな方に手は出せませんよ」


 ストラスとはただの友達なので、勘違いなのだが訂正してもやめてくれない。

 最後にもらった手紙にも息子へと書かれていて頭を抱えた。


「……あのダンジョンの支配者に息子と呼ばれている。うすうす感づいていたが、お前も魔王なのか」


 ルルたちの諜報活動で、【黒】の魔王が王家のものたちに正体を明かしていることの裏はとれている。だから正体を隠す必要もない。


「いかにも、あなたの背後で糸を引いている【黒】の魔王、そして大絶賛あなたがたが返り討ちにあっている【竜】の魔王と同じく魔王です。だからこそ、あなたの国を救ってあげられる。【竜】の魔王と事前に話をしてね。俺の言う条件をのめば、あなたがたが撤退さえすれば、報復しないと確約が取れています」

「それは……本当か?」

「ええ、それだけではなく。今から言う条件を飲むなら、国の立て直しのために資金援助をしてもいいですし、アヴァロンで負傷兵を受け入れましょう。ここで療養をすれば快復までの期間はぐっと短くなる」


 見ていて面白いぐらいにわかりやすい反応をしてくれる。

 さて、【黒】の魔王。【竜】の魔王を使い、アクセラ王国を追い込み、アヴァロンを襲わせようとしたようだな。


 やつのプランでは、アヴァロンを宗教を使って内部からずたずたにし、さらにアクセラ王国からの圧力を使って【竜】の魔王との仲を引き裂く。それが失敗しても、アクセラ王国にアヴァロンを攻めさせ、アヴァロンが壊滅すればよし、そうならなくてもアクセラ王国と戦争したという悪評でアヴァロンの人口を減らし発展を遅らせる。


 それなりに面白い手ではあった。

 だが、俺はその手を利用する。


【黒】の魔王の宗教よりも求心力の高い宗教で、守りを固めた。

 そして、アクセラ王国には【竜】の魔王との和解をちらつかせて、逆にこちらの条件をのませる。


 やっていることが浅はかなんだよお前は。

 さて、そろそろ攻めの手を打とうか。ここからが俺のターンだ。

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