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☆蒼い月の光☆〜Blue Moon Night〜
作:朧月



00.プロローグ


「よし、次の獲物決定だな!」

 パチン、と腕を鳴らし、その記事に赤丸をつけた。今更だが、オレの朝は新聞、つまり情報収集から始まる。
 今つけた丸印は、次の獲物。日本語名で月光って言うらしいけどな……その石の特徴から、『Moon Light』っつー名前がつけられた宝石が、日本で飾られるんだと。こりゃー、スルーは出来ねーだろ。

 ピラリ、と記事をめくる。そこに代々と映る姿を見つけて不敵に笑ったオレを、影が覆った。げっ、ああああああ青子!?

「かーいと、今朝も随分キッドにご執心かな〜?」
「そ、そんなんじゃねーよっ! でもホラ、昨日も活躍したみてーだな。キッド」
「ふぅ〜ん、青子知らなかったよ」

 にやぁ〜って、怖っ! 知らねーワケないだろ。あーあ、コイツにこの話題は禁句なんだよなぁ。

「警察もキッドにはなす術なし、かぁ。今度もまた随分派手に取ったんだ?」
「だーかーら、キッドに叶う奴なんかいねーっつったろ?」
「も〜っ。快斗はキッドの味方ばっかり。青子、キッドなんか大嫌い!」

 顔面めがけて飛んできた新聞を紙一重でよけた。

「うぉっと、あっぶねー! 何しやがる、この凶暴アホ子!」

 こうやって、ふざけあえてるこの状態が、オレにとって最高の時間なんだ。





 ……初めのキッカケがなんだったか? んなもん、覚えてるに決まってんだろ。
 オレがキッドになったのは、親父の死の真相を突き止める為だったんだよ。尊敬してたマジシャンの親父が、実はキッドで、しかもそのせいで殺されたなんて事実を知っちまったから。
 全てを終わらせる為に始めたんだ。奴等の野望を打ち砕く為に。
 唯一つ、奴等の手がかりとなる、命の石、パンドラを求めて。

 そうだった筈だよな? けど、名探偵に出会ってからオレはちょっとだけ変わった。
 あの小さな体でオレを追いかけてくるアイツの正体が、実は高校生探偵の工藤新一だとか、んな事はどうだっていいんだ。ただ、アイツの存在がある限り、キッドは楽しい。
 
 アイツ、名探偵はオレに似てる。顔とか、そんなんじゃなくて。オレは親父の敵討ちの為だけど、アイツは何と戦ってんだろうな。
好きな子に正体を隠し続けてんのは、辛いだろうに。オレには痛いほど判るってのに。

 あれほど強い瞳で真実を追いつづけることが出来るアイツを、心の何処かで尊敬している。
 もし、出会い方が違っていたなら、多分最高のダチだった。それとも最高のライバルか。

 オレは怪盗、奴は探偵。本来敵同士の筈だし、似てるなんて表現おかしいのかも知れねーけど。
 最も近いもののような感覚すら受けるんだ。





「快斗、どうしたの〜? もしかして、打ち所悪かった?」

 ハッとして、前に視線を戻した。青子が首を傾げて、不思議そうにしてる。ついさっきまで喧嘩腰だったのが、よく言うぜ。

「何でもねーよっ。あ、それより青子……今度の日曜日、空いてっか?」
「え〜……と、うん! 何があるの?」
「いや、トロピカルランドにでも連れてってやろうと思ってな」
「ホント〜!? 行く行く!」
「んじゃ、空けとけよ。オレ多分その前の日予定あるから、ゆっくりになるかも知れねーけど」

 一仕事終えて疲れた後、四六時中明るいオメーの顔は目の保養になるんだよ、なんて言えねーよな。おっと、その前に今日学校帰りに予告状出さねーとな。
 ……オレの正体知ったら、どんな顔するかな、こいつ。キッドを嫌う気持ちも分かるよ、そりゃ中森警部にも悪い事してるって思うしな。
 黒羽快斗オレには、多分少なからず好意も抱いてくれてんだろーけど。キッドの事は絶対認めるわけねーからな……ま、バレっこねーか。


 気楽にそんな事を考えていたオレだけど、正体がばれるその日は、そう遠くなかった。
 まさか、黒羽快斗の姿であいつに遭遇するなんて、思ってもみなかった。





☆朧月の一言☆

えーと、どうもこんばんはー(^-^*)そして、初めての方初めまして!
前にもこのお話を読んで下さった事のある方は、改めましてお久しぶりですvv

短編だったこのお話を連載で、としたのは、まぁ長かったからという理由に他ならないのですが、
やはり私は改訂作業が相当苦手だという事がつくづく分かりました(^_^;
かなり初期の作品です。処女作候補の一つ。(確か、という候補が一杯あるんです^^;本当の処女作はそのうちのどれだったか、私自身思い出せない)
プロローグだけは書き下ろしです。見覚えがあるようなないような、なんじゃないかな?

本編は、加筆修正の作業を中心的にさせて頂いておりますv
短編時代は楽しく読んでいただけたようなので、変にエピソードをいじくるのもあれかな〜と。
というわけで、修正作業と並行して載せて行く事になりますが、どうぞ暖かく見守ってやって下されば嬉しいですv
まず、数ある作品からこのお話をお読みいただけて嬉しく思いますv
これからもどうぞよろしくお願い致します〜vv
さぁ、本編へどうぞv











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