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  カカの天下 作者:ルシカ
カカの天下84「名物を考えよう」
『この市の名物をつくって売り出そう! 街を活気付けるものならジャンル問わず募集!』

 こんちわ、トメです。

 帰ってきて早々にカカから突きつけられたチラシにはそんなことがでかでかと記載されていました。

「これ、応募しよう」

「はぁ、なんでまたそんなことを」

 確かに僕らの住んでいるこの市には取り立てて名物というものは無いのだけど……そんな普通の街を僕はわりかし気に入っているのでわざわざ無理して名物なんか作らなくてもなぁ、と思う。

「これが採用したときの賞品」

「なになに……高級ネコマタセット」

 なるほど、いつの間にかコレクションになってしまった高級シリーズブック(ゲットしたものは写真を撮ってアルバムに入れている)に新たな一ページを加えるつもりか。

 ……ん?

「ネコマタってなんだ?」

「ね、気になるでしょ」

「や、たしかに気にはなるけど……それを見るためだけに応募するのか」

 まぁ、応募したら必ずしも採用されるってわけじゃなし。僕がハガキ書くわけじゃないし、別にいいか。

「で、どんな名物を作る気だ?」

「やっぱ定番は食べ物だよね」

「ふむ。ここには特に名産ないしなぁ。あ、そういや昨日テレビで見たけど、富山県にはブラックラーメンなんていうのがあるらしいぞ。なんか醤油で真っ黒で塩っからいらしい」

「それ、おいしいの?」

「ネタでしかないってばっちゃが言ってた」

「ばっちゃって誰?」

「さぁ?」

「うちにおばあちゃんなんかいたの?」

「見たことないなぁ」

 ……ん? なんかすごいこと言ったか僕? キノセイか。

「まぁいいや。とりあえずブラックだね。ブラック、ブラック……ブラックチャーハンとかどう?」

「どっから思いついたのかわからんが……ちなみになんで黒いんだ?」

「チョコとかあんことかで」

 それは確かにネタとしての名物にはなるかもしれない……でもそういう炭水化物と甘いものという意外系組み合わせ品は名古屋あたりで名物店がすでにあったような。

「とりあえずこれはメモメモ。さ、次いこう」

「と、言われてもなぁ」

「街を活気付ける、っていうことは、つまりはこの街の魅力をアップさせるんだよね……」

「あ、地域限定の番組作るのはどうかな。面白すぎたら移住者増えるかもよ」

「番組かぁ……アカレンジャー、ブルーレンジャー、グリーンレンジャー、三人合わせて光の三原色レンジャー!! とか?」

「なぜに戦隊ものかは置いといて、なんか三人合わせたのが長いな。理科レンジャーとかどうだ?」

「リカレンジャー……」

 カカはすこしだけ黙考すると、おもむろにポーズを決めながら叫んだ。

「古手梨花!」

「リカちゃん人形!」

「リッカー!」

「アメリカ!」

「理科の授業!」

「五人揃って、リカレンジャー!!」

 うーあー、なんだそのカオスな戦隊。

 五人とか言いつつ人間は一人しかいないし。しかもわかる人にしかわからない名前だし。

 ひぐらしなオヤシロ様と、少女チックな着せ替え人形と、バイオでハザードな化け物がアメリカン国家と揃って理科の授業をするのか? どんな番組になるんだ……

 あれ、なんか興味わいてきた。本当にできるんなら面白いかもしれない。

「メモメモ……他は?」

「んー、とにかくこの街ならではの変なものでもいいんだよな」

「うん、珍しければいいんじゃないかな」

「一つ思いついた」

「なに?」

「うちの姉」

「あー、なるほど。それいこう」

 そんなこんなで、応募するはがきはできあがった。

 果たして僕らはネコマタセットを手に入れることができるのか。

 わかるのは来月だそうです。
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