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  カカの天下 作者:ルシカ
カカの天下829「今年のカカさんのほしいもの」
 こんにちは、トメです。そろそろ雪が降ってくる時期ですね。うちの周りにはそんな雲はまだ来てませんが、ホワイトクリスマスになるかどうか今年も楽しみです。

 さて、楽しみといえばクリスマスプレゼント、我らがカカは一体何を望むのでしょうか?

「なぁカカ」

「なにトメ兄」

「今年はサンタさんに何をお願いするんだ?」

「小六に向かってサンタとかバカにしてんの?」

 なんだこのクソ生意気なガキは。

「でもあえてお願いするなら」

 ……あぁ、お願いはするんだ。

「巨大なクリスマスツリーになりたい」

 そしてなんなんだこのバカは。

「どしたのトメ兄、ため息なんかついて」

「や、普通クリスマスプレゼントって『なりたい』モンじゃなくて『ほしい』モンを言うだろう」

「クリスマスツリーな自分がほしい」

「なぜに」

「なぜだろう」

 聞かれても知らんわ。

「新しい自分を見つけたいんだよ」

「新しすぎる」

「でもきっとサンタさんなら叶えてくれるよ」

「おまえの中のサンタ像を聞かせてもらっていいか?」

「お姉以上の存在」

「それはサンタが可哀想だ」

 どんだけバケモノなんだサンタクロース。姉以上となるとブラックホールを食べるくらいのレベルだぞ。

「……あ、巨大クリスマスツリーロボでもいいや。乗れるやつ」

「でもいい、とか言いながら明らかにパワーアップしてるぞ」

「とにかくサンタさんはいい子の願いをなんでも聞いてくれるんだよ」

 おまえサンタ信じてないんじゃなかったのかよ。

「じゃ、あれか? サンタに『彼女ほしい』って言ったら靴下の中に女の子を詰め込んだりしてくれるのか」

「うん」

 しねぇよ。

「……神様になりたいとか願ったやつはどうなるんだ」

「そんな愚か者のところにサンタはこない」

 おまえ随分サンタに詳しいな。

「いい子にしつつ神様になりたいと思うやつがいたらどうするんだ」

「え、なにそれ。『私、今日もいっぱい良いことしたわ。ゴミも拾ったり、お婆さんの荷物も持ってあげたし、給食で出たプリンを友達にあげたし! みんな喜んでくれたわ! ところで神になりたい』とか呟くの?」

「なにもそこまで脈絡のないストーリーにせんでも。あーほら、『この世界にはまだまだ恵まれない人たちがいる、それを私が神になってなんとかしたい!』っていう願いとか」

「人の身でそんなこと考えるなんておこがましい」

 だからおまえ何様だよ。

「まぁほら、過ぎた願い事はね、クリスマスの夜に夢で見せてくれるんだよ」

 ついにサンタが魔法を使ってきた。

「あ、せっかくだから皆でツリーになろうよ」

「えーと?」

「私がてっぺんの星! そして皆は飾りなの。素敵」

「エグい」

「は? トメ兄ってばどんな想像したの」

「知り合いのことごとくが巨大なツリーの枝々で首を吊られてる光景だが。そして天辺にはおまえ」

「それはひどい」

「ま、そんな夢を見ないように気をつけろよ」

「む、何よ。夢じゃなくて現実にできる程度の願いでしょ! クリスマスツリーになるくらい」

「ちなみにそのツリーの全長は?」

「20メートルくらいでいいよ。できるでしょ」

 その巨大ツリーを用意して天辺にカカをくくりつければ……できないこともない。しかし見ず知らずのサンタがそこまで頑張る義理はないと思う。

「ま、せいぜい夢で楽しむんだな」

「むぅ……最近、夢の中にジョーイ&マイケルしか出てこないんだよね」

 会ったことはないのになぜかわかる、そのジョーイ&マイケル。

 夢――その中で巨大なクリスマスツリーが聳え立ち、幾百ある飾りつけが全てジョーイ&マイケルの顔で、もしそれが一斉に口を開いたら……

『HAHAHA! 顔だけだと屁がこけないZE!』

「……それは、恐ろしいな」

「うん、きっとものすごくやかましいよ」

 悪夢でしかない。

「ま、もし夢に見なくてサンタさんにも無理だったら、代わりにトメ兄が叶えてくれるんだよね」

「なんですと?」

「いつだったかトメ兄言ってたよね。『僕、実はサンタの代理人なんだよ』って」

 そ、それは! 確かめっちゃ小さい頃に僕がカカへクリスマスプレゼントをあげたときに言った嘘だ。「サンタさんからだよ」って言ったほうが喜ぶと思ったんだけど、まさか今まで覚えていたとは……

「じゃ、よろしくねー」

 それが方便だと知ってか知らずか、にこやかに去っていくカカ。

 まぁ、いいか。いざとなったら「人って実は就寝中に何回も夢を見てるんだけど、覚えてないだけなんだぞ」と言ってしまえばいい。ジョーイ&マイケルをやたらと覚えてるのはインパクトが強いから、というのもついでに説明して、「せっかく見れたのに、あーあ残念。実はそんなにインパクトなかったんじゃないか? そのクリスマス吊りー』と、そんな展開でOKなはずだ。

 もしくはカカが『こんな夢を見たい』と強く念じて寝れば本当に見られるかもしれないし。プレゼントが『夢』なら、これほど扱いやすいものはない。

 ……でも、まぁ。それじゃつまんないか。

「んむ、できないこともない、か」

 あの二人の力でも借りるかね。


 うちの近くでは昨日、雪がふりました。最近さみーっすね。

 さてさて、もうすぐクリスマスですよん。もうちっと更新頻度を上げたいところ。しかし私事ですが来月に引越しするのでバタバタ中。

 でもでも、クリスマスだけはしっかり楽しみたい。リアルもカカ天も!

 さてさて二人とは誰のことでしょー。
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