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  カカの天下 作者:ルシカ
カカの天下749「GW」
 こんにちは、トメです。

 今日からゴールデンウィーク! さして旅行の予定等もないのですが、笠原家ではとっても嬉しいイベントが待っています。なんとなんとなんと! ユイナ母さんが帰って来るのです!

 そんなわけで、僕とカカは母がやってくるであろう時間に駅の前でダラダラと待っていました。

「まだかなぁお母さん」

「まだかねぇ」

「ねぇトメ兄。つかぬことを聞くけど」

「おう、なんだ」

「つかぬこと、って、なにがつくの?」

「つく、っていうか、ついてないんだろう。つかぬ、なんだから」

「ついてないのかぁ、それは残念だね」

「残念だな。ついてないのは」

 相も変わらずよーわからん会話していると、ようやく見覚えのあるシルエットがホームに見えた。

「あ、いた! お母さん!!」

「おー。母さ……ん?」

 確かにそれは母さんだった。

 でも、なんか、やたらとフラフラしていた。なんだか疲労困憊のように。

「……あ、トメ君、カカ君、久しぶり」

 にこやかな優しい笑顔。でもテレビに映っているときのキラキラしたオーラがない。いやまぁ、充分に魅力的ではあるんだけどさ。

「うん、久しぶり。母さん、なんか疲れてる?」

「だいじょぶー?」

「あはは、うん、ママ大丈夫よ。ありがとう」

 そう言って母さんは自然な動きでバッグを僕に差し出してきた。はいはい、持てってことね。いつも働いてくれている母さんが相手だ、荷物持ちならいくらでもしますよ。大して重くもないし。

「それじゃ行きましょうか。あらカカ君、少し背が伸びたかな?」

「ほんとに? 自分じゃわかんないなぁ」

「僕も気づかなかった。いつも一緒にいるからな」

 母さんのバッグを手にブラブラさせながら、我が家へ向かって歩きだす。

 あれ、なんだ。さっきは足元が危うかったけど、結構しっかりと歩くじゃん。

 そしてしばらくして。

「ああ!」

「どったの、お母さん」

「バッグがない!」

 全然しっかりしてねぇ。

「あの、母さん? あなたさっき僕にこれ差し出したよね。持て、と言わんばかりに」

「え、あ、あー、そっかぁ。ごめんなさい、マネージャーさんがいつも持ってくれるから、つい」

「や、こんくらいはいいよ、持ってくよ。しかし本当に大丈夫?」

 頭とか。

「ええ、大丈夫! あぁでもビックリした、電車に置いてきたのかと思った」

「お母さん、疲れてるんだね……」

「あぁ……優しくしてあげような、カカ」

 そしてしばらく歩いて。

「ああ!!」

「今度はなんだ」

「バッグがない!!」

「あなた本当に大丈夫ですか!?」

 そんなクタクタの母さんを迎えてのゴールデンウィーク。いやはや、ぜひとものんびりと過ごしていつもの母さんに戻ってほしいものである。

 ――そして、家に着き、夕飯後。

「トメさんや、飯はまだかいな?」

「母さん、さっき食べたでしょ」

「覚えがない!?」

「わざとやってるでしょ?」

「てへ♪」

 とりあえず心配はいらなさそうだ。



 こんにちは、カツコです。

 時はゴールデンウィーク! なのでちょっと遠出してみることにしたわ! ついでなのでサカイちゃんを誘って――と思ったら、意外なメンバーがついてきたんだよね。

「サエちゃんサユカちゃん? カカちゃんと一緒にいなくていいの?」

「いいんですよーだ」

「サエすけったら、カカすけがユイナお母さんにべったりだから拗ねちゃって」

 なるほど、そういうことか。ならばこのあたしが、めくるめく大冒険に連れていってやろう!

「サカイちゃん、弁当の用意は充分か!?」

「おっけーですよー。私特製、レベルの高い玉子焼き入りですー」

 おお、それは楽しみだわ!

「ねぇ、サエすけ。レベルの高い玉子焼きって」

「あー、お母さんフライパン使うのヘタクソだから、玉子焼きを作るだけでも難しいの」

「……玉子焼き自体がレベル高いんじゃなくて、玉子焼きを作る行為がサカイさんにとってレベル高いのね」

 おお、それは不安だわ! まぁいいや。

「それじゃ出発! 皆の者、乗れぃ!」

 ん、なんでみんなポカンとしてんの?

「あのー、カツコちゃん? 乗れって……?」

「もちろん、こいつらに乗れってことよ」

 察しが悪いね、あたしが呼んでおいた乗り物がすぐ傍に整列してるじゃないか。猫や犬に乗るのはさすがに無理だけど、豚、牛、山羊二匹がいる。こいつらで充分じゃん。

「そ、それに乗ってどこに行くのよっ!!」

「山へピクニック」

 荒ぶる野生があたしを呼んでるぜ!!

 ――数十分後。

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 人気の無い山中の獣道を爆走する猫! 犬! そして背に人を乗せた草食動物達!!

「いやああああああー! こわいいいいいいー! カツコちゃん止めてえええー!!」

「ふははは! 何を言うサカイちゃん! この疾走感がたまらんのではないか!」

「いたいいいいいっ! 腰が痛いお尻が痛いいいいいっ! ちょっとサエすけっ、君は大丈夫なのっ!? 運動神経のない君がこんな揺れに耐えられ――」

「ん、慣れたー」

「耐えられてるっ!? なんでっ! これ運動神経いるのにっ!」

「んー、動物さんの動きがなんとなーくわかるからー」

「あ、相変わらず変な能力ねっ!」

「もぐもぐー」

「しかも何か食べてるしっ!」

「うん、ブタ野郎の上でとんかつサンド食べてるー」

「なんて残酷なっ!」

「はい、サユカちゃん。日本経済の上で牛焼肉おにぎり食べてー」

「いただくわっ!」

 豚と牛の嘆き声を聞きながら爆走する山中……燃える!

「よーし、このまま頂上までいくぞー!!」

「か、カツコちゃん!? 温泉に行くんじゃなかったんですかー!?」

「予約し忘れてて気がついたらどこもいっぱいだったのだ! はーっはっはっはっは!!」

 大丈夫、きっとどっかに秘湯とかあるさ!!

 なかったけど。



 ゆーただ。

 爆走中だ。

「うおおおおおお! サエ様たちを見失うなぁぁぁ!」

「ひえええええ! ゆーたさん! こわい、こわいですうう!」

「やかましいわシュー! 貴様、俺に乗っているだけのくせに!」

「だって恐いもんは恐いんですよぉぉぉぉ!」

 肩にヘタレを乗せながら頑張った結果、サエ様たちが山頂で休憩するまでには追いつくことができた。なかなか速いな、あの豚ども。

 しかし肩に乗せていたヘタレは途中で振り落とされたようだが、生きているだろうか? 別に興味もないが。

 おお、サエ様! 俺にあーんしてくれるのか!? なんたる幸せ……

 あ、ミエ様に奪われた。

 ほほえましい光景……眼福じゃぁ、俺はこれで満足じゃぁ……



 サラです。

 今日からゴールデンウィーク! 私とキリヤさんは同じ居酒屋さんでヘルプとして呼ばれました。なぜ呼ばれたか? それは……ゴールデンウィークとは飲食店にとって、お盆と並ぶ地獄の忙しさを誇る期間だからです!

 その様子を、イメージ的に表現すると……



「最初に、諸君に伝えねばならぬことがある」

「なんですか、店長」

「一人……逃げた」

「!?」

「キリヤ君、サラさん、君たちが今回の、鍵だ」

『さー、いえっさー!!』

「よろしい。開店だ……!」



「三番! 三番テーブル誰かいけるか!?」「こ、こっちは手が」「く、やはり兵力が足りない!!」「泣き言を言うな! 手数を増やせ! 三倍の速度で動くのだ、一人で三人分の働きをするのだ!!」「はい喜んで!!」

「――な、なにぃ!?」

「どうしたキッチン!!」

「こ、このオーダーは……! 無理です、できません!」

「……いいですか、皆さん。お客様はできるかどうかなんて聞いてません。ただ、『やれ』と言っているのです」

「き、キリヤさん!」

「やりましょう! 私たちには全力を尽くすことしかできません!!」

「サラさん……!」「ええ、わかりました、やってみせましょう!!」「おっしゃー!」

「では、そこの君。とりあえずこれだけ全部の食器を三分で洗ってください」

「どえええ!? さ、サラさん、気合入った直後でなんですけど、これは」

「できるかは聞いてません。やってください」

「さ、サラさんがやったら」

「私がやると皿を割ります。だからここは任せました」

「あなたけっこー勝手ですね!」

「そこ! 口より手を動かしなさい!」

「ああ、すいませんキリヤさん! でもサラさんだって口ばっか――じゃない!? めっちゃ手を動かしてた! もうオシボリ詰め終わったの!?」

「オシボリおっけーです! 前に出ます」

「す、すごい……ヘルプなはずなのに既存スタッフが敵わない……なんだこの戦闘力は! これが経験の差か……ま、負けるか!」

「一人倒れた! 水を! 水を持ってこい!!」

「お客様が吐きそうだ、こっちにも水を――バカヤロウ、お客様が優先だ!!」

「えーせーへー!! えーせーへー!!」

「うっさいぞ! 誰だおまえ! 暇なら水持ってこい!!」



 サラです。えっと、ゴールデンウィークはこんな感じです。え。誰がどれを喋ったかわからない? そうですねぇ……私もキリヤさんもかなり喋ってましたよ? 意外なあのセリフからこのセリフまで……想像してみるのも、面白いかもしれませんね。

 ともかく私のゴールデンウィークは休みなしの激闘だったのでした……達成感ありますけどね。キリヤさんとお疲れの乾杯したときなんかもう……最高!! お疲れー!!
 

 
 ゲンゾウ三姉兄弟だ。

 上に同じ。うぎゃあ。お疲れ。



 テンカだ。

 今日からゴールデンウィーク! ゴールデン! つまり金色のビールが最高な週だ! だからオレはビールを飲むぜ!

 いつものことだって?

 うるせぇ!!

 予定はないのかって?

 うるせぇ!!

 何かあったのかって?

 何もねぇんだよ!!

 いいんだいいんだ、オレは一人で思う存分ビールを飲むんだ……ケッ!!

「んぐ、んぐ、んぐ!」

 んめぇ!!

 幸せだ。


 
 アヤです。

 せっかくのゴールデンウィーク! うら若き乙女としてはどこかへ出かけたいところなのですが……

「ねぇニッシー! どっか行くわよ!」

「やだー」

「なんでよ!」

「僕にとってGWはゴロゴロウィークなのだー。だからゴロゴロするのだー」

「そんな休日のお父さんみたいなこと言わないの!」

「疲れてるんだよ。放っておいてよお母さん」

「お母さ……! そ、それってふ、ふ、夫婦みたいな感じ……あなたって呼べばいいのかしら……じゃなくて!! せめて何かしようよー! ひまひまひま!」

「じゃあかくれんぼしよう」

「なんでよ!?」

「僕、かくれんぼ好きだから。じゃあ隠れるよ!!」

「なんでいきなりやる気満々なのよ!」

「ほらアヤ坊! 目隠しして! 数えて!」

「わかったわよ、もう! いーち、にーい、さーん」

「もーいーよ」「はや!! しかも見つからな!!」

 結局、こんな感じに家で過ごす連休でした……

 い、いや、まぁ、その、これは、これで。えへへ。



 イチョウでございます。 

 今日からゴールデンウィーク。というわけでして、連休を愛しのあの人と過ごす――いいえ、過ごさせるため、かのちゃんと一緒にタケダ医院へ来たのですが。

「タケダ君、旅行中!?」

「ええ、なんでも旅行好きのお母様にさらわれたそうで……院長として病院を離れられないお父様が泣きながら語ってくださいました」

「せ、せっかく黄金カレーを作ってきたのに」

「金粉まぶしただけですけどねぇ」

「金の粉だよ? そんなすごいものを振りかけたんだからすごく美味しいよ、いっちゃん!」

 えぇと、食用の金粉ならそこまで高くないんですけども、金=高いという安直なイメージで喜んでいるかのちゃんが可愛いので、あえてツッコまないことにいたします。

「ではかのちゃん。タケダ君がいない間、どういたします?」

「修行する!」

「どこでですか?」

「インド」

「なるほど、故郷に帰るのですね」

「……なんで納得するのぅ?」

「そんな悲しそうな顔をしないでくださいな。今のボケではあまりにもかのちゃんにハマりすぎです。ツッコむ前に納得してしまうのです」

「うぅ……」

「ほらほら、一緒にボケの練習をしましょ? いつか、カカちゃんに勝てるように」

「……うん。ありがと、いっちゃん」

 恋敵であるカカさんに勝つため、ボケを練習中なかのちゃん。

 でも多分勝てないと思います。相手は真性のボケですから。

 面白いし可愛いから続けますけどね。さぁ連休中ずーっとボケてもらいますよー♪

「ご、ゴールの週で、ゴールデウィーク!」

「何のゴールですか?」

「か、カレーの道」

「ゴールあるんですか」

「ない!」

 ダジャレ習得への道もなさそうですね。でもわたくしが楽しめるからそれでよし、です。



 ユカです。今日からゴールデンウィーク! なので……

「――でな! うちの妻ったら旅行ばっかで全然会ってくれないのだよ! ラブラブできないのだよぉぉぉ!」

「うざい……」

 なぜか院長の愚痴を聞かされてます……いや、泊めてもらってる身だから邪険にはできないんだけど……うざいわ。

「ほっほっほ、この爺がいい案を教えてやろう」

「本当ですか、サワサカさん!」

「そこのユカとラブラブすれば良いのじゃ」

「おお、その手が――」

「ないわ!!」

 いい加減に我慢ならなかったので思いっきり蹴り飛ばしてやったわ。ワタシの足は今日も快調ね。

「ワタシはやることあるんだから、そろそろ邪魔はやめてよね!」

 仕事仕事、と。あと……プレゼント作らないと。

 そんなこんなしてたら、ゴールデンウィークは特に何もなしに終わるわ。ワタシの職業柄、休みってあんまり関係ないんだけど、ね。



 こんにちは! クララです!

「ごーるでんうぃーくです!」

「です!」

 ノリよく答えてくれたのはすっかり相棒となったタマです!

「ごーるでんうぃーくといったら何ですか!?」

「しにます!」

「なんでですか!? そんな不吉なもんじゃありませんよゴールデンウィークは! 黄金の日々なのですよ! 何かないのですか!?」

「きんたま」

「それは確かに金色かもしれませんが違います! ああもう、それじゃあ……子供の日! 子供の日があるじゃないですか! 何かないのですかタマ! 子供の日といえば!」

「しにます」

「だから死なないんですってば!!」

「じゃーいきかえります」

「子供の日ってすごいですね!?」

「すごいです」

 そんなクララたちを見ながら、お母さんは楽しそうに頷いていました。

「子供自身にとっては、いつだって子供の日なのよねぇ……あ、でも。こどもの日の趣旨を考えれば、“親にとっては”になるのかしらね、おほほ」
 


 パパです。

 え、誰のパパかって? そんなのカカのパパに決まっているじゃないか! 

 ああ、カカ……そして愛すべき妻と、あとおまけどもよ! 楽しそうにゴールデンな休日を過ごして……いいなぁいいなぁいいなぁ! でもシャイな俺様は何も言い出せず……

 いいやもう。寝よう。

 ぐー、ぐー、ぐー……

「ぐわああああああああああああ!!」

 口元に走る激痛! 

「にゃ、にゃんだ!? くひもほがはらひ!!」

「おはよう、お父さん」

「ひゃ、ひゃひほひは!?(訳、な、なにをした!?)」

「何って、寝てる口元にわさびを塗り込んだ」

「死んだらどうする!?」

「や、死にはせんて」

 まったくもう!! いくらカカとはいえやっていいことと悪いことが……なに!? カカだと!?

「ん、どしたの? お父さん」

 お父さん……ああ、お父さんだと!? そう面と向かって呼ばれる日が来るなんて!!

 俺様、生きててよかった……

 そんな夢ばかり見ていたゴールデンウィークでしたとさ。



 タケダだ。

 旅行中だ。

「寒い!!」

 え、出番これだけ!? ちょ、待て、ここがどこで、どういう状況かという説明は――ぷつん(出演枠が終了いたしました)。


 ども、予定よりも大幅に更新が遅れてしまいましたルシカです。
 ゴールデンウィークが予想以上に忙しくて……ほんと申し訳ない! 遅れた分は長くしたから堪忍しておくれやす。

 さて、カカラジ手前のこの話、ちょっと皆さんのアピールタイム的な書き方にしてみました(多分)。
 キャラの人気投票〆切りは明後日、五月十日までとします! まだの方は急いで!!
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