カカの天下519「諸君、夏休みとはこういうものだ!」
こんにちは、カカです!!
はい、私元気です! なぜかというと――そう! 今日さえ終われば、それからもう夏休みなのです!!
そんなわけでただいま体育館。全校生徒が集まって終業式とかやっております。
「それでは教頭先生からお話をいただきます」
「ごちそうさまでした」
「誰だ? 変なことを言ったヤツは!」
私ですテンカ先生。
「ちゃんと話が終わってから言え!」
あ、言っていいのか。了解。
「んじゃ教頭、どぞ」
テンカ先生が促すとデストロイヤー教頭が出てきて……なんか呆れてる。
「テンカ君。こういうときくらい地を隠せと言っただろう」
「あ、おもろいこと聞いたらつい戻っちまいました。気をつけます」
「うむ、気をつけたまえ」
「では夏休みの注意を終わります」
「今のは君への注意だ! 話はこれからだ」
「ちっ。はいはい」
この人らも結構おもしろいよね。
「さて……諸君。改めて言うまでもないが教頭である。明日から――いや、正確には今日の午後から君たちは夏休みとなるわけだが」
うんうん、休むよ! いっぱい休むよ!
「私から言いたいことがある」
はいはい、どうせ色々気をつけろって注意でしょ? 大丈夫だよ。長い休みに入る前は毎回そんなんばっかり聞き飽きてるんだから。
「休むな」
って、はいぃ!? 夏休み全否定!!
久々に出ました常識デストロイ。
「いいか? 子供とは日々勉強である。本来休みなどというものは一週間に一度もあれば充分すぎるのだ。それをこのような長い期間与えられ、無為に過ごすべきではない。休みなのは学校であって、君たち自身ではない。いいか? 暑さに負けず、常に何かをするのだ。宿題でもいい、遊びでもいい。読書でもいい。少しでも楽しいことを、自身の力になることをするのだ。これは休みではない――それさえ忘れなければ、君たちはきっと素晴らしい時間を過ごせるだろう」
おお……なんか難しいけど、すごいこと言うなぁ。学校は休み。でも私たちは違う、か……そだね、何もしないのはつまんないし。いっぱい何かをしよう!
「以上である」
よしきた。
「ごちそうさまでした!!」
「見っけ。やっぱカカか。後で話な」
「やられた!!」
「うっし、全員いるな?」
終業式が終わった後にゲンコツをもらった私は頭を押さえつつ、他のクラスメイトと一緒に頷いた。
「さて、これから夏休みなわけだが……てめぇら! 夏休みになったら何をする?」
「「遊びます!!」」
「遊ぶだぁ? てめぇらふざけんな!!」
その予想外の怒号に、浮かれていた皆は一斉に押し黙った。
なので代表して私がおそるおそるたずねる。
「え? や、だってあなた去年……」
思いっきり遊べ! みたいなこと言ってませんでした? なぜか軍隊っぽく。
「そんな昔のことは覚えてねー! よくよく考えればよ、オレたちぁ少し仕事あんのにてめぇらだけ丸々休みってのが気にくわねぇ!! 何でもいいからてめぇらもなんか苦労しろ!」
り、理不尽だ!! やっぱ勝手だこの人!
「例えばニシカワ!」
「い、いぇっさ!!」
「小さくてもいい! 夏休み中にてめぇは西に川を作れ!」
「キラーン(目が光る音。でもなぜか口で言ってる)! はい喜んで!」
そういやそんなんが夢だとか言ってたなーニシカワ君。
「イチョウ!」
「は、はい」
「イチョウだから……銀杏拾え!」
「な、夏にですか!? 無理です」
スーパー行きなさい。
「インド!!」
「……はい?」
「インドを作れ!」
んな無茶な!!
「……はい」
頷いちゃったよこの子!?
「そこでこっそり覗いてるタケダ!」
「はひっ!?」
なに、不審者!?
「お、俺は先生が忘れたプリントを届けに」
「おまえは竹だ! だから……なんもしなくていーや」
「は?」
「立ってるだけでいーよ」
「え、えと?」
哀れ。
「次は――サエ! なんか遮れ」
「じゃーテンカ先生の人生なんぞをー」
「それはごめんなさい!」
まぁ素直。
「あとサユカ!!」
「は、はいっ」
「……んと。思いつかん!」
「なんですかそれっ!?」
サユカン……名前が当てハマるもんなさそうだもんね。
「カカ!!」
「あいさ」
「カカト落としをマスターしろ!」
「してます」
姉拳法でとっくに。
「じゃあ……カカぁ――お母さんに孝行でもしろ!」
「あ、夏に一回帰ってくるみたいなんで。そのときに」
「そんときはオレも呼べ」
そういやファンだったっけ。
「アヤ!!」
「はーい! ふふ、アイドル志望の私はもちろん――」
「アヤしいヤツを捕まえろ」
「えええ!? ちょ、私のだけやたらレベル高くないですか!?」
や、他の人のも相当なもんだよ?
「あとは――」
「……先生は?」
ぼそっと誰かが呟いた一言。それを境に生徒達が爆発した。
「そういう先生は何をするんですか!?」
「そうだそうだ!」
「わたしたちだけ何かするのは不公平ですよっ!」
「先生も何かしたらどうですか! テンカ先生だけに天下を取るとか!」
「天界に行くとか!」
「天下一武道会で優勝するとか!」
「食品添加物になるとか!!」
好き勝手に言う生徒たち。
それをぐるりと見回して、テンカ先生は苦虫を噛み潰したような顔で言った。
「何するかって? 決まってんだろ。仕事だよ」
教室は一気に静まった。
「お、お疲れ様です」
「うるせー」
思わず口に出てしまった私の一言に、テンカ先生は疲れたようにため息をつくのでした。
「……ま、てめぇらは楽しくやれや。ガキのうちにな」
肩を落とすテンカ先生を見て、なんとなく言われたことに挑戦してみよっかなーという気になってしまう私たちでしたとさ。
最近の教頭、デストロイしてないよーとの意見があったのでさせてみた。いい機会だったし。
うーん、デストロイなのに毎回良いこと言うなこの人。とても私が書いてるとは思えん笑
なんにせよ、休みというものは自身が作るものであって、他人からもらうものではないと思います。仕事の日だろうと休日だろうと、自分の中で「休み」と「休み以外」を作ってこそ、色々なことができるもんだと思います。
……ま、そーそー言うほどうまくできるもんでもないですけどね^^;
気に入りましたら、こちらお願いします♪
NEWVELランキングへ投票(月一回)
長編小説ランキング
HONなびランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。