カカの天下(36/596)PDFで表示縦書き表示RDF


カカの天下
作:ルシカ



カカの天下36「いろんなお店」


 うっかり店、INトメ&カカ

「チキンカレーと、ライス、普通盛りで」

「私も同じのー」

「はい、かしこまりました」

 店員さんは深々とお辞儀して去っていった。それを見送るのは僕とカカ。

 ここは商店街に最近できたカレー屋さん。カレーとライス、もしくはナンを別々に頼むところらしい。こういうところにくるのは初めてだ。無難にライスを頼んだけど、今度くるときはナンを頼んでみよう。

「お待たせしました」

 数分して、速くも頼んだものがきたようだ。蓋をされた皿が二つずつ、僕らの前にならべられた。

「じゃ、いただきますかー」

「たっまに、そっとで、おっしょくじー」

 普段は家でしょぼいものを食べさせているせいか、こういうときのカカは非常に上機嫌でヘタな歌まで自作してしまう。うん、オンチだ。僕に似たな。

 そんなことを思いながら、僕らは蓋を開けた。

「……ん?」

「これ」

 僕の前にある皿は二つともカレーだった。カカも同じく。

 つまり、僕らのテーブルには四つのカレーが並べられたわけだ。

「店員さんのミスかな」

「多分ね」

 人間のやることだ。こういう失敗もあるだろう。

「すいませーん!」

 僕らは店員さんを捕まえて、ライスがきてないことを伝えた。

 平謝りしながらも、店員さんはすぐに厨房に引き返して、お皿をもってきてくれた。

 四つのご飯を。

 つまり、僕らのテーブルには四人分のカレー&ライスが並べられた。

 僕らはしばらく沈黙してから……もう一度店員さんを呼び止めた。

「はい。追加注文ですか?」

 おまえは僕らを太らせて食う気か?

 僕らはいろいろ間違ってる旨を伝えて、余計な分をさげてもらった。

 なんだかんだあったけど、結構おいしかった。

 そして会計。

「40000円になります」

「まてやオイ」

 どこのぼったくりカレーバーだここは。

「あ、間違えました……4000円になります」

「いやだから待たんかい」

 それも違うだろ四人分の値段だそれは。

 なんなんだこの店は……



 
 あとから聞いた話だと、どうやらそこはドジッ子をウリにしようとしていたらしい。

 ぶっちゃけた話、普通の店の店員のドジなんか客が苛立つだけで意味がない。

 そのふざけたやり方は、お客の数が急降下してようやく店長が意味の無さに気づくまで続いたらしい。




 チャレンジの店 IN姉

「いらっしゃいませー」

 結構混んでいる中で席をみつけ、あたしはどかっと座った。

 しばらくすると、皿を持った店員があたしのテーブルに寄ってくる。

 ちなみにあたしはまだ何も頼んでいない。だが、ここではこれでいいのだ。

「ショートケーキが一つ」

「残念、モンブランでした」

 がっかり、とあたしは肩を落とす。はずれだ。

 この喫茶店は、客の注文を聞かない。

 客を見た店長が勝手に作り、勝手に出すのだ。そのかわり、何を出すかを当てるとその代金はいらない、というおもしろい制度である。

 おもしろいのはいいけどあまりもうからなさそうではある。客の意見を聞かないのだから当然だろう。一部では流行っているが。

 どうやら金持ちの息子が道楽でやってるそうだ。

 あたしは結構好きだから、この店によく来る。

 一日の運試しついでに。

 でも――なぜか何が出てくるか当てたお客は一人もいないと言う。

 謎だ、店長。







 気に入りましたら、こちらお願いします♪

 ネット小説ランキングに投票(月一回)

  NEWVELランキングへ投票(月一回)

 長編小説ランキング

 HONなびランキング







ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう