Red Fundoshi Speedway縦書き表示RDF


Red Fundoshi Speedway
作:ごはんライス


 オレは真夜中の高速道路を赤ふんどし一張いっちょうで突っ走っている。もはや、師走。風が痛く全身に突き刺さる。
 なぜそんなことしてるの?
 とトラックの運ちゃんたちは思ってることだろう。
 しかし、理由なんかないのだ、とオレは思う。
 むしろ、理由なんかあったら、こんなことしとらん!
 なんて思う。
 強いて理由を挙げれば、彼女を愛してるからだろうか?
 
 これはつまり罰ゲームなのである。

 先月、彼女と約束したのだ。もし今度浮気したら、深夜の高速をふんどし一張で走る、と。
 ぜぇぜぇ息を切らせながら、なんちゅうムチャな約束をしてしもうたんや、と思う。

 しかし、読者は思うだろう。
 そんなもん、適当にどっかのネットカフェで時間をつぶしてごまかせばいいじゃん、と。
 しかしながら、みなさんは、彼女のねちっこさを知らない。
 オレはすっぱだかのうえ、ヘルメットをかぶせられ、それには小型カメラが設置されているのである。

 今頃、彼女、家でモニター見ながらゲラゲラ笑ってけつかるんだ。
 ちきしょー!

 オレはやるせない。もう歩きたい。しかし、そうすると、来月から小遣いを減らされてしまうのである。くそっ。とんだカカア天下だぜ!
 彼女はほんとしつこいし恐ろしいんだ。
 前、浮気した時なんて、愛人の肋骨を三本も折りやがった。オレなんて五本だぜ!
 もうちょいで、内臓に突き刺さって死ぬところ。
 まぁそれに比べれば、今回の罰ゲームなんてかわいいもんなのかもしれない。
 しかし、ある意味、きついのは、これ、24時間耐久レースなんだよな。敵のいないレース。モチベーションもグダグダだぜ!

 大型車が脇をビュンビュン走って、オレのタマキンはとうに縮み上がっている。
 おまけに、雨まで降ってきやがった。
 おお、神よ。
 なぜにそげなむごたらしい試練をこげなか細い中年オヤジになすりつける。
「いやいや、たけしよ。わしは悲しんで泣いておるのだよ。そういう雨なのだよ。わかるかい?」
 わかるかボケー!

 オレはもう目がかすれてきた。これ以上、走ってたら死ぬな。
 あ。都合よく雪まで降ってきた。ひー!

 その頃、彼女は隣の山下さんと家でイチャイチャしていた。
「まずいよ、芳子さん。旦那さんが帰ってきたら・・・・」
「あははっ。大丈夫よ。旦那なら今頃、高速で赤ふん一張・・・・」
「あ、赤ふん????」

 赤ふん一張の男、すなわちオレはもうすでに意識朦朧だ。十キロくらい走って、裸足の足はすでにビリビリに破れまくっている。
 いっそのこと、この原稿用紙、破ってくれ!

「そういうわけにはいかぬ」
 編集者が言った。
「もう締め切りまで時間がないので、このまま、赤ふん一張でゴールまで行ってもらいます」
 助けてー!

 オレの全身は汗と雪と鼻水が混ざり合って、もはやわけがわからない。
 おまけに妙な興奮感が手伝い、射精してしまった。赤ふんどしの中、ドロドロのグッチャグチャや!

 もうやだー!

 すると、天に通じたのか、雷が落ちてオレを直撃した。
「ぐぎゃー!」
 オレはアスファルトを転がり回り、やってくる時速200キロくらいのダンプカーに次々とはねられて、宙を舞って・・・・・
 ぎゃはははははははは。ここまでくると愉快じゃわい。
 オレは空を飛びながらも、「これも愛のためだ」とグッと涙をこらえていた。

 その頃、妻は、モニターの前にあるソファで、山下さんにフェラ0オをしていた。
「き、気持ちいーーッ!」(了)














ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう