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鬼侍 ONI-ZAMURAI 作者:佐藤写楽
4/5

鬼も笑う

「どうか、どうかお許しを」

死に際の猫を思わせる、か細い声。生け垣の脇に下女がうずくまる。顔を背けてこちらは見ぬが、まだうら若き娘のようだ。

鬼の脳裏に、ちらりと愛娘の顔が浮かぶ。それが笑顔であったのか、お天道様とて知る由もない。

「おのれ逆賊」

騒ぎを聞きつけた侍が一人、鬼に駆け寄る。間合いの読み合い。

「邪魔だ! どけ!」

男が下女の頭を蹴り飛ばし、鬼に刀を向けた。刹那、右の刀で刀を弾き、左の刀で足を切る。

「ぐあああああ」

仰向けに倒れた侍の、胸に刃を突き立てた。

男の断末魔が止み、女に声をかけようと、口は開けど言葉はなく、血まみれの刀を見つめてにこりと笑う。

屍から刀を引き抜き、また坂を登る。
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