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鬼侍 ONI-ZAMURAI 作者:佐藤写楽
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鬼駆ける

桜吹雪のような血風を背に、鬼は征く。ここからは長い登り坂。

「そこで何をしている! き、貴様は××××」

通りかかったお侍が鬼を見て、その名を呼ぶか呼ぶまいか。一閃、喉笛を一刺しされて白目をひん剥いた。

鬼に人の名などあるものか。

それを遠目に見ていた二人の侍。一人は腰を抜かし、一人は城へ走り出す。

「出合えええ! 出合ええええええ!」

静寂の城に怒号が飛んだ。それに呼応するように、鬼が走り出す。腰を抜かした男は、なぜだか分からぬが、時が止まったような錯覚をした。

血風舞う城門。首から血を吹き出し倒れる男。自分目がけて駆けて来る形相の鬼。走り去った友の怒号が間延びして聞こえる。

厳しい父上の背中。母上の握ってくれたおむすび。姉上の子守唄。耳かきをしてくれる妻のももの柔らかさと温かさ。

これが走馬灯というものか。

我に返ると眼前に鬼はもういない。足音が遠ざかっていく。助かった。臆病で良かった。

後ろへ振り返ろうと体を揺らすと、首がごろんと地面へ落ちた。
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