挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
鬼侍 ONI-ZAMURAI 作者:佐藤写楽
1/5

鬼が往く

無数の刀を身にくくり付けた鬼が一匹、砂煙の中を征く。

朝焼けが照らす城下町、往来にちらほらと居合わせた町人は語る。

「あの御方は」

「笑っていました」
「怒っていました」
「泣いていました」

「鬼の様なお顔で」

その鬼が人であった頃の名は、何と言ったろう。田舎の小さなお国で城勤めをする真面目な男。友と酒を酌み交わし、妻と子を愛でる気のいい男。

そんな面影は、いずこ。

「そこの者! 止まれ!」

城門の兵が大きく声を上げる。

「止まれ! 止まらぬか!」

鬼に人の言葉は届かぬよ。

あれよと言う間に鬼が剣を抜く。槍をすっと横切って、左方の門番の首が飛んだ。咄嗟のことに意味の分からぬ右方の門番は、飛び散る血しぶきに目を閉じる。

ごとん……暗闇の中、鈍い音。右方の門番の首も落ちた。

――鬼侍 ONI-ZAMURAI
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ