第3話・部屋とYシャツと鬼子母神
〜前話からの続き〜
身から出た錆とはいえ、自身の不注意から危機的状況に追い込まれてる俺。
(それにしても、こんなになるまで気づかないオレっていったい・・・ )
振り返っても後の祭り。もはや、一刻の猶予も許されない。
何故なら、迫り来る炎だけではないもう一つの難問が、俺に襲い掛かっているからだ。
「ウッ! ゲホッゴホッ 」(窓だ! まず窓を開けてこの煙を何とかしねぇと・・・)
袖で、鼻と口を覆いつつ素早く窓を全開にする。
そして俺は、脱兎の如く部屋から退避し階段を駆け降りて!っと、あっそうそう、俺の部屋は
2階にあるのでした〜〜っ・・・て(我ながら危機感ゼロだなオイ)
「モモちゃん! 火事だ! 火事! オレの部屋が燃えてんだYOぉーーー!! 」
キッチンで、朝食の準備をしていたとおぼしき我が愛しのマイマザーは、俺の言葉を
聞くや否やダッシュでバスルームに向かって行く。すかさず俺もその後について行き、
二つ重ねにしてあるバケツの片割れを無言で俺によこすと、すぐに彼女は浴槽の残り湯(水)をバケツ一杯汲み取り、凄い勢いで二階へと駆け上がって行くのだった。
慌てて俺も後に続く。
途中、 (うわっ! スゲー煙イ! ハンパねェなこりゃ・・・)
『げほっ! ごほっ! 』 「ゲホッ ゲホッ! 」
煙に悩まされながら何とか現場に到着した俺達は、バケツの中身を火元に向けてそれぞれ
ぶちまける。
─── ザバァッ ───
─── バシャッ ───
オフクロと俺の的確な処置と連携が功を奏し、何とか鎮火する事が出来た様だ。
不幸中の幸いか、机上のデスクトップ・部屋の隅に位置する20インチ薄型液晶テレビ・エアコン
といったMY三種の神器もどうやら無事らしい。念の為それぞれ動作確認もした、間違いない。
やれやれとほっと胸を撫で下ろしたのも束の間・・・
『この大馬鹿者がぁぁぁぁあ!!! 一体これ(惨状)はどうゆう訳かぁぁぁ!!!! 』
俺の耳元で、軽く鼓膜を何十枚も突き破れそうな数百dbもの大音量を発する
この御方こそ、姓は度会 名は桃代 身長173cm 体重チョメチョメ(知ったら最後その日が命日)kg、
3サイズ上からB95 Wズキューン H92 血液型A型、実年齢36歳見た目どうみても20代前半、街を歩けば
すれ違う人のほとんどが、二度見せずにはいられ無くなる程?の圧倒的な美貌で、誰が名付けたか知らないが
通称” 見返りモモちゃん ” として高校在学中に颯爽と芸能界デビューを果たし、一世を風靡した後
卒業後、当時史上最年少でミスユニバース日本代表に選出され、世界大会でも見事第3位に輝く等の実績を残した
というのはあくまでも表の顔。
果たしてその実態は・・・・・・・・・
次号に続く!・・・
ウソです、スンマソン・・・ちゃんとします、ハイ。
果たしてその実態は・・・・・・握力 右98 左87 背筋 266 の右利き、ストリートファイト・腕相撲等、過去
数百戦無敗(相手は男女問わず) 柔道・剣道・空手・テコンドー・少林寺拳法・その他諸々の武道を極め、
それ等の段位を合計すると軽く30は超える。俺にとって母親であることは勿論、時には姉貴代わり、
またある時は人生の師匠といった存在。あと怒らせたらマジ、シャレになんないって事も付け加えとく。
(俺はきっとこの女には、一生頭が上がらないんだろうな・・・)
モモちゃん(オフクロ)に関しての説明について、今日の所はこの辺で勘弁してくれ・・いずれまた次の機会に・・・
『ところで、其の方先程から一体誰に話しかけておる? 』
「ゼェ・・ゼェ・・・」 (今、モモちゃん何か言ってたか?・・・つーか、こちとら説明疲れでそれドコじゃねーし)
『ご苦労な事だ・・・』
「あっそうだ、こんな事してる場合じゃなかった! 俺、これから始業式出なきゃなんねーからさ? モモちゃん、悪いけどこの部屋の後始末ヨロシク!! 」
「んじゃそーゆーコトで」 と言いつつ俺が自室から出て行こうとするのを、オフクロが見逃す筈も無く
『待て! 私はまだ、このボヤ騒ぎの理由を聞いてはおらぬぞ? まぁ、おおよその見当は付いておるが
・・・それより何だ! その態度は? 反省の色が全く見受けられん!! 』
あっけなく襟首を掴まれ、凄い勢いで後ろに引き戻されるオレ
「ウゲェ〜〜〜! モモちゃん・・・絞まるっ・・ノ、ノドが絞まって・・・く、苦し・・・ 」
『まったく、大袈裟な 』
ようやく解放してくれたかと思った矢先、オフクロは素早く俺の前方にまわり込み、仁王立ちで部屋の出口に立ち塞がる。そして間髪入れず、なんと俺の懐に手を突っ込んできた。
「えっ!? ちょ ちょっと待ってくれモモちゃん! 朝っぱらからそんな・・御無体な・・・
オレ、近親相姦の気はねぇから!! 」
『愚か者! 私は自分の息子を襲う程落ちぶれてはおらぬわ!! 』
─── ズビシッ ───
「ぐおぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!!! 」
どうやら脳天に手刀を喰らったらしい・・・重い衝撃が、頭部全体を襲う。
夜でもないのにホシが見えるのは気のせいか・・・
だが、これでもある程度は手加減してくれてるのは間違い無い。(本気のモモちゃんはこんなモンじゃないからな・・・)
ちなみに、未だオフクロの右手は俺の懐から離れてくれない。まるで何かを探そうとしてる様な手の動き、この状況は俺にとって・・・
(ヤバイ! ×10 ・・・・・・”アレ”が見つかっちまう! ・・・非常にマズイ!! ってああ〜Yシャツのポッケを触らないで〜〜ママったら〜〜)
そうこうしてる内、ついにオフクロはお目当てのブツを探り当てたらしく、すかさずソレを
” 喰われかけの哀れな子羊 ”の前に突きつける。
(うわ〜〜〜このヒト微笑んでる〜〜出たよ必殺{”モモちゃんスマイル”〜目は決して微笑んでいないバージョン〜}が ・・・
終わった・・・・・・・・・何もかも・・・・・・俺の16年余りの短い人生・・・
父上様、母上様、先立つ不幸をお許し下さい・・・あっ、もっとも目の前のアンタが手を下そうとしてんだけどネ)
そして・・・
「これはなんだ? 」 と目の前に見せ付けられたのはまさしく
” 処刑台への片道切符 ”(SEVE○ STAR BOX)!!
「む、むむむ・・・」
『む? 』
「昔懐かしの ”シガレットチョコ” だぴょん! 」
『ほう? そうか・・・貴様にはこれがチョコに見えると・・・
ならば早速食してみるか? ん? 』
{”モモちゃんスマイル”〜般若バージョン〜} で強烈なプレッシャーを
俺に与えてくるオフクロ。
同時に、俺の目前に掴まれている”チョコ”を彼女が軽く握り潰す。
まるでティッシュペーパーを丸めるかの如く、いとも簡単に・・・
(あの〜、もしもし? ”ソレ” もはや原形留めてナイんすけど・・・
てかオレ初めて見たよ、タバコがゴルフボールに変わってくイリュージョンを・・・
そして、これは同時にオフクロが俺に向けてのメッセージであるという事を意味する。
次にこうなるのは キサマ だと!! ・・・
(キャ〜〜〜! ムスコを”貴様”呼ばわりですか? イヤ〜ン、 貴女はわたくしを
一体どうなさるおつもり!? 〜〜〜 そんなに怖い表情なさらないで〜〜〜
せっかくの美貌が台無しよ? 〜〜〜 )
こうして馬鹿やってる間にも、状況は刻一刻と悪化してるのは自分でも分かってるつもりだ。
(何か有効な打開策はないものか・・・ここでオレに残された選択肢は・・・)
1 無謀を承知で出口に立ち塞がる ”人類最凶殺戮破壊兵器” に戦いを挑み正面突破を図る
2 誠心誠意、心からの謝罪をして許しを請う
3 開け放たれている後方の窓からの華麗なる大脱出
以上! (少なっ! どんだけ〜? 選択肢、こんだけ〜〜!? )
まぁ仕方無いので、現時点この3パターンをそれぞれシュミレートしてみる。
まず1番・・・・・ ってバカァ!! 作者馬鹿だろう!?そうまでしてオレをコロシタイノ?
物語終わっちゃうYO? 問答無用で却下〜!!
で2番・・・・・・ う〜ん、まぁ正面突破に比べれば遥かに常識的かつ良心的な答えか?
モモちゃん優しいから、きっと骨の2・3本で許してくれるかも・・
でも問題はそう、誠心誠意の謝罪って事は=十中八九土下座っしょ?
床、ビッチョリよ? せっかく着替えたのに濡れちゃうよ? ま、死ぬよりマシだけどサ
いよいよ3番・・・ これは問題点多いよ〜脱出って言うケドここ2階だぜ?華麗なる脱出ならぬ”転落”だよな間違い無く
作者、オレの運動神経分かってる? 良くて骨折、悪けりゃ全身打撲で即入院コースよ?
それに、運良く飛び降りた際のダメージが少なかったと仮定してよ?
その後オレどうやって登校すんの? 靴も履かずに? 1階も玄関も全部鍵掛かってんだぜ!?
そしてオレが最も恐れている最悪のシナリオ、それは窓までたどり着く間に起こる・・・
えっ?たかだか数メートルの距離だろって? ハァ〜〜〜作者はこれだから困る・・・
言ったでしょ!床ビッチョビチョなのよ? カーペットも水気を含んで、ただでさえ滑りやすく
なってんの!しかもその先は水浸しの”フローリングゾーン”ですけど?すってんコロリンって
ピーチ姫に簡単に捕まっちゃうYO! そうなったら酷いヨ〜、ピーチってば卑怯な事が大っキライだから
想像しただけで・・・・・・・・・ギャァーーーーー!!!
結局どの案もとても実行する気にはなれず、かといってこうしていても仕方無いと思い、
遂に俺は自分の中である決断を下す。
(こうなったらもう”アレ”使うしかねぇな・・・しかし後々スゲー不安だな、なんたって実戦で使うのは初めてだもんな・・・
オレ自身、使用後どうなっちまうのか全く想像つかないが・・・
いや! 迷ってるヒマはねぇ!今はこの窮地を逃れるのが最優先事項だ! やってやる!! )
「禁断奥義・・・ ”魔胃夢間井無”!!! 」
『??? 』
説明しよう、この術を唱えた者は自己の精神力を急激に引き上げ、限界点を突破させると同時に一種のトランス状態に陥り、正に”天上天下唯我独尊”を地でいける程、手が付けられなくなるとゆう怖ろしい技なのである! (まぁ早い話が相手に対して常に上から目線で絶対的優位に立てるってワケ)
だがこの技は、あくまでも自身のメンタル限定の効果な為、(お空をとんだり〜、カ○ハメ波出したり〜、大型トレーラー持ち上げたり〜)だといった肉体的、超人的な活躍は無論、一切期待出来ない・・・ショボッ!
尚、この技は術者の身体にとてつもない負担が掛かる故、使う場面が非常に限られる。ちなみに技のネーミングと効果・小説のストーリー・登場人物のアイデンティティー・等との関連性は一切無い・・・
※主人公
「お遊びはここまでだピーちゃん! この我輩をここまで追い込んだのは、あんさんが初めてや!・・・・・よかろう! 見せてみよ! うぬの真のチカラを!! ボクちゃんの持てる全てのポテンシャルでYOUを可愛がってあげよう・・・カモン!Pちゃん!! 」
『さっきから黙って聞いておれば、男のくせに キャ〜、イヤ〜ン だの ウッフ〜ン だの・・・訳の分からぬ事をブツブツと・・・・・・あげくの果てに親に対して数々の暴言・・・これは教育的指導が必要な様だな!!・・・』
「え? 何でPはオレが思ってるコトが分かるんだ? オレもしかして、第3話の最初から全部口にだしてた? 」
『ああ出ていたさ! ・・・って? ちょっと待て! お前、今”P”と言ったか?
私の事を”P”と!? 』
「言ったけど、それが何か? 」
『そ・それが何か? だと〜貴様〜〜! ”P”だぞ! ”P”!? もはや”度会桃代”のカケラすら留めておらぬではないか!? 』
「ああ、そういえば”P”は元世界ミスユニバース3位だったっけな・・・やっぱ、グランプリじゃないと納得いかないか? 」
『全く会話が噛み合って無いではないか!? 今はその様な話をしておるのでは無い!何故私がよりにもよって、息子のお前から”P”、 ”P”言われなくてはならんのだ!? 』
「マッタク・・・Pって、ホンとノリ悪いな〜グランプリ取れなかったんダカラ、それなりのリアクションってもんがあるだろ〜? ハイ!LOOK、LOOK、注目〜 ・・・例えばこういう風に、顔を思いっきり歪ませて・・・「M○グランプリ取れなくて非常にクヤシイですっ!! 」ってな具合に・・・・・・そんなんだから”P”はいつまで経っても、ピ─(自主規制)が、 ピ─(この小説は15禁なんでアシカラズ)で、ピ─(だからムリなんだってば!)のまんまなんだYO!! 解ったか? P? 」
───ブチッ───
『 覚・悟・は・よ・い・な ? 』
「いいともぉ〜〜〜〜〜!!・・・・・・・・・って、あ、あれ? 」(急に全身を激しい脱力感が・・・)
(なんかクラクラしてきた・・・耳鳴りもする・・・・・・そうか!・・・副作用ってやつだな、どうやら”魔胃夢間井無”の効果が完全に切れたらしい・・・いつの間にか視界も真っ暗だし・・・)
俺は、自身が前のめりに倒れ込んでいくのを感じる。 (このままじゃ・・・い〜や・・・もう煮るなり、焼くなり・・・ど・・う・にで・・・も・・・)
『?・・・お・おい! 優斗? 一体どうした!? 』
(・・・・・・?)
どうやらモモちゃんが、俺を抱きとめてくれたらしい。心配してくれている雰囲気は十分に判る。顔面から床に激突する事態は、回避できたみたいだ。代わりに、大きくて張りのある柔らかいバストが、顔全体を優しく覆っているのを感じる・・・と同時に頭から首筋に掛けて、モモちゃんの長くて艶のある黒髪が包み込んでいる事もおそらく・・・
(もしかして、オレ・・・たすかった・・の・・・か?)
すっかり安堵しきった俺は、{”モモちゃんスマイル”〜聖母バージョン〜}を感じ取りながら安らかな眠りにつくのであった。
『ふぅ、まったく世話の焼ける息子だ・・・一時はどうなる事かと・・・』
今朝の教訓 (おさらい)
・ 思ってる事をなんでもかんでも口に出さない
・ モモちゃんに向かって”P”は禁句
・ 主人公の名前が”優斗”だという事が判明
・ ”魔胃夢間井無”(単なる挑発)は今後封印
・ 自室に消火器は必須
モモちゃん『禁煙せい!』
優斗「ムリ!」(即答)
モモちゃん『いっその事、スプリンクラーでも付けるか?』
優斗「それだけはご勘弁を・・・」
モモちゃん『いや・・・お前にではなく、あの男にだ!』
「作者かいっ!?」
優斗「よう、馬鹿作者!」
作者「てめぇ・・作者をつかまえて開口一番バカとはなんだ!」
モモちゃん『私も優斗の意見に賛成なのだが・・・』
作者「”P”まで・・・」
───ドゴ!バキッ!グシャ!ガス!ゴス!───
作者「あれ〜〜〜〜〜!」
優斗「おっ!飛んでった〜 めでたしめでたし」
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