※※今回のお話には残酷な描写が含まれます※※
いや、含まれません(どーん)
と言う訳でフラン編更新です。最終話です。もう言う事は無いです。あと、サッカーが気になる方はテレビの方を優先して下さい。こちらは時間のある時で結構ですので(笑)
では、どうぞごゆるりとお楽しみ下さいませ。
高天原天津祝詞の太祝詞を持ちかが呑むでん。祓へ給ひ清め給ふ。
(祝詞、大祓詞 最上祓)
しかし、予想外の事態とはあるもので。
そして、それは突然やってくるもので。
もちろん、予想出来ていたのなら予想外とは言わないのだから、突然なのは当たり前な訳で。
というか、こんな訳の分からない現実逃避に浸っている場合でも無い訳で。
「……」
「……」
睨み合いは続く。嫌な汗が流れる。時を刻む針の音だけが、やけに大きく聞こえる。
……ああ、辛いなぁ。何でこんな事になっちゃったんだろ。お二方とも、すっごい殺気立ってるし。パチュリー様は素知らぬ顔で見物人を決め込んでいるし。咲夜さんも美鈴さんも、どうしていいか分からないって顔です。これ、私だけ場違いじゃないかと思うんですが。でも、そんなこと口に出せる状況じゃないし。
『現状を明確に。』
はい。ただ今、清く正しい普通の図書館司書を目指していただけの私こと小悪魔は、突然地下から出てこられたフランドール様に人質として捕らえられていました。
「久しぶりね。お姉ちゃん」
「……」
私の言葉に、しかし姉は何も言わなかった。
辺りは痛いくらいの沈黙に包まれた。互いが互いの出方を窺って、動くことが出来ない。慎重なのか、臆病なのか、つい引っ張ってきてしまった小悪魔が、私の脇でただ震えるばかりだ。
「……」
「……」
私は姉を見ながら、実は少し驚いていた。だって、姉の姿は、あの時から何も変わっていなかったのだ。これほどの年月が過ぎたというのに、姿形も最後に会った時のままだ。蔑みと共に、妙な懐かしさを感じる。
「フラン。何で今更出てきたのよ」
「それは今はいいわ。それよりお姉ちゃん、霊夢はどこ? お姉ちゃんが隠しているんでしょ?」
慎重に言葉を紡ぐ姉に、私は私の目的を告げる。真剣な私の言葉に、しかし姉はまるで予想出来ていなかった風に、実に間抜けな顔で返した。
「フラン?」
「聞こえなかったの? 霊夢はどこ?」
私が繰り返しそう言うと、姉は益々眉をひそめた。ふん。わざとらしい仕草だ。あくまでシラを切るつもりらしい。
一歩、私は姉に詰め寄る。
「ねぇ、聞こえてるの? 霊夢はどこ? 答えて」
「何を訳の分からない事を言ってるのよ。いいから早く戻りなさい」
「知らばっくれないで。私、もう知ってるんだから。ずるいよ。お姉ちゃんばっかり一人占めして」
私はまた一歩、姉に詰め寄る。今度の一歩は大きい。
不意に、後ろで誰かが動くのが分かった。……鋭い。パチュリーだ。姉から合図を送られたパチュリーが、僅かに立ち位置を変えている。いつの間にか私は、姉とパチュリーの二人に挟み込まれていた。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。心配しなくていい。一度会わせてくれたら、また地下に戻るよ」
じりじりと距離を詰めるパチュリーに警戒しながら、姉から目を離さずに言った。思わず引きよ押せた小悪魔が、小さく悲鳴を上げる。汗はまた流れた。
「何度も言わせないで。霊夢がどこにいるかなんて知らないわ」
「……っ、何でっ! 私は霊夢に会いたいだけなの! 一度だけ会わせてくれてもいいじゃない!」
思わず声を荒らげる。広い部屋の中を私の声が響いた。しかしその声は、まるで自分のものじゃないかのように私の耳に届いた。咲夜は少しだけ身を震わせる。美鈴が、これ以上無いくらいに不安そうに私を見ていた。
「いい加減にしなさい! 分からないことばっかり言って、困らせるんじゃないの!」
「……ふん。へー、そうやってとぼけるんだ。でも、じゃあ、コイツがどうなってもいいんだね?」
思い出したように小悪魔の方を見る。小悪魔の白い首筋に、長く尖らせた爪を当ててみる。流れる血の脈が、急激に早くなった。
「うわわっ! 止めてくださいっ! 痛い、痛いですぅ!!」
「そうだよねぇ、痛いよねぇ。爪、刺さってるもんね。ほら、こんなに痛がってるよ。いいの? こいつが死んだら、お姉ちゃんのせいだよ?」
小悪魔の首筋から赤い線が流れた。彼女は、私に向かって必死に助けを懇願してみせる。その顔は恐怖で歪み、私は思わず顔を逸らしてしまう。
「くっ! 止めなさい、フラン! あなた何をやってるの!」
「うるさい、うるさいっ! だったら霊夢を出せ!」
がむしゃらに声を荒げた。どなり声は部屋全体を震わせる。しかし、私はもう、何が何だか分からなくなっていた。自分の事が、酷く間抜けで滑稽に見える。どこか遠くで、今の私を私が見ていた。
違う。違うのに。私はこんな事がしたいわけじゃないのに。
ただ霊夢に会いたかった。霊夢の瞳が恋しかった。霊夢に会えば、それで全部救われると思っていた。こんな私でも、救われるんじゃないかと、夢を見ていた。
今の私を霊夢に見せたくない。もう会えないと思うと、とても悲しい気持ちになった。
「早くしろ! もう本当に殺しちゃうよ?! 私は霊夢に会いたいんだ!!」
次第に、私の中から音が消えていく。みんなの口は動いているが、何と言っているか分からない。ただ少し疲れを感じていた。力が抜けていくような感覚。……もういい。もう終わらせよう。
小悪魔の喉をめがけて、爪を降りおろした。
「じゃあ、いつまでそうやって駄々をこね続ける気なの? アンタは」
――その声は、凛として、力強く響いた。
「……、霊夢?」
声の方を振り返る。すると、そこには霊夢が立っていた。赤と白とのハイカラな姿。扉の前で、仁王立ちするかのように立っている。会いたかった霊夢の姿があった。
「そこに居たんだ、霊夢。私、会いたかったんよ。やっぱりお姉ちゃんが隠していたんだ?」
「残念、ご生憎さま。私は別に、レミリアに何かされてた訳じゃないよ」
霊夢は、音もなくこちらに向かってきた。滑るように一歩ずつ着実に。私と霊夢との距離は狭くなっていく。
その姿に、私は恐怖を感じていた。
「フラン。本当に欲しいものがあるなら、ちゃんと『欲しい』って言わなきゃ、伝わらないんだよ?」
「――こんな風に、ね」
目の前を、黒い物体が横切った。大きなカラスでも通ったみたい。ドンという衝撃と共に、私の腕が強く引っ張られる。そして気付いた時には、もう私の手に小悪魔は無かった。
「よう。一応、久しぶりかな」
「あんたは……」
箒に乗って空を飛ぶ女の顔を、私は知っている。霊夢と一緒に来た奴だ。魔法使いで霧雨魔理沙と言った。魔理沙の腕には、しっかりと小悪魔が抱えられている。
「へへ。悪いな。私は、欲しい物は力ずくでも手に入れる主義なんでね」
「そうだったわね。本当、迷惑な主義だわ」
そう言いながら、パチュリーが魔法使いの手から小悪魔を引ったくった。パチュリーの顔には呆れの色がある。すると、安心したのか、途端に小悪魔はパチュリーに泣きついた。
「うわあああん! パチュリー様、怖かったです〜っ!!」
「ああっ、もう鬱陶しい! ……まぁ、一応礼は言っておくわね、魔理沙。ありがとう」
「別にいいさ。謝礼の件は後でゆっくり……」
「黙れ。そして本を返せ」
「……」
その後も魔理沙とパチュリーは、まるで漫才でもするかのように言葉の応酬を続けた。私はそれを不思議な気持ちで見ている。私の見たことの無いパチュリーだった。
ふと、霊夢の方を見やる。すると霊夢も、魔女達のやり取りを見て、静かに笑っていた。私の見たことのない霊夢。その笑顔があまりに楽しそうだったから、私はひどく情けない気分になったのだ。
「何よ、何よ! みんなして! もういい。やっぱり私の居場所は、あの地下しかないんだっ!」
もういい。もう、帰ろう。私の居場所はここじゃない。いつもの部屋でマリアが呼んでいる。私は地上に出てくるべきじゃなかった。ここは私には眩し過ぎるんだ。
「だから、つまりそれが答えなんでしょ? フラン」
また後ろから霊夢の声。さっきまでとは全然違う。私を責めるように言った霊夢は、もう楽しそうに笑ってはいなかった。
「拗ねて、また地下に戻ろうとするって事は、アンタには地上でやりたい事があったって意味でしょ」
「……」
「アンタは私に会いたかったんじゃない。それはただの言い訳。本当にやりたかったことは別にあった」
霊夢はそう言って、私に詰め寄って来る。怖い。純粋に怖かった。霊夢はきっと全部知っている。何もかもお見通しで、私も知らない私の心の内を、今、ここで打ち明けようとしている。言葉を聞きたくなかった。
「何言ってるの? 私はただ……」
「アンタは地下から出たかったんでしょ? 地上に出て、受け入れて欲しかったんだ。それが出来ないから、アンタは僻んでる」
霊夢は真っ直ぐ私を見つめている。矢で射られるように痛い。
「欲しい物があるなら言いなさいよ。やりたい事があるならハッキリ言いなさいよ。いつまで幼い子供のままでいるつもり?」
「……違う、そんなんじゃない。私は霊夢に会いたかっただけ。でも、もう会えたから、だから地下に戻るの。勝手に決めつけないで」
とても、怖かった。霊夢の言葉がすごく怖い。一言一言が、私の心の内を撫でる様。ザラザラ抉れて、何か大事な物が剥がれてしまう気がした。
霊夢は私に止めを刺した。
「私は、アンタが何を望んでいるか知ってる。アンタはね――」
「……誰かに、許してほしかったんでしょ」
霊夢は、静かにそう言った。
「フラン。アンタは自分で自分を許せないだけ。誰も恨んでなんかいないんだよ」
「……、ハッ。何言ってるの? 何にも知らない癖に。勝手な事を言わないでよ」
しかし、そう言う私の声は震えていた。この感情が、怒りなのか、焦りなのか、私には分からない。ただ、霊夢が悪いんだと、自分に言い聞かせた。
横目で美鈴を見る。しかし美鈴は、情けない顔をして見つめるばかりで、私に助けを出してくれなかった。
霊夢はさらに言う。
「知ってるよ。全部、知ってる」
「嘘言わないでよ! そんなはずない!」
「嘘じゃないってば。私は全部知ってる。マリアベルって子のことも。アンタの両親の事も。……戦争の事も。全部知っている」
霊夢は淡々と告げる。それは確かに、誰も知らない筈の事だった。
「嘘……。何で霊夢がマリアベルの事を……」
「ったくね。大変だったんだよ? ここの連中は何も話さないんだもん。仕方ないから、どっかの胡散臭い妖怪に頭下げて聞いて来たよ。でも、だから全部知っている」
霊夢は尚も事実を淡々と告げていく。理路整然と。夕焼け空を思い出す。この叱られ方は、私は覚えている。
「誰もアンタを恨んじゃいない。アンタを許していないのは、あんた自身だけ」
「う、うるさいっ! うるさい、うるさいっ! みんな出鱈目だ、霊夢は嘘つきだ! 私の事なんか何も分かっていない!」
でも私は霊夢を拒絶した。だって霊夢の言っている事が怖いから。今まで私が作って来たものを壊してしまいそうで、とっても怖かったから。
――だって、
「だって、お姉ちゃんは何も言ってくれなかったんだもんッ!!」
遠くで、姉の眉が少しだけ動いた。
「地下は暗くて寂しいんだ。頭がおかしくなりそう。でも、お姉ちゃんは私が地下にいなきゃいけない理由を、私に教えてくれなかった。だから、自分で理由を見つけるしか無かったんだもん」
私は、私を縛る理由が欲しかった。それをずっと探していた。それが無ければ耐えられなかった。
「マリアの声が聞こえるの。私が壊してしまった日常の全てが、私を呼んでいるの。お前の居場所はここじゃない。あの暗くて寂しい地下だけが、私に唯一与えられた償いの場なんだって。そう言ってるの。だから、私は地下に戻るの」
そう。これは償いなんだ。そう思えば、そう言い聞かせれば、私の心は少しだけ軽くなった。私は孤独に耐える事が出来た。ずっと引っ掛かっていたマリアの声が、私を解放してくれた。
「私は私を許せない。霊夢には関係ない」
「……どうしても許せないって言うのね。じゃあ、どうして出てきたの。アンタの言ってる事は矛盾している。アンタが本当に罪を感じているのなら、地上に出てくるべきじゃなかった」
「……それは」
霊夢に返されて、言葉に詰まる。だって、それは本当だからだ。自分でも分かっている。私のやっている事は筋が通らない。でも、私は霊夢に会いたかった。本当の本当に、霊夢に会いたかった。それだけなのだ。
「霊夢が悪いんだ。私、ずっと待ってたのに。ちっとも遊びに来てくれないんだもん。お姉ちゃんとばっかりお話して。私は寂しかったんだもん」
「頑固ね。まぁいいわ。アンタがそう言うんだったら、そう言う事にしてあげる。でもね、だったら私も私で筋を通させてもらうからね」
「筋……? 何を言って」
「アンタを救ってあげる」
そう言って霊夢は、実に意地悪そうに笑ったのだ。
「……救う? 何を言ってるの? 霊夢が私を救うの? たかだか十か二十しか生きていないのに。この私を救うって言うの? 笑わせないでよ!」
だから私は怒鳴った。霊夢のあまりの能天気さに腹が立った。だが、霊夢は私の言葉が聞こえていないのか、まるで気にした風は無い。ごそごそと荷物を漁って何かを取り出した。それは細長い木の棒で、先の方に紙で出来た奇妙な飾りがあった。
「何やってるのよ……?」
「ん? 何ってお祓いよ。巫女さんって言ったらお祓いでしょ?」
「お祓いって、ふざけるな! そんな事したら……」
「お祓いってのは、幽霊や妖怪を強制的に消滅させる手段じゃないわ」
霊夢はそこで一度区切り、そして嬉しそうに笑った。言いたくて仕方なかったようなそれは、
「お祓いって言うのはね。罪を、洗い流す事なのよ」
「……」
何故だろう。その時の霊夢は、とても晴れやかな表情で微笑んでいた。それは母に似た優しい顔で、私の方を見ていた。
「人間は、もちろん妖怪も、生きていたら誰もかれも罪を背負う。そしてその罪は、自分の中でどんどん重くなっていく。罪は消えることは無いから、いつか重みで押し潰されるまで、罪は重みを増していく。でも、そんなの悲しいでしょ? だから神様っていう存在が必要なの。自分より大きな存在が。全てを包み込んでくれる大きな存在が」
霊夢は続ける。誇らしげに背筋を伸ばして、胸をぴんと張って。
「博麗の祀る神には名前は無いわ。神話もないし、もちろん目に見えることもない。でもね、だからこそ全てを赦す事が出来る。“個”を完全に消した神だからこそ、全ての罪を洗い流す事が出来る」
そして霊夢は、手に持つ棒を、まっすぐ私の前に突き出した。体が動かない。まるで電流が流れたみたいになって、私の体は逆らえなくなった。
「フラン。もう一度聞くわ。あんたは、……どうしたい?」
「……私は」
『違う』と言いかけて言い淀む。私の中でずっと引っ掛かっていたこと。ずっとずっと心の内にあったもの。私の本当の気持ち。
お姉ちゃんは、私に理由をくれなかった。だから自分で理由を探した。私は何でこんな場所にいなきゃいけないのか、ずっと考えていた。そしてら、マリアの声が聞こえたんだ。マリアがそう言うんだったら、私は耐えられた。それでいいんだと思っていた。
でも本当は違った。私は寂しかったんだ。ただ人が恋しかったんだ。地下は暗くて寂しくて、その理由も分からなくて、本当はずっと人恋しかった。美鈴や咲夜が語る外の世界を、私も見てみたかった。私も仲間に入れてほしかった。でも、どうすればいいのか分からなかった。
気付くと私の口は、自然と動いていた。
「私は、……もう戻りたくない。皆と一緒に居たい……!」
だから、結局そういうことだったんだ。霊夢に会いたいなんてのは口実に過ぎなかった。私は外に出たかったんだ。ただただ、出たかったんだ。皆の居る世界に、私も入れて欲しかったんだ。
「フラン。あんたは悔いた。いっぱい泣いて反省した。そして今、一歩を踏み出した。だったら、後は神様が全て赦してくれる」
さわっと、棒きれの紙束が頭の上に落ちる。
「フランドール・スカーレット。博麗の神の元に、今ここでお前の罪を祓おう。――……辛かったね。もう我慢しなくてもいいんだよ?」
それは、私がずっと欲しかった言葉だった。
「私、もういいの……? もう戻らなくても良いの……?」
「そうね。アンタが出たいっていうのなら、それを止める権利は誰にも無いわ」
「私――、」
「ちょっと、ちょっと待ちなさいよ! なに勝手に決めているのよ!」
すると、今まで沈黙を保ってきた姉が、急に声を張り上げた。ずんずんと私の方に進んでくる。
「レミリア。もう一度言うわ。私は全部知っている。あとは当人たちの問題よ」
「……くっ」
霊夢にそう返された姉は、何故か反論できずに言い淀む。私には、霊夢たちが何の事を言ってるのかは分からない。でも、私がしなきゃいけない事は、もう分かっていた。
「お姉ちゃん……」
私は姉の方を見た。姉は視線を逸らす。でも私は、姉をまっすぐ見据える事ができた。
「お姉ちゃん。私、もう地下に戻りたくない。みんなの所に居たい」
姉は答えない。なら私は姉の答えをただ待つ。私の意思はもう分かったから、私はもう私は負けなかった。沈黙が続く。業を煮やしたのか、姉の隣のパチュリーが口を挟んできた。
「だってさ、レミィ。どうする?」
「……」
それでも姉は答えない。ただ俯いて、視線をせわしなく動かす。パチュリーがなおも責める。
「レミィ? 何とか言ったら?」
「でも、やっぱり……」
「フランは言えたわ。貴女は言えないの? ……あぁ、もうっ! はっきり言いなさいよ! お姉ちゃんでしょ!?」
「何よ! パチェには関係ないでしょ!?」
姉がそうパチュリーに返すと、今度は、いつの間にか美鈴が側にいた。美鈴はゆっくり口を開く。
「レミリア様。もう、よろしいのではないでしょうか……」
「くっ、美鈴もなの? ……分かった、分かったわよ! いいわよ、好きにしなさいよ! 勝手にすれば?!」
私は、その言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。
「お姉、ちゃん……?」
「いいって言ってるの! あんたはもう戻らなくていい! 好きに外に出てもいい! あんたの地下への幽閉、これで終わりにします!!」
そしてまた沈黙。私は言葉が見つからず、ただ呆然としていた。ゆっくりと周りを見回してみる。霊夢と魔理沙は意地悪そうに笑っている。パチュリーも姉の脇を小突いて笑っている。咲夜は、私と同じように茫然としている。美鈴の姿を探そうとした時、私の上から抱き付いて来る者がいた。
「や、やった。やりました。やりましたね! フランドール様!」
「わ、ちょっと美鈴……」
「やった。やった。良かった。本当に良かった……」
美鈴はまるで自分のことのように喜んでいた。私もそれに伴い徐々に実感が湧いてきた。そうだ。私はもう……。
「ふふ。あらあら美鈴ったら、あんなにはしゃいじゃって。……あー、そういえばフランの部屋、用意しないといけないわね。空きはあったかしら」
「はい、パチュリー様。それなら、私が先日“うっかり”使えるようにしてしまった部屋がありますので、そちらを使って頂きましょう」
「……それは随分な“うっかり”ね」
「ええ。本当“うっかり”していました」
「……まさか。あんたたち、最初から……?」
実は、姉とパチュリーと咲夜とで、このような会話がされたらしいが、これは後から聞いたことだ。
抱きつく美鈴の腕の隙間から、霊夢と魔理沙が見える。
「霊夢、どうした?」
「ちょっとね。……いや、うん。そうだよね。何であの時、早苗が誇らしげに笑ったのか、少し分かった気がする。これが巫女さんなんだよね。これなら私は、自分に誇りを持てると思う」
そしてこの会話は、後で魔理沙から聞いたことだ。
「良かった。良かった。本当に、良かったよぅ」
「ちょっと、美鈴。本当に苦しい……」
美鈴はまだ抱きついている。そろそろ本格的に息が苦しい。すると、近くで霊夢達の足音が聞こえてきた。
「おいおい。いつまでじゃれてるんだ? お前は私達と遊びたかったんじゃないのか? 来いよ。相手になってやるぜ」
「……いいの? 手加減しないよ?」
「おうおう怖い怖い。でも安心しな。返り討ちにしてやるさ。な、霊夢」
しかし、魔理沙にそう振られた霊夢は、
「……私は嫌よ。面倒くさいもの」
ハッキリと“自分の意思”を告げた。
「相変わらずつれないな」
「うるさい。……っと、そういえばフラン。アンタ、スペルカード持ってないでしょ。私のをあげるわ。個性はないけど誰でも使えるように作ってあるから。……あんたは知らないでしょうけど、今はこのカードを使って“弾幕ごっこ”で決闘するようになってるの。死にはしないようになってるから後腐れがなくていいでしょ?」
そう言う霊夢の説明は、やけに手慣れた感じがした。もしかして、何度も同じ説明をしてきたのかもしれない。
私はカ霊夢からードを受け取る。胸がドキドキしているのが分かった。
「これで準備は万端と。使い方は、……実戦でな」
「……なんだか面白そう!」
「面白いさ。それじゃあ行くぜ! フラン!」
「うん!」
こうして、私は、長きにわたる地下への幽閉からようやく解放された。
初めて興じた“弾幕ごっこ”は、私に、長い間忘れていた“笑い方”を、少しだけ出させてくれた。
姉から呼び出しを受けたのは、それから1週間程経っての事だった。
「用ってなーに? お姉ちゃん」
私は、今まで一度も入らなかった姉の部屋を訪れる。紅魔館と名前を変えたヴアルは、既に私の知らない屋敷となっていた。姉の部屋も、当然、全く知らないものになっている。
「……フラン。そこに座りなさい」
姉は、自分は座ったまま、向かい合わせになっている椅子を指していった。部屋は変わったが、偉そうな態度は変わっていない様だった。
「ふん。何さ、お説教でもすんの? 私これから美鈴と遊ぶ予定だから忙しいんだよねー」
「フラン。いいから座りなさい。すごく大事なことを話すわ」
「へーいへーい」
「茶化さないの。いい? よく聞きなさいよ?」
えらく回りくどい。しかし、大して興味の無かった私は、指された椅子に腰掛けて、両足をブラブラさせている。気のない相槌をうっておく。
姉はさらに一呼吸入れた後、ゆっくりと口を開いた。
「母さんにはね、”友”がいたのよ」
「……」
私の足は、自然と止まった。
「ずっと昔の話よ。私たちが生まれるより前の話。母さんには友と呼べる妖怪がいた。不思議な能力を持っていて、自由気ままに色々な世界を旅していた妖怪でね、たまたま旅先で出会った母さんと意気投合し、二人は親友となった」
私は姉の目を見る。姉が何を言おうとしているのか、それを見定めることが出来ない。
「もう一つ大事な事を言うわ。母さんはその時、ある事に悩まされ続けていた。自分の持つ特異な力。その力によって、自分を蝕まれ続けていた」
「何が言いたいの?」
「最期まで聞きなさい。とにかく母さんは、その力を持っていた。相当酷かったらしいわ。制御しきれないその力は、他人を壊し、自分を壊し、壊したという記憶すら壊した。知らない間に使用人を皆殺しにしていたこともあった。自分の喉を裂いて、血の池を作ったこともあった。他者を壊し、自分を壊し、最後は自分の意思まで壊され、体を乗っ取られる。母さんはその力を、“破壊の力”と呼んでいたそうよ」
「……」
私は答えない。沈黙することで続きを促す。姉もそれを読みとったのか、再び口を開く。
「だから母さんは、その友に頼んだの。自分の力を封じてくれ、この呪いから解放してくれって。そして友は願いを聞き入れた。結界を張って、その中では能力が押さえられるようにした。そうして出来たのが、あの地下室。フランを閉じこめた、あの部屋のことよ」
「……分からない。私、お姉ちゃんが言ってること、全然分からないよ」
呟くように言った。胸の奥が脈を早めている。脳が危険信号を告げている。ふと、母の横顔が脳裏を過った。
「フラン、あんたの持っている力こそが、その”破壊の力”よ」
「っ! 嘘だ! じゃあ、私を閉じこめたのは、その力を押さえるためだったって言うの!? 嘘だよ、嘘ばっかり。私はあの部屋に入ってからおかしくなったんだ。お姉ちゃん、あの部屋の目玉を見たことあるの?!」
気づけば、私は立ち上がって姉を見下ろしていた。怒鳴る私を、しかし姉はしっかりと見据えていた。何故だか、自分の方が小さく見えた。
「やっぱり、見えていたのね。そうかもしれないとは思っていた。フランの力は、あの結界でも押さえきれなかったのよ。力が漏れていた」
「嘘だ嘘だ嘘だ! 押さえて、封じ込めて、それであれだったって言うの? そんなの……っ」
「押さえていなきゃ、フランの自我はとっくに崩壊していた。こうやって話をすることも出来なかったでしょうね。私の判断は間違いだっとは思っていないわ」
その瞬間、私は椅子を蹴飛ばした。派手な音を立てた割に、椅子はその場で倒れただけだった。
姉は、そんな私を見ていた。叱るでも哀れむでもなく、ただ私を見ていた。あまりにも堂々と言うものだから、私は、どうしようもない焦りを感じていたんだ。
「でも! だったら何でそう言ってくれなかったの? 言ってくれたら、そうしたら私は……!」
「言えるわけがないでしょう。フランの力は強力過ぎた。収まる見込みは全く無かった。もう二度と外に出られないなんて、そんなこと、私の口からは言えなかった」
「でも、私は今ここにいるよ? お母さんだって、お母さんはずっとお母さんだったよ。そんな訳の分からない力なんて持ってなかった」
私がそう詰め寄ると、姉は少しだけ顔をしかめる。だが、すぐに元に戻って私の目を見ていた。
「……母さんには父さんがいたから。暗い地下で怯え続ける母さんを、父さんが支えてくれたから。だから母さんは、ついに自分の力に打ち勝つ事が出来たんだ」
「父さんが……?」
「ええ。でも、父さんはもう居ない。私たちを支えてくれる人は、もう居なかったの。だから……」
そう言って姉は、初めて目を逸らす。
私は動揺を隠せない。何から何まで理由があったなんて。姉は私を恨んでいるんだと思っていた。私のせいでマリアも、父も母も。全て失った。きっかけを作った私を、憎んでいるんだと思っていた。それも当然だと諦めていた。
でも、姉には理由があった。私を閉じこめる論理的な理由があった。だったら、私は何を憎めばいいのだろうか。何に怒りをぶつければいいのだろうか。姉が感情で来るなら、私も感情で返すことが出来る。憎しみで来るのなら、憎しみで返すことが出来る。私は、それを失った。
姉は、そのまま深く考え込んでいるようだった。そして、二三度首を横に振った後、何かを決心したのか、また私の方へ向き直った。
「……駄目ね。全部、言い訳」
「え?」
「正直に言うわ。確かに貴女の幽閉には理由があった。でもね、本当はそうじゃない。もっと単純な理由よ。フランの思う、怒りでも憎しみでもない。……それは恐怖。私はあなたが怖かった。面と向かって話すことが出来なかった」
姉は、ゆっくりと、一語々々確かめる様に言葉を紡いだ。それが、私の知る姉とあまりにかけ離れて見えた。
「私はフランを怖れていた。怖くて怖くて仕方がなかった。理由なんて、きっとそれだけなんだわ」
「お姉ちゃん……」
私には分からない。言ってしまえば、私は姉の方が怖かった。でもその姉は私を怖れ、今日までずっと怖れ続けていた。
「お姉ちゃん、教えて。私はあの日、何をしたの? ヴアルを壊したのは私なの? それがお姉ちゃんを、そこまで怯えさせたの?」
私だって薄々は気付いていた。ヴアルは私が壊したって。微かな記憶の中で、私は泣いていた。姉の話が本当なら、私は、その記憶まで壊してしまったのかもしれない。だから姉は、私を怖れたのか。
「そうよ、フラン。ヴアルを壊したのはあなた。私はあなたの力が怖かった。でもね、私が本当に怖かったは、その事じゃないの」
「じゃあ、何が怖かったの?」
「あなたは人形を持っていたわ。私が、母さんの代わりにしていたあの人形を。……バラバラになっていた。それを見て、私は怖くて怖くて溜まらなかった」
……私は考える。姉の人形? 私が壊した? あの時の記憶はあやふやだ。でも、ヴアルを丸ごと壊したんだ。人形くらい壊したのかもしれない。
……いや、違う。そうじゃない。私は覚えている。そうだ、私ははっきり覚えている。あの日、お姉ちゃんは人形を忘れていった。私はそれを手に持っていた。何でこんな大事なことを忘れていたんだろう。その人形は、“私”が壊したんだ。能力なんかじゃない。私は私の意思で、壊したくて壊したんだ。
「怖かったのよ。本当は、フランを閉じこめてからも、何度も会いに行こうと思っていた。でも出来なかった。あの扉の前に立つ度に、壊れた人形を思い出すの。母さんの死んじゃった日を思い出すの。怖かった。怖くて怖くて。私もあんな風になるんじゃないかって、ずっと怖かった」
「違う。私、そんなつもりじゃ……」
違う。そうじゃない。私はただ、悔しかっただけなんだ。姉があの人形を持っていることが。姉があの人形にべったりだった事が。だって私には何もない。その前に母は居なくなってしまった。姉があの人形と一緒にいるのを見る度に、私はずっと悔しかったんだ。だって、まるで姉にだけは、まだ母が生きているみたいで。それが悔しかったんだ。
「違うの。私、私……!」
でも、私は怖くなったんだ。私が人形を壊した。私が姉から、また母を奪ってしまった。それに気が付いて、私は怖くなったんだ。
今はっきりと思い出した。私は、ずっとずっと泣いていたんだ。『ごめんなさい』が黒いものに覆われるまで、光がヴアルを包むまで。私はあの時、後悔で泣いていたんだ。
「ごめんなさい。私、なんて事を……。ごめんなさい、ごめんなさい……!」
「フランは悪くないわ。全部私が弱かったからなの。それに今思えば、私が本当に恐れていたのは、別のものだったのかもしれない」
姉は、そこで一度言葉を区切った。しっかり私を見ている。狼狽する私をよそに、でも、姉はもう迷わなかった。
「私はね。確かにフランを怖れていた。でもね、本当の本当に怖れていたことは、多分そうじゃない。きっと私はね、フランに『大嫌い』って言われることが、怖かったの」
「……」
「会わなければ、フランに会いさえしなければ、『大嫌い』なんて言われなくて済む。だから私はフランを遠ざけた。あなたをまた地下に連れ戻そうとした。私は、逃げたんだ」
そう。
私は逃げました。
ただ怖くて逃げました。
ただ必死で逃げました。
でも私は、本当は――、
「本当は分かっていた! それじゃ駄目なんだって、もう父さんがいないのなら、私が父さんの代わりをしなくちゃいけないんだって! 私が、フランを支えていかなきゃいけないんだって! 本当はずっと気付いていた。でも、どうしても出来なかった!」
そこまで一息に言った姉は、呼吸を荒らしながら、一度目を瞑った。何かを覚悟した顔だ。それから姉は、改まって言うのだ。
「フラン、私は貴女に、まだ伝えなきゃいけない事があるわ」
「……なに?」
姉は深く息を吸った。何かを口に出そうとして、でも何度も躊躇って。そして、
「――ごめんっ!!」
それは、強く短く響いた。
「……お姉ちゃん?」
「本当にごめんっ! もっと、はやく言わなきゃいけなかった! でも、どうやって言えばいいか分からなかった! フランにしてきた事、許してくれとは言わないわ! でも、でもごめんっ!!」
……私は、姉が謝るところは初めて見たかもしれない。姉は意地っ張りで、えらそーで、喧嘩した時だって、いっつも私が謝って。こいつは謝るって言葉を知らないんじゃないかって思ってたりもして。
だから、姉のそれは、ちっとも優しい言い方ではなかったし、むしろ、喚き散らすような、そんな“ごめん”だった。でも、だからきっと、本当の“ごめん”だった。
「お姉ちゃん、教えて。私は出てきてもよかったの? 私の力は収まったの?」
「……ううん。力が消えることは決してない。フランが死ぬまで、それはついて回る。母さんもそうだった。でも、だからって、フランが幸せになっちゃいけない理由はない」
「……そう」
私は、もう分かっている。私の力が罪の象徴ならば、私が罪を感じ続けるならば、私の罪は消えてくれない。私はマリアを忘れることは出来ない。霊夢は私を許してくれたから、私の荷は少しだけ軽くなった。怖かったけど、私は立ち上がることが出来た。でも、私が私である限り、罪が消えることは無いのだ。
過去は過去だ。決して、消えて無くなる事は無い。
「でも、フランは一歩を踏み出したんだよね。だったら、私もフランと一緒に歩くよ」
「……」
私は私に問いかける。私に私の思いがあるのと同じように、姉には姉の思いがあった。それに、意地を張っていたのはお互い様だ。なら、この“ごめん”なら、許してあげてもいいんじゃないだろうか。私が苦しんだ分と同じ年月を、姉も苦しんできたんだ。なら、もう十分だろう? だから私は、
「いいよ。許しあげる」
許してあげる、ことにした。お姉ちゃんは私にとって、やっぱりお姉ちゃんだったら。
「……」
「……」
そうして私たちは言葉を失っていた。互いにかける言葉が見つからなかった。
幽閉の真実を知ることもできた。お姉ちゃんと仲直りする事も出来た。でも、次に進む為には、まだ何かが足りなかった。
「お姉ちゃん」
「フラン」
「……」
「……」
沈黙は続く。姉が何かを口にしようとして、でも止めて。今度は私が口を開こうとして、でも言葉が見つからなくて。そんなことを何度も続けていた。
そして、もう何回目になるか、姉がまた口を開きかけた時だ。
「ねぇ、フラ……」
「フランドール様ぁ! あんまり遅いから、お迎えに来ましたよぉ!」
「……」
「……めーりん」
やって来たのは美鈴だった。事情を理解していない美鈴は、ひどく間の抜けた顔をしている。
「へ? ……あの、何か私、悪いことしちゃいました?」
「うう、めーりんの、めーりんの……、ばかあぁぁぁ!」
「ばかあぁぁぁ! めーりんのばかあぁぁぁ!!」
二人の叫びは、ほぼ同時だった。
「えっ? え、……ええっ? ちょっと、どうしちゃったんですか二人とも?」
「ばかあぁぁぁ! うわあぁぁぁぁぁんん!!」
「うわあぁぁぁぁぁぁん! ばかあぁぁぁぁぁ!!」
そして、涙はあふれた。堰を切ったように、止めどなく流れてきた。
「うわああああああぁぁぁぁんんん! めーりんのばかあぁぁぁぁ!!」
「ばかあぁぁぁぁ! うわあああああぁぁぁぁんんん!」
「うう……。何かよく分かんないけど、ああ、もうほら、泣かない。泣かない。ね? ほら。よーしよーし」
「うわあああああぁぁぁぁんんん!」
「うわあああああぁぁぁぁんんん!」
「……うわーん! もぉー、誰かー! 助けてーー!!」
「うわああぁぁぁぁんんん!」
「うわああぁぁぁぁんんん!」
……誰かと一緒に泣いたのはどれくらいぶりだっただろうか。でもそれは、辛くて泣いたわけじゃない。悲しくて泣いたわけじゃない。もちろん、寂しくて泣いたわけじゃない。でも涙は止まらなかった。溢れて溢れて零れ落ちた。
だからきっと、それは、嬉しくて泣いたんだと思う。一緒に泣いてくれる人がいることが嬉しくて。それがこんなに身近にいることが嬉しくて。だから、泣いたんだと思う。
父さん母さん、それとマリアベル。私はもう大丈夫。もちろん、私たちの前にある道は平坦な道では無い。罪が消えて無くなった訳でもない。忘れるつもりも、もちろん無い。
だけど、私達はきっと大丈夫。泣いたあとはきっと笑顔でいられる。どんな重荷でも、私たちは背負って歩くことが出来る。だって、一緒に泣いてくれる人がこんなにも近くにいるんだから。それを支えてくれる人たちがこんなにも側にいてくれるんだから。
二人の嬉し涙は、まだしばらく続いていた。僅かなカーテンの隙間から木漏れ日が差し込み、そんな私たちを優しく照らす。それは私が欲しかった穏やかな日常。暖かい日常。
窓の外の小鳥が鳴いた。それは東の国の、“東方な日々”のことであった。
お疲れさまでした。読了有難うございます。
それにしても、……日本やりまし(諸事情につき以下削除。天晴れであったと言いたい)
さておき。フランドール編、完結。ここまで来られたのも皆、読者様のお陰です。正直、バランスを考えて謎のまま放置したものが多々あるので、心残りはあるんですが、それでもやって良かったと思います。
それでは次回、橙編……ではなく、もう一本おまけの話があります。いや、フランドール編を含めた紅魔郷編の総集編です。これからが本番です。前座は終わりさ。
なので、また次回会いましょう! では。
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