第2章:オカシイ
弱いってことは・・・悪いことなのかな。
私はいつしかそんなことを考えていた。
そう、貴方も、弱い。私も、弱い。
だって・・・・ね。
嫌なことから逃げるために・・・切るんでしょ?
怖いから、切るんでしょ?
恐ろしいから、切るんでしょ?
―――――――――――――――――――・・・・。
私はいつも自傷行為を猫の所為にしてきた。
「どうしたの?このたくさんの傷。」
友達が私に聞いてきても、
「猫が引っ掻くんだ。爪伸びててさぁ〜やんなっちゃうよねぇ」
にこにこ作り笑いして、影ではザックザク切ってた。
授業中、トーンナイフ(とても鋭い。デザインナイフとも呼ばれる)で手の甲から腕にかけて数cmほど切ってはYシャツに血を吸い取らせて
「鼻血でたんで、保健室行ってきます」と鼻を押さえ、言い訳をしては授業をサボった。
貴方は・・・どうだったの?
「彼女と、別れた」
自分から振ったくせに、泣きそうな顔して、貴方は影でカッターを握り締めてうつむいてた。
ずるいなって、思ってた。ムシが良すぎるよ・・・って。
でも、どこか憎めない貴方が、羨ましかったかもしれない、好意を抱いていたのかもしれない。
貴方に気にかけてほしくて切ったこともあった。
「何、またお前切ったのか。」
そう言って頭をたたいてほしかった。
「何があったか知んないけど、がんばれ」って。
きっと、貴方が好きだったんだ。
だから、貴方の腕に傷がある日は悲しくて、私も切ってしまった。
同じ痛みをわかち合いたくて、自分で切ってたんだと・・・思う。
弱いね、ずるいね。
そんな、私は・・・嫌いですか。
ときどき、貴方に話しかけた
「何したのさ。・・・また、切ったんでしょ。」
と。貴方は私を意地悪そうに睨んで
「うるせーよ、」
そう言って頬を膨らまして視線をそむけてた。
そんな貴方を見てたくて・・・。
今も残る、たくさんの傷跡。
白っぽく線になって、たくさん、たくさん・・・・。
傷口をリストバンドで隠していた時期もあった。
でも、自分で切ったじゃないの、それからも逃げるの?
と、自問自答をしてはリストバンドを剥ぎ取り、投げ捨てた。
貴方も、傷は隠さなかった。
体育のとき、半そでになっても堂々と腕をさらけ出し、笑ってる貴方がすごいと思えた。
羨ましかった、かっこよく感じてた。私は・・・・莫迦。
目を覆いたくなるような傷の多さに驚いたのはつい最近。
まだまだ私はオカシイ。 |