傷からうまれるもの(1/5)縦書き表示RDF


ネタバレを防ぐのと、プライバシーを守るため、
名前を一切だしていません。
(私は本名をベースに名前をつけているので(^_^;))
分かりづらかったらごめんなさい。
傷からうまれるもの
作:露霧 雨音



序章:私の傷


さくっ・・・・

とろり、と血があふれてくる。

「・・・痛い・・・な。」



私がはじめてリストカットしたのは小学校3年生のとき。
はじめはリストカットなんて思っていなかった。
包丁で手を切ってしまっただけだった。
「・・・・血って、こんなのなんだ。」

小さいころから少し普通じゃない私は血にも興味を持っていた。
「・・・・。もう一度、きってみよう。」

さくり。

「・・・・痛いや。」

自分の血が垂れていく。
「・・・・・。」
何も考えられなくなった。
気分が落ち着く。
余計なことは一切忘れて 1 に戻った気がした。


小学校5年生のとき、1つ上の女の子たちにいじめられた。

「調子のってんじゃねぇよ。」
「調子のってなんかないけど。」
「うざい。」
「うざくて結構。」
「きもいんだよ。」
「きもいのはもとから。文句あるんだったら私を生んだ親に言って。」
「・・・・っだから調子乗ってんじゃねえって!」
胸倉をつかまれた。
「怒鳴んないでよ、こわいなぁもう。」
みるみる顔が赤くなる。
「なに?私を殴る気?別にいいけど。」
「うざっ。」
そういって女の子は手を離したが依然として私を睨みつけている。
「くそっ。」
「言葉遣い、悪いなぁ。」
「うるせんだよ!死ね!!」
・・・・いいよ、死んであげる。

「いいよ、じゃ、その目よく見開いて見といて。」
「は?」
私はカッターナイフをポケットから取り出した。
「は?何コイツ。」
私は腕を切った。
こんなやつの前で死ぬなんて屈辱だ。

ザクッ。

ぼたたたっ。

「きゃあああ!!!」
「うわ、コイツ切った!!きった!!!!」
「これぐらいじゃ、死ねないな、ごめんね〜死ねなくて。」
「うええぇっ。」
「ここで吐かないでよ。汚い。」
「うぇええ・・・・」

私は、どこかおかしい。
カッターなどの刃物はいつもお守りとして持っているし
いやなことが続けば普通に切る。

ただ、それだけなんだけどな。
どうして、みんな大騒ぎするのかな。

だって、落ち着くじゃん。


そんな私にも、この自傷行為のことを素直に打ち明けられる友達も、できた。
「きもいよ〜」
「きもくていいも〜ん」
「切るなって。」
「だって・・・・。」
「切るくらいならあたしに相談して楽んなれ!!」

・・・・うれしかった

本当に、うれしかったんだよ。


私は、中学生になって、転校した。
もう、会えない。

励ましてくれた・・・あいつ。
切ったとき、怒ったあの子。
泣きながら切ったとき、一緒に泣いてくれた、あの人。


ほんとに、本当にうれしかった。ありがとう。



でも、次の学校では、そんなにうまくはいかなかった。

陰口はザラ、教科書を隠されたり、うわさを流されたり・・・。



(ここもか・・・。)



本当に、いやだった覚えしかない。
「うざい、みんな消えて。」
誰もいない放課後の教室、つぶやいた覚えがある。


もちろん、切った。
切り裂いた。


ブチブチッ・・・・。

肉を引き裂く。血はあふれる。

場所は・・・・もちろん風呂場。


本当に死のうとして手首に傷をつけたこともあった。


でも、死ねない。

そんな勇気なんか、ないんだと思う。


2年生になった。クラスは変わった。

いじめはおさまり、楽になった。
でも、ストレスがたまったときの癖でよく息を止めて酸欠になった。

そういうときは必死に息をしながらほんの少し腕をきる。
1センチの傷から血が少しずつ出てくる。

「・・・・ふぅ。」
呼吸が落ち着くころには心も落ち着く。

そうやって、今まで過ごしてきた。


でも、変わった。

「え?リスカ?俺もやった。」
「え?」


同じ、


「これ、よく切れるよ。」
「あ、まじ?」
「うん。」


はたから見たり、聞いたりしたらとんでもない「キチガイ」
におもえたんじゃないかな・・・・って今思う。

やっぱり、壊れてる。私の心。

今までも、今も、そしてこれからも。

きっと、治らない。


いやなこと、苦しいこと、にくいこと。
すべては傷跡に、体に戒めとして刻まれる。




あなたも、同じ。



今までも、今も、そして、これからも同じ。

私は
切る=弱い
と思う。

やっぱり逃げでしかない。
自分で自分を傷つけることだけが
楽になれる唯一の方法。



・・・・って思ってた。














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