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13ノ者
作:daigonn



8ノ者・『俳優』


すっかり過疎化した昔栄えていた街。
そんな街に古い劇場があった。


あぁ、あなたを求めようとも求めれない。どうすればあなたは私を見てくれるのか…

いつものように劇の練習をしていた。
私は今回の劇の主人公の役をやることになっているが
うれしくはない。
見にくるひとが少ないからだ。せめて20人くらいはきてほしいものだが…
10人もこないほどにこの劇場は傾いている。
団長が呼び声をした。
私達、俳優は団長のもとへと早足でむかう
『…きみ達にもわかっているだろうが……もう…これ以上…劇をつづけるのは無理だ。いきなりですまないが…今日で…解散だ。』
いきなり告げられみんな動揺して団長に質問しようとしたが団長は怒りそのまま去っていった。
みんな途方にくれ、別れの挨拶もせずに散っていった。
私は自分でいうのもなんだが、優れていた。
それをこのような形にして俳優の道を終わらせるのはいやだった。

都会へ…行くか…

金がないため、各駅停車の安い列車を乗り継ぎ2日ほどたち
やっと都会へついた。
都会は広く、空気は濁り、熱気に包まれている
季節は秋入りなのになぜこんな暑いんだ。

なんだか、はじめて都会にきたのにはじめてじゃない気がする
デジャヴ…?

いや…確かにきたことがある…ような…

俳優は頭を抱えた。
ふと、思い出したように自分の顔をさすった。

その瞬間、まわりが暗黒に包まれた。
鐘の音とともに、青い蝶が舞い踊りはじめた。
なんなんだ…?

『…やっと会えたわね…けど…記憶がないみたいね…残念だわ』

その声が聞こえると元の都会の景色へともどった
私は昔事故にあい記憶はない。
だがひどい事故だったらしく死んだ親の日記にかいてあった。
今でも片目には虎に引っかかれたような傷跡が蚯蚓腫れで残っている。
ただ何の事故かは不明だ。
そんな事を考えながら街中を歩いていると一人の男が話しかけてきた。
『おい、そこの顔に傷ついてる兄ちゃんよ、仕事に困ってんじゃないんか?もしそうならわしの話きかないかね?』
その男はスーツをきていて
目は白くなっており目は見えないみたいだった。
なのになぜ私の傷がわかるんだ?
近づいて話を聞いてみる事にした。
『おう、来てくれた。わしは東西大学で教授をしている莉庵と言うん、まわりからは莉庵博士と呼ばれておる。』
どうもお偉い人らしい。どんな仕事だろうか
『西の果てにある国にいるえーっとメラリーバストウっていう奴がつくる奇妙な絵の具をもってきてほしんじゃ、どうも絵が動くだとか…それを解明したくてね。旅費は出すからいってきてくれんかね?もちろん報酬も出そうじゃないか希望により札以外に仕事を探してやってもいいだろう。どうだ?いい契約じゃろ?』
少し迷ったが悪い契約ではないと思い引き受けた。
期限は無期限といい、有名旅行会社のフリーパスポートをくれた。
こんなものをポンとくれるなんてすごい人だなと改めても思った。
これは使えば色々できる…
そう思ったがちゃんとその…西の果てにある国へ行こうと思った。
国名をきいてないが、多分なんとかなるだろう。

空港にむかう列車にのり景色を見ていた。

都会は何かに取り付かれたような光のない目をした人が行きかっていた。
希望はなく、ただ、操られるがままに動いてる人形の群れだった。
唯一、求めているといえば金、権力、名誉、この3つだろうか。
いて、息が詰まりそうになる。
なぜだろう、自分は、俳優だ。
だけど自分が行きたいとおもっていた都会より
過疎化したあの小さい街の劇場のほうがよかった気がする
一番の自分の舞台だった気がする。
だが、出てしまったものはしょうがないし
劇場はもう存在しない。
今はあの教授からのお使いをこなすのみだ。
広い世界だが、その絵の具というのは見つけだしてやる
飛行機にのり下を見てみた。
街が雲の間からチラチラみえている。
都会には戻りたくないとはおもった。

そう決意してからもう16年たった。
旅先で様々なものを見て学ぶ事も多かった。
だが、肝心の絵の具というのは西へ西へむかっても
メラリーバストウという人物は見つからない
唯一わかった事は、この人は高等な魔術師という事だ。
魔術師だなんて…魔法使いって事だが、そんなのが本当に実在するのか
疑いつつもこうのように旅をする事も楽しみみたいになってきていた。

そんな中、南イタリアにいるときだった。
白い建物に青い空…
そこにここには似つかわしくない黒いタキシードをきている男がタバコをすっていた。
『…そこの人……旅をしているのか。いいじゃないか、それに勘だとあなたは世界各国をまわっているんだろう…?』
私はなぜわかったのか疑問だったが関わりにくそうな人物である事はわかっている。
『そう怖がらないでくれ。あなたの輝かしい瞳を見るとね。今まで長い旅をしていたのがわかるのさ。どうだい?俺が加入している組織にこないか?』
断ろうとしたが一方的に話をすすめはじめた。
『SimeliaFamilyっていうんだ。かっこいい名前だろ?色々な人が集まっていてね。様々な研究をしたり情報収集する事が仕事の組織なんだ。あなたのような経験豊富な人をちょうど探していてここで休憩していたんだ。』
情報収集という言葉に引っかかった。
もしかしたらメラリーバストウの行方がわかるかもしれない…
少しのあいだならということで組織に入る事を承諾した。

それから組織内で様々な情報収集をした。
魔術師で調べると膨大な資料が送られてくる
それを毎日、毎日、読んでいく。
そんな事をしているうちに組織に加入して10年程たとうとしていた。
日本から出てもう26年という事だ。
私は魔術師関連の情報収集をしただけなのにそれのすばやさから部下が集まっていきいつのまにか組織の重臣となっていた。

魔術師関連の資料はすべて歴史に関する事で現在のことはでてこない。

…!

だが、そんな資料の中に興味深いものを発見した。
ヨーロッパにローゼンクロイツという集団がありはるか昔に滅んだが、実は滅んでいなくヨーロッパ近海に離島がありそこに住んでいるんではないかと言われている
なお、その離島は海は大量の渦潮、上空は激しい強風で飛行機が墜落するという誰もいったことがない…というものだった。

…はずれかもわからないが行く価値はある。

部下に命令をして最新型の軍事戦闘機を用意させそれに乗り島を目指した。
この戦闘機は風の抵抗をおさえよほどの強風でなければ落下などしない
グラグラ揺れていて心配だったが、なんとか離島に着陸する事ができた。
島に着陸してもすごい風で立てないほどだった。
なんとか一歩一歩踏み出していき長い道を歩いていた。
いつのまにか風はやみ、目の前に巨大な城壁がある。
あの情報は本当だったんだ…!ついてきた部下達も驚きを隠せないようだ。
だが肝心のメラリーバストウはどこにいるんだ?
部下とともに森などを探索しはじめた。
島は見かけよりも随分と広く3週間程探索してやっとメラリーバストウと名乗るおじいさんにあった。
深い森の小高い丘の上の小屋に住んでいるそのおじいさんはローブをきていて怪しげな人物だった。
絵の具を事を早速きくとムッとした顔つきでこっちをむいた。
『ああ、確かにあるよ。わしのみが作れる。大罪を犯さねば作れぬ品よ。それがほしいのか?』
もってきたカバンを取り出し、カバンにあふれんばかりとはいっている金貨を見せた。
『…金貨などいらんな。いくらでも作り出せるからな。せっかくだから作り出せない東洋から得れるときいた霊石をもってきてほしい。そうすれば絵の具を差し上げようぞ。』
取引を受けてアジア地区の部下達に連絡をし急速に調べさせた。
流石、この組織、すぐに霊石はみつかった。
島まで霊石を届けにきてくれた。
メラリーバストウに改めて会いにいくと絵の具をくれた。
いつも無愛想な顔をしているがこの石が手に入った事がうれしいのか半ば喜びの顔をしている。
自分も絵の具がやっと手に入った事に喜びお礼を言わずに去ってしまった。
もう日本から出て30年たった。やっと!
やっと!
手に入った!!
教授に届けれるぞ!!
喜んで日本へと帰っていった。
都会は以前よりも活気を増し、空気はより汚れ
人々は光の線のように動いていた。
東西大学へ行き、受付で莉庵教授に会えないか聞いた。
だが、そこで聞いた言葉は衝撃的…いや当たり前だったのかもしれない
『あー…莉庵教授は10年前にここをやめられて今は行方不明状態で我が大学ではわかりかねます。』
それはそうだ…当時でもう見るからに歳だった莉庵教授は30年間も大学にいるわけない
いや、生きているかもわからない。
途方にくれて都内を歩いていると一人、時から外れている人物がいた。
その人は、絵描きで路上で絵をうってるみたいだ。
その絵を見るとどれもきれいで
特にひかれたのは、青い薔薇をもったドレスを着た女性と青い蝶が描かれている絵だ。
…?
なぜこれにひかれるんだろう。
きれいはきれいだが…どこかで見た気がする…。
とりあえず買おうと思い絵描きに話しかけるとぼーっとしていたようで絵を買うといった時、無料でいいからと泣いて喜んでいた。絵を買う人が久しぶりなのだろうか?それならと思い、懐にちょうどあった札束の入った封筒を渡した。
そのまま早足で逃げるように帰った。
絵を再び見た。
するとまわりが暗黒に包まれていくのを感じた。
…!
都会に来た時に感じたのと同じ…!
すると今度もおなじように青い蝶が舞い踊りはじめた。
そこに現れたのは青い薔薇をもっているドレスを着た女性だった。
あの絵と同じ…!
知的な目をしていて、髪はきれいに束ねている。
『大分、思い出してくれてきたようね?我の名前を言えばきっとすべてを思い出す…。』
…!
『Alemo・Glolyアレモ・グローリー…。』
その女性が名前を口にした瞬間、頭に様々な記録が滝のように流れ込んだ
一気にすべてが見え、一気に頭が回転し、一気に思い出した。

アレモ…よみがえったのか…

『やっと…思い出してくれた。あなたは蘇生技術の実験台として使われ、それで近十という名になり、よみがえったのよ。一回あなたは老衰したの、だけれど私に願いが通じたのね…蘇生技術が成功して生き返った。だけれど、昔の記憶がなくなって私の事を忘れてしまった…だけどもうわかるわよね…うれしい…』

ああ!思い出したさ!すべてをッ!今までのすべてをッ!アレモをよみがえらせるために作った組織のことも!すべてをッ!!さあ!アレモ!!俺の所に来い!!一緒にまた談義をして楽しい時間を過ごそうじゃないか!!!

『…だめなの…我はまだ…黄泉の世界の入口にいるの…あなたを誘える事は成功した…けれど…まだ…現実には戻れないの…あなたは戻れるわ…』

じゃあ…また一人で帰れというのか……だが、黄泉の世界の入口にいるならば!もう少しでアレモをよみがえらせれる!!!まっていろ!必ずや!よみがえらせる!!!

『その日を、待ち続けます…例え、100年…200年たとうが…ここで…待ち続けます。』

その瞬間、まわりの暗黒は解けアレモは消えた。


次の日、また都会を歩いていた。だがあの時と違い、顔は笑顔の仮面を被り。
すべてを思い出すきっかけを作ってくれた絵描きのもとへといき。
改めて御礼をいった。
そして例の絵の具をお礼に渡した。
お金は返してもらったがあの絵の具があればきっと素晴らしい絵がかけるだろう。
ああ……前の自分とは違う…今は近十なのだ。
だが、アレモをよみがえらせるために、腐った組織を叩きなおさねば…。
真を見せてやる。

闇より見える力で真なる事を見つけ出すッ!
アレモをよみがえらせるために踊るこの人生!!
見事な演技ぶりだろう!!
滑稽なる道化師は今宵も踊るのだ!!!
見ていろ!!黄泉の番人!!!貴様を倒してみせるわ!!!!


よみがえった記憶は、鮮明で、彼を強化させた。
彼は永遠に求め続ける
愛する人を。






8ノ者・俳優『完』












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