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13ノ者
作:daigonn



4ノ者・『老夫婦』


都内の静かな住宅街
古風なそこそこ大きい家があった
そこに今年で80を迎える老夫婦が住んでいる


おじいさんとおばあさんは縁側で庭を見ながらお茶を飲んでいた。
「おじいさん、今日もいい天気ですね…」
「そうだな、ばあさん。」
二人は笑みをこぼしながら幸せそうに雑談をしています。
見ているだけで心が満たされていく…そんな光景…。
ジリリリ…
その時、電話がその幸せそうな時間を引き裂くように鳴り響いた。
おじいさんはたって電話をとりました。
『…SimeliaFamilyの近十です。会長、定例会議がございます。』
おじいさんは険悪な顔をした。
『いつもの場所でお待ちしております。』
電話は一方的にものをいわれて切れた。
おじいさんはおばあさんに出かけてくると一言いって
自分の部屋に行き、黒いベレー帽と黒いマントをコッソリ着て
外へでていった。
このおじいさんは、とても優しいということで町内ではとても有名。
だけど今の顔は恐ろしい近づくなと言わんばかりの怖い顔をして歩いていた。

しばらく歩くと自分の前に黒塗りの車が音もせずにゆっくりと止まった。
運転席から笑みを浮かべている男がおりてきて扉を開けてくれた。
こいつはSimeliaFamilyの幹部で近十という奴だ。
中に乗り無言で車が発進しはじめた。
車の揺れがゆりかごのように心地よく
…自分はゆるやかに眠りに落ちていった。

夢を見ている。これは昔の、本当に昔の記憶

自分がまだ6歳の頃。
中国の山奥にある貧乏な村に住んでいた。
両親は痩せ細り、自分に食べさせる食料を入手するのがやっとだった。
ある日、村で疫病が流行り始めた。
だが、村が貧乏で国からの支給などもなく
死人がでるばかりで苦しんでいた。
両親は病気にかかっても自分のために働きつづけた。
その時の自分を殴ってやりたい気分だった
なぜ手伝わなかった。なぜ、無知だったのだ。
そんな中、両親は寝たまま、目を開けなくなってしまった。
当時は死というものが理解できず起きるのを待ち
お腹がすいたと両親をゆすって起こそうとしていた
このいやしい奴め!なぜ…なぜあの時はそんな事をしていたんだ。
最後くらい…楽して死なせてあげたかった…
当時の自分を呪う…なぜ…タスケレナカッタ。
自分が親に食事を求めている所を滑稽そうに見ている男がいた。
その男は身なりがきちっとしていてこの村の人ではないようだ。
『ぼうや…きみの両親はもう動かないよ。壊れちゃったんだ。』
壊れたというものが理解できないが動かないというものは理解できた。
『私のところへ来ないかな?食べ物だったらなんでもあるし、色々な玩具だってある。きれいな空気にきれいなお部屋。こんなところよりずっといいところだよ?』
自分はそれに誘われついていった。
なんでそんな悪魔のような誘いについていったのか、なんでこうも馬鹿なのか
その男の家は豪邸で男は使用人達に自分の世話を任せ、何もコミュニケーションはなかった。
だが、15歳の誕生日のときにはじめてといってもいいくらいに男は自分にむかい口を聞いた。
『なあ、ボウズ、お前はもう一人前だ。私のSimeliaFamilyの後継者にならないか?』
なんでも、さまざまな事を手広くやる組織らしい
だが、そんな怪しい組織を継ぎたくはなかった。
だが馬鹿な私は次の一言で継ぐことにきめた。
『…常人じゃできないような事が…この組織に入ればできるぞ?』
なんて馬鹿なんだこんな誘い文句にまんまと乗ったなんて…
あぁ!愚かだ!愚かすぎる!
それから自分は国から得たプールでパイプを作りうまく流し込むなど
怪しい事ばかりをやらされた。
だが、当時はそれがおもしろく暴れまくり警察を脅し、絶大な権力も持ち
SimeliaFamilyを世界規模に発展させ誰もが言う最強の組織となった。
何もせずとも金は入り、毎日遊んで暮らしていた
その時がわずか25歳、感覚ではもう100年以上生きている気分だった。
それでふと思いついた両親の過去
久しぶりに村のほうにいってみたいとおもった。
村はあの後、自然に病気はなくなり今でも存在するらしいから
懐かしい思いで車を走らせむかっていった。
山中で今、国でトップであろう大企業のトラックがとめてあった。
トラックに人はいなく、中には大量の食料などがはいっている。
…あの時、こうゆう企業などが村に寄付などをしてくれれば…
両親などもしななかった…
若い自分はそれに怒りを感じ、トラックを崖へと突き落とした。
ざまあ見ろ…そうゆう気分で村に行くのはとりやめにし、家に帰っていった。
次の日だった。この日、私の歯車は大きく動いた。
テレビを見ている時だった。
『山中で○○企業の運用トラックが崖から突き落とされているのが発見されました。』
…自分がおこした事件だ。だが、別にそんなのは気にしない
『なお、このトラックは山奥にある○○村へのワクチンなどの輸送物が入っており今回のトラックの事故により村で流行っている疫病がより流行り、村の半数の人が死に至ると考えられています。この事故は人為的にやられた可能性もあると見て現在国が調査…』
…耳を疑ったが、確かに今、「村に届ける品」といった。
それで半数の人が死ぬといった。
自分のせいで…?昔の自分と同じような奴が村にいるとおもうのに…
それを知っていて……いや…自分は悪くな…いや…悪い、自分が悪い
なぜ、なぜあんな事をしたんだ、なぜだ、なぜだ、なぜだ
ナゼ、アンナコトヲシタンダ。
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
そう言い、頭を抱えて床に頭を何度も叩きつけた。
誰も自分に悪いことをした。などと言ってくれず、自分は痛めつけた。
罪の許しがほしかった。
『…ほぉ…あの事件、お前がやったのか…くくくっおもしろい事するじゃないか、これくらいでへこたれるほど精神が弱いか?もう少し冷酷になれ。』
ちょうど部屋に入ってきた男はそう言った。
これほど心に突き刺さる言葉はなかった。
罪滅ぼしにとおもい、村へと車でいった。
村は色とりどりの布でまかれた遺体が地面に何体も転がされており、白い厳重な服をきた作業員が家の中などをあさくって消毒をしている。
無表情で、それを眺めていた。
自分のせいで…そう思った時、一人の女医が声をかけてきた。
『こんな場所にいたら危ないですよ。』
医師だったら誰でも言うことだろう。
だけど、今の自分にとって
こんな腐った奴に気遣いしてくれるのか…
そう思い、その場で号泣してしまった。
女医はなにかあったのだろうと察したらしく
泣く自分を慰め、話を聞いてくれた。
すると女医はこういった。
『大丈夫、あなたは確かに取り返しのつかない事をしたけれど、その罪を滅ぼせばいい、それの倍に善をつくしていけば、神だってあなたを咎めたりしないでしょう。』
神々しさを感じた。はじめてといってもいいほど
やさしさを感じた。
それからその女医とは頻繁に会うようになりさまざまな事を話した。
彼女といるときはいつも楽しく、汚い組織の事などは忘れれた。
ずっと一緒にいたいと思った自分は彼女と結婚をし今でも幸せに暮らしている。

ガタン!
車の大きい揺れで夢からさめた。
仮眠でも長く寝すぎると体が重くなってしまう…
とくに歳だからな…
近十の運転する車は山奥に突如現れたきれいな装飾がされている鉄の門を通り
広大な庭の中を抜けている。
きれいにカットされた木々を抜け
しばらく走るとこれだけ集めるには何千万もしただろう、芝生の敷き詰められたきれいな開けた場所にでた。さらに車は進み小川を抜け巨大な洋館の前でゆっくり止まった。
洋館の前には噴水があり、純白の石像が何個も置いてある
そこを徒歩で抜けていき、大理石の柱がある巨大な扉に入っていった。
中はホールで中央に階段があり下には赤い絨毯がしかれている。
何回来ても悪趣味な館だ。
こんなところがSimeliaFamilyの本部だ。
階段をあがり『会議室』とかかれた重々しい扉を近十が開けた。
中は長机と豪華な椅子がならんでおり自分と同じ黒い服装をしている者達が座っている。
煙草の煙が天井付近にたまっていて空気はどんよりしていた。
話している内容もおだやかじゃないから余計、空気が悪い。
一番奥の一番豪華な椅子に議員バッジをつけている初老の男がいる。
近十が進行役みたいだ。
『会長様もご到着されました。今回のPLANについてお話したいと思います。ここにいる方は山本先生です。PLANをお作りになられた方です。内容のほうは先生のほうから言ってもらいたいと思います。』
ごほん、一回咳をするとその山本は話しはじめた。
『どうもぉ。会長さん、あなたが一番の古株だとお聞きしてあなたの耳にもいれてもらったほうがいいと思いましてねぇ…こんなながーい時間まっていたのですよ!がっはははは!』
言葉遣いからしてあきらかに汚らしい男ということはわかった。
この汚い組織とは早く縁を切りたいのだが何度切ろうとしても切れない。
入ったら一生逃げ出せないのかもしれない。
『それでですな、今回頼みたい事というのは、石之派閥を壊してほしいのです。私の派閥が次に序列されるのがですねぇ…相手が手ごわくて…がっはははは!それで頼んだということです!がっははは!』
石之派閥…?それは石之総理の派閥じゃないか…
『それで、ですな、私が考えた事は…都内で大きい事故をおこしてみるのです。そうすれば多大なる損害で責任追及の結果、派閥もろども壊れてしまうだろうと…がっはははは!我ながらいい案でしょう!がっははははは!』
そんな事だろうと思った…まったくなんでこうも頂点にいきたいんだ。
『おおお、会長さんそんな険悪そうな顔しないでくださいよぅっ!こちらだってちゃーんとできるかぎりサポートしますよぅ…会長さんが時間と!汗と!お金と!信頼を注ぎ込んだ組織を潰すなんて事しません!がっははは!私の裏を見なさい!』
みんな注目して裏を見ると、少しあいている大きいアタッシュケースが10以上置いてあり、中から整列された札束が顔を見せ、それよりも目に入るのは隣の小さい鉄の机の上にある100kg以上あるであろう、巨大な金塊が何個か置かれている。
さらにその上には札束かとおもったが0が何個もついている小切手が札束のように結ばれて置かれている。
『もし、組織が破綻しかけてもこれだけあれば復興できるでしょう!がっははは!!』
アタッシュケースは1箱大体、1億だろう、それが100箱という所だろうか
なによりも金塊は現在値上がりして全部まとめて200億くらいだろう軽く計算して…
その金塊の上の小切手は1枚1億ってところで300枚ほどあるだろうか。
すべての金の出所は不明だがきっと危ない所からの金だろう。
まったく、汚らしい奴だ…
『うん〜?どうかされましたかな?これじゃ足りませんかな?後、アタッシュケース200箱くらいだったら用意できますよぅ?がっはははははは!!』
…こんな奴とは関わりたくない。
勢いよく席をたちこの汚い会議室から出て車を運転し家に戻っていった。
近十が呼び止める声が聞こえたが無視して帰っていった。
家につき、玄関に入ると自分の大好きな里芋の煮っ転がしのにおいがしている
ばあさんが夕食を作っているみたいだ。
急いでいつもの着物に着替えて食卓のほうへと足をはこんだ。
『おかえりなさい、ふふふ、おいしいご飯作ってますよ。』
自分も棚からお皿などを出し、一緒にご飯作りを手伝った。
いつになっても自分は料理が下手でばあさんに笑われぱなしだった。
こうゆう一緒に料理を作ったりするひと時が一番恵まれていると感じる時…
二人でおいしく作った食事…
食べようと机におかずなどを乗せている時にまた…
ジリリリリ…
この幸せを引き裂くようにまたも電話がなった。
『近十です。先程は不快な思いをさせてしまったようですいません。先方も少しふざけすぎたと後悔されています。お気分のほうはなおりましたでしょうか?』
…ここで気分を悪くすると後で色々面倒だ。
なおったと言い返すといつもの場所にきてくださいと言われた。
…なんでこうも邪魔者が多いんだ。
ばあさんに用事がまたできたからと言い指定されている近くの公民館へ歩いていった。
近十いがいに4人の幹部がいる。
『こんばんは、会長。今回のPLANの内容について少しお伝えしたいことがあるのです。』
聞きたくないがとりあえず聞いてみることにする。
『今回のPLANでJOKERは小説好きの会長ならご存知でしょう、』
胸ポケットから1枚の写真を取り出した。
これは最近テレビなど色々な所でみかける波にのっている有名な作家だ。
『この人は物語をこの世に実現させることが夢なようです。今回それを利用して石之派閥破壊を遂行したいとおもいます。方法というのは都内の街などを大規模な人為的地震などで陥没させ大きな被害を出しますそれで新任で若い石之総理は経験が豊富じゃないためきっと派閥は徐々に崩壊していき、最終的には責任追及がおき石之総理は辞任に追い込まれることでしょう。そうすれば派閥は完全的に権力を失い山本派閥が頂点に行くという訳です。』
いつもながらすごいことをやらかすな、この組織。
年寄りはついていけないほど今の技術は発達してるからな…
この汚らしい事は毎度ならがそうだ。
人の命を依頼されれば簡単に取り払う事ができる。
今回は万にたっするだろう、命を奪うのだろう。
毎度、そうかかわってなくてもこうゆう話をされると胸が痛む
『決行は今すぐとなります。』
見せてもらった地図だと先日できたタワーを中心に半径9kmの範囲を陥没させるらしい
自分の家ははるか遠くにあるので大丈夫だろう。
ここにいるひとは何も罪がないのに一人のエゴのせいで殺されてしまう…
こんな悲しい事はない…
カウントをするとすごい地響きとともに遠くでビルが炎上し地面に食い込んでいってる
次は近十がもっているボタンを押すとまた地響きがし爆発音が炸裂した。
あれ…なんだかすごい近くも爆発しなかったか…?
あそこは…自分の家!!!!
近十たちを押しのけて走って自分の家の前にきた。
家は炎上しており半分が陥没しかけている。
ばあさん!!!!!
中に入り部屋中探すと居間のところで棚の下敷きになっているばあさんを発見した。
必死に呼びかけた。するとばあさんは少し目をあけ吐血をしながら必死に自分にこんな自分に言葉を残した。
『…あなたともっと…一緒にいたかった…もっと話したかった………けど、あなたが助かって…よかった………。』
するとみるみるばあさんの体は冷たくなっていき自分の腕の中で動かなくなった。
『サプライズですよ。会長…。』
悲しみにひたるなかその無慈悲な…いや無関心という感じの言葉がかけられた。
裏を振り返るとそこには近十がいつもの笑顔をうかべてその言葉を口にしていた。
言い返す言葉がなかった。
『あなたのような古株はもう必要ないのですよ。』
そう言い、滑稽なものでも見るかのように大声で笑いながら部屋を後にした。
その笑い声は響きわたっていた。

近十はふつうに動けた。

だが残りの3人のついてきた幹部達はその場で顔を硬直させ冷や汗をたらたらと流し目を見開いている。
気がついたのだろう、この年寄りとは思えない、いや人間とは思えない
禍々しい殺気に。
そこにいる老人は目を血管がきれるんじゃないかというくらいに見開き
爪をさかたて床の畳をガリガリとひっかいている。
爪は砕け畳に真っ赤な化粧がされていた。
『この…糞餓鬼がッ…!腐った野郎どもが…よくも…ッよくも…ッ!貴様らをッ引き裂いてッ骨を…しゃぶりつくしてくれるわぁああああああああああッ!!!!!』
髪はぼさぼさになり、目からは血の涙をたらし人間とは思えないそいつは部屋の家具を荒らしまくり押入れにあるライフルを取り出しその場にいた幹部3人を問い詰めた。
『貴様らも聞いていたのかッ!白状しろッ!!』
その空気に負けて若い幹部らは床に骨がなくなったかのように腰をおろした。
『白状しやがれええええええええええええええええええええええ!!!』
そう言いもっているライフルで3人の幹部を撃ち殺した。
そのまま、徒歩で老人は歩いていき作家がいるマンションへと乗り込んだ。
家に殴りこみ作家をまたも撃ち殺した。
作家は何も言わずに床に倒れこんだ。
作家はもうこの世にはいないのにその老人は血の涙を流しながら作家の胸倉をつかみ殴り、怒鳴り、殴り、怒鳴りを繰返す。
作家に怒りをぶつけている時に近十があらわれた。
『…滑稽ですね。いつも冷静であられる会長が、こんなにも簡単にコワレテシマウナンテ。』
近十に向けて拳銃をむけた。
だが近十は馬鹿ではない、腕に隠しもっていたナイフ数本をダーツのように投げ
老人の急所に命中させた。
『楽しめましたよ。会長。またお会いできる日があればかと思います。ふっふっふふふふふふふあはははははあははははっはっははは!!!』
近十はそのまま空気のように消えた。
ナイフで体を貫かれてる老人はその激痛により正気に戻った。
それで老人は激痛にたえながら家まで歩いていった。
おばあさんの倒れているところで老人はばたりと倒れた。


…痛い…だが、よかった。
やっと止まった…。
死ぬのはもうわかっている…
だが、この安堵感はなんなんだろう。
これでやっとSimeliaFamilyと離れれる。
暴走も止めれる…

ばあさん、すまない。
ばあさんは天国に行けるだろうが自分は地獄だ。
あの世でも…一緒がよかったな……
ばあさん、あなたに会えて本当によかった。

自分は胸に刺さっているナイフを抜き
もう1度今度は深くナイフを抱きしめるようにして
ばあさん、さようなら…。
また、会えるかな…
『会えますよ。あなたは悪くない。だから、天国で会えますよ。』
ばあさん…ありがとう。
じゃあ今から…行くな


その後、発見された老夫婦の遺体はお互い、穏やかな顔をしていた。









4ノ者・老夫婦『完』












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