1ノ者・『魔術師』
王国からはなれた森の中にある小屋での出来事。
『ナゼ、家ゾクをステタ?』
…昔の話だ。
ただ足止めになりそうだからだ。
『ジャアナぜ国をステた?』
…昔のことだ……。
…王国が気に入らなかったから…。
『サびしインダろ?』
だまれ!!!
魔術師は机においてある土人形に薬品をぶちまけた。
『ゴンナゴドジデモ。何モガワラナイ。』
…なぜ何回もくりかえしてるのにうまくいかないんだ…。
魔術師はさびしかった。
だから土人形を動かし、しゃべってさびしさを減らそうと思っていた。
だが、一番言われたくないことばかり言ってくる。
魔術師はイライラしていた。
ジリリリリ…
ドアベルがなっている。
だが今は出たいという気分じゃない。
『王国一級魔導機関からの通達です。あなたがここにいるということはわかっています。』
こんな時に一番きてほしくないやつがドアのむこうにいるようだ。
しばらく無言でいることにした。
『…いることはわかっているのですが今日の所は帰りましょう。』
やっと帰った…。
ジリリリリ…
またドアベルがなった。
いやになってきた。
『あの…近十です。頼まれたものをもってきました。』
あ、そいえば頼んだな。
対応がはやいな。
ドアをあけてあげるとさっきの笑顔をうかべ顔半分に傷がある男がいた。
『これが頼まれたものですね?』
ポケットから光っている青い石を取り出した。
おお…明らかにそれこそがそうだ!
机の上に置くと、魔術師も約束の品を渡すことにした。
懐から銘柄のかいてない絵の具数個をとりだし手渡した。
すると飛び跳ねるようにして帰っていってしまった。
笑ってるのに無愛想で礼儀のないやつだ。
まあ、いいさっきもらった石で…。
魔術師は本棚から分厚い本と、金の杭など様々な物を取り出してきた。
大きな釜をドンと置くと魔術師は火をつけ
近十からもらった石と薬草など様々な物をいれていった。
魔術師が解読できない言葉を唱えはじめるとあたりは紫色の煙に包まれ
鼻をつく激しい異臭がしはじめた。
魔術師が釜を覗き込みその言葉を唱えていたその時。
バチンッ!
何か電気が走る音がした。
魔術師は床に倒れた。
裏には黒い影がたくさんみえる。
誰かはわからないだが1つだけわかっている事がある。
…私は死ぬ…。
…
『ニンムカンリョウ。』
それから何年かたち小屋は壊され孤独な魔術師は忘れ去られて
小屋もろども消えた。
1ノ者・『魔術師』おわり |