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13ノ者
作:daigonn



10ノ者・『博士』


人里離れた山奥に3階建ての地下2階という本格的な洋館があった。
そこに一人の天才が住んでいた。


…うむ。
…近十という男は…どっかで見たことあると思ったがやはり…。
SimeliaFamilyの創設者だったか…。
…。
まさか、蘇生実験が成功するなんて思ってなかったからな…。
わしが遺体を買い取ったが…。
もし…わしがあんな怖い創設者の体をいじくっただなんて知られたら…。
どんな目にあうか…。
ああ!知らなければよかった!ならばこんな不安にならないですむ…


=20年前=
SimeliaFamily創設者が倒れたという情報を得た莉庵博士は主治医である自分が面倒を見る事になった。
意識不明で目覚めそうにない。
もう老衰に近いだろう
そこで博士は悪意の塊といわれていた常人をこえた悪意をもっているその創設者の脳に興味を示し創設者を殺害し、研究所の部下達と共に遺体を解剖した。
とても残忍なその手口だが、その時は知的興奮で博士は満ちていた。
脳の形状は確かに異なり、とてもおもしろい形をしている。
その脳はツルツルで天才脳といわれる形の脳だった。
だがそれだけでは博士は飽き足らず、実験中だった不老不死実験と蘇生実験を行ってみる事にした。
人工の血液を流し込み、脳の思考回路を改造し、まるでロボットを作成するかのように実験はすすんでいった。
後一歩で実験が成功するかもしれない…
だが、実験は失敗してしまった。
どうしよう…。
そう思った矢先に、SimeliaFamilyのほうから創設者様のお見舞いにいきたいと電話がかかった。
あせった。私はあせった。
なにせ、創設者は、死んでいるのだから…。
殺したなどといったらただじゃすまない
見るからにこの遺体をみれば殺害などとしか思えないだろう
どうすればいいか迷った博士は目覚める事は多分ないが1%ほどの確率で目覚めるかもしれないだが人にあわせることはできない。
そう言うと組織は承諾してくれた。
だが、ずっとここにおいておくのも気味が悪く
遺体貯蔵庫にいれるほどこの老人は体がもろいだろう
後先考えずに行ったこの大罪はそうぬぐえるものじゃない

遺体を捨てよう

山奥の深い谷へと遺体を投げ捨てれば…?
だがSimeliaFamilyは情報収集、情報処理などすべてにかんしてパーフェクトな組織…
これではたして見つからないといえるのだろうか。
例え燃やしてもあの組織のことだすぐに嗅ぎ付けそうだ。

そうだ。

顔がいけないんだ。
顔をかえてしまおう
完全的に整形手術をし、顔の形、体系をかえ脳の内部もいじくり見事にかえた。
ただ一番特徴的な顔半分にある傷跡は神経に入り込んでおり無理だとわかりある程度傷跡を消しあきらめた。
これで完璧…。
生きてはいないため皮膚を健全にさせるのは無理だ。
そこも配慮し、特注のノリなどを駆使し工作のように体を作成した。
それで部下達に命令をし、登山服をきせあたかも遭難したかのように深い山奥の谷に突き落とした。



だから完全に死んだはず。
いやもう死んでいた。実験は失敗したんだ。
だが、近十という名で今、生きている。
だが前の記憶はきえている…そうおもったが強大な悪意をもっているらしく
創設者と容姿はことなるがほとんど同一人物らしい。
ということは…人格がうつされ…

わしが殺した事も記憶にあるのか?

…覚えていそうで怖い…あの罪は……到底、拭えない。
悲鳴をあげたくなる。
頭をボリボリとかいていた。



『莉庵博士。何をそんなに怯えているのですか?』



その声を聞いた瞬間、首筋から血が凍ってジャリジャリした不快なシャーベーットになっていく…。
振り向く事すらできない。
だが…声は覚えている…。

近十…。

『…あなたが私を生き返らせたのですね。憎みませんよ。むしろ感謝します。まだ生きれるのですから、博士も生命維持装置をつけているため130年も生きていられるのでしょう。』

確かにそうだ。わしの背中には機械がついており血液を浄化し体内に送り出して第2の心臓みたいなものがある。それを5つほどつけており心臓が6つあると同じ事だ。
病気は万病治療薬で治療し、この世に生き続けている。

『約束の品と個人的なプレゼントをもってきたのですよ。』

約束の品…?

『お忘れですか?絵の具です。』

ああ…そうだった。
『長らく待たせました。40年ほど待たせましたね。それでもう1つは私からの個人的なプレゼントです。』

なんだろう。

黒色の包装紙できれいな赤いリボンで結んである箱。

あけてみよう。


!!!!!!!!!!!!


中には…大量の磁石。
私の生命維持装置を狂わす…磁石。

『あなたはよくがんばりました。あの世に先に行かれててください。』

ドクン!
という激しい音がすると体中が冷めてきてぼーっとしてきた。
足がひどく痛くなり、冷めた血液が集まっていくのがわかる。
そのまま……

『おつかれさまでした。心より感謝申し上げます。』

…近十…これが…オマエの…ヤリカタ…カ。

『人を安心させて、最後には不意を撃つ…ですか?私に蘇生技術の資料をお渡し願いたい。まだいまなら助かります。それさえ教えてもらえれば直してあげましょう。』

…わしの…机の…棚…3段目…。

『ありがとうございます。ではお直ししましょう。』

近十がちかづいてきて私の背中をさすった。

パチン。

無情な音が鳴り響いた。
近十は生命維持装置の電源を完全に切った。

コ…コンドウ…オマエ…ハ……ドレダケ…アクイニ…ミチテ…ル…

『人生。終わりがあるから楽しいのですよ。博士?』

コノ…ヤロウ…。

『おやすみなさい。良い…夢を』


近十は組織に博士から押収した蘇生技術の資料を持ち帰った。

博士の家は後日謎の大爆発を遂げ
後日、博士の骨があったが
それが誰の骨かなど誰もわからなかった。









13ノ者・博士『完』












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