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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち(旧タイトル:不正破壊者の我侭姫) 作者:桜崎あかり

ステージ3

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エピソード42


 ガングートの草加市上陸は別の意味でも話題となった。彼女のプロゲーマーになる前の経歴を知れば――それは文句なしである。
しかし、ガングートのプロゲーマー以前の経歴は抹消済なのに加え、日本政府も彼女の過去を拡散する事は禁止していた。
何故に日本政府はガングートを恐れるのか? それはネット上でなくても分かる人間には分かっているだろう。
下手に彼女を刺激するような事をすれば――芸能事務所の一つや二つは余裕で消滅するだろうか。
「草加市は、遂にガングートまで呼び寄せたのか。アーケードリバースで――」
 山口飛龍やまぐち・ひりゅうは、会社の会議室で緊急の議題について議論をしていたのだが、ガングートの出現でひっくり返ってしまっている。
それ程に彼女がアーケードリバースに来る事はリアルチートを引きずり出したと言っても過言ではない。
「ガングートか――彼女がプロゲーマーと言うのは断言出来る。しかし、過去の経歴に問題がある」
「それを言えば、ARゲームのランカーやゲーマーは過去に色々と抱えた問題児が多い――」
「彼女を参戦させても何を今更と言いたいのか?」
「そう言う事だ。ビスマルクや大和、三笠と言ったゲーマーも――」
「ARゲームのイメージアップを図ろうと、芸能事務所が裏で何か行動をしていると聞く。どう考えても、フラグだがな」
 会議室でも議論がぶつかり合っている状況だ。それほど、ガングートのネームバリューが大きい事を意味しているが。
山口の方も彼女が参戦するならば、それはそれで拒否はしない姿勢を見せている。
下手に排除すれば、そこを芸能事務所にネット炎上のネタにされかねない事情があった。
「ガングートに関しては、彼女が本格参戦してから様子を見る事にする。今は、夢小説勢やアイドル投資家の暴走を止める方が先だ」
 ガングートがエントリーをしていない以上、今は彼女に関する対策をしても意味がないと山口は断言する。
それよりも――夢小説勢やアイドル投資家等による不正チートを使った暴走事件――そちらの方が最優先だった。
「そちらはジャック・ザ・リッパーやデンドロビウムが何とかしているのでは?」
 会議の参加者の一人は、夢小説勢の暴走は無視しても問題がないと考えているようだ。
一部の参加者もジャック・ザ・リッパーやデンドロビウム、ビスマルク等に任せても――と考えているらしい。
武者道がARゲームですべき事は、更なるプレイ人口を増やしてコンテンツとして安定した収益を出せるシステムを確立させる事――。


 午後1時10分、アーケードリバースのフィールドではアルストロメリアがプレイをしていた。
彼女の装備は――通常時のガジェットとは異なり、今回は重装甲アーマーは脚部と肩に限定されているが。
重装甲ではスピードが犠牲になるのはARゲームでも常識であり、初心者が重装甲をいきなり使う事はないと言う。
ネット上での話なので、個人差はあるのかもしれないが――4割ほどのプレイヤーは忠告に従うようだ。
「あの装備で――近接武器は無茶だ」
「一体、彼女は何を試そうと言うのか」
 ギャラリーの一部は、アルストロメリアの使用している武器を見て、あのアーマーで大丈夫なのかと不安になっていた。
刀のような武器であれば一撃離脱戦法等の立ち回り関係で、軽量化↓アーマーを使うのが半数だろう。
しかし、彼女の武器はパイルバンカーである。確かに一撃必殺とも言える攻撃力を持っているので、ヒットアンドウェイ戦法は有効だ。
それでも――命中率を刀やナイフ等の武器と同じ位にするのは、パイルバンカーの重さを考えると非常に難しい。
 むしろ、あのスピードでパイルバンカーを放たれると対策の仕様がない。プレイヤーによっては『チートだ!』と言うに違いないだろう。
「あの動きは――」
「忍者とは言わないが、かなり素早いぞ」
「ブースターユニットを装備している訳でもないのに――」
「歩行でパイルバンカーは無茶苦茶だ」
「あれは、ブースターユニットではない――」
 周囲のギャラリーもデンドロビウムの様な立ち回りを披露している彼女に対し、リアルチート疑惑を向け始める。
しかし、彼女の脚部を良く見て見ると――ブースターが装着されている訳ではなく、キャタピラの様な物が見えた。
「ブーツ部分にキャタピラが内蔵しているアーマーかもしれない。キャタピラ足もあるが――」
 それでも高速で動くのは――ゲームバランス的にも無理な話だ。おそらく、彼女なりにテクニックと言う物があるのだろう。
しかし、それをプレイ動画などで再確認しようとしても、あまりにも反応が超人過ぎて真似出来ないオチが付いたのだが。


 午後1時15分頃、ガングートはコンビニでペットボトルのスポーツドリンクを購入し、それを飲んでいた。
喉が渇いたというのもあるだろうが――周囲の熱気に少しやられたのかもしれない。
その後、近くのアンテナショップへと入り、ARゲームをいくつか見て回る事になった。
様々なジャンルがある事を彼女は知ったのだが、彼女の食指が動くようなジャンルがあまり見当たらない。
「ジャンルが多すぎて、どれを始めれば――?」
 タブレット端末のカタログをチェックしていた彼女は、ある作品の紹介ページに辿り着いた。
その作品とは、アーケードリバースだったのである。先ほど映像を見ていた作品も――実はアーケードリバースのプレイ動画だった。
 ジャンルはFPSと言う事もあり、自分の得意ジャンルとも言えるだろう。
ARゲームもVRゲームと同義と見るようなプレイヤーもいる為、得意ジャンルならばいきなり活躍してしまうプレイヤーも一部でいる位だ。
「ARゲームでもVRゲームとは勝手が違うので――」
 彼女の反応を見て声をかけたのは、怪我の方も治ったペンドラゴンである。
現在はスタッフとしての活動がメインであって、ARゲームのプレイは滅多にしない。
ARゲームにトラウマが――と言う訳ではなく、単純に忙しくなっただけと言う可能性も高いが。
「ARゲームが拡張現実を利用した物、VRゲームは仮想現実空間で――と言う位は知っている」
 彼女の方も知識が皆無という訳ではなく、ある程度の前提知識位は覚えている。そうでもないと――。
ペンドラゴンの方もおせっかいになってしまったか――と言わんばかりにその場を去っていくのだが。
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