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不正破壊者の我侭姫 作者:桜崎あかり

ステージ2

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エピソード39


 それから数日後の7月末日、青騎士騒動が再燃するような展開を連想させる情報が拡散された。
【ある芸能事務所が秘密裏に募集を行っている】
 この募集と言うのが青騎士を指すと言う流れになったのは、募集内容が――。
『芸能事務所が満を持してプロデュースするアイドルの応援団を募集』
 満を持してと言うのが何を指すのかは不明だが、一連の青騎士騒動を踏まえると――応援団と言う名のネット炎上の協力者募集である。
一体、この募集には何の狙いがあるのだろうか? 詳細を確かめようとマスコミが動く頃には――芸能事務所が警察の強制捜査を受けていた。
その理由はいたって簡単である。この芸能事務所があった住所が――。
「どう考えても自滅オチね――何かの誘導を考えていたのか、それとも別の話題で本来のターゲットからマスコミの目をそらすか――」
 芸能事務所の住所を見て、明らかに自滅だと断言したのはヴィスマルクだった。
その住所とは、草加市内だったのである。草加市では芸能事務所が堂々と炎上マーケティングに該当する商法を禁止していた。
これらの商法を不正流通やチートと草加市が判断した可能性も高いのだが――詳細は明らかになっていない。
【あの告知、ホームページからは消えていたな】
【不適切表現という問題ではなく、警察も動いた以上は――そう言う事だろう】
【芸能事務所とはいえ――何をやってもいい訳ではない】
【大手芸能事務所の存在がチートと言えるのかもしれないな。だからこそ――草加市のあの条例だからな】
【あの芸能事務所は、裏で何処かと組んでいるのは目に見えている】
【大手芸能事務所が言う事は、何であろうと――】
 つぶやきサイトのタイムラインでは、一部の発言が削除されているような気配だった。
今回の削除に関してはつぶやきサイト側の削除基準ではなく、草加市側が通報をしたらしい。
おそらく――警察の強制捜査絡みで妨害工作と判断されたのだろう。
「大手芸能事務所は、過去の事件と同じように自分達が全てのシナリオを作っているかのように――」
 思う所はあるのだが――今は、青騎士騒動の真相を確かめる方が先だとヴィスマルクは考えていた。
他のランカーも似たような事は考えているのかもしれない――。


 8月某日の日曜、橿原隼鷹かしはら・じゅんようが松原団地で行われる市民マラソン大会に姿を見せた。
他にも多数の選手がいるのだが、そうした選手達は――橿原の事を知っているかと言うと、知らないと言うのが正解だろう。
ここでいう橿原の事とは、マラソンでエントリーしている柏原名義ではない。アキバガーディアンとしての彼と言う意味だ。
「ここまで例の話が伝わっているとは考えにくいだろうが――」
 橿原の耳にも一連の炎上ニュースは伝わっているのだが、さすがにインタビューなどで答える訳にもいかないだろう。
さすがに、場違いなインタビューをするようなマスコミはいないだろう。
それは、映画の記者会見で週刊誌の話題を持ち出すような事と――全く同じだからだ。
 今回のマラソンは全国中継される。何故、松原団地で行われるようなローカルマラソンで全国中継なのか?
ただし、全国と言ってもネットの動画サイトが主催するマラソン大会なので、動画サイトの番組プログラムとしての全国中継という仕掛けである。
『間もなく、スタート時間になろうとしています』
 午前8時30分――マラソンの開始を告げる合図が鳴った。
マラソンランナーの数は招待選手を含め、500人以上――東京等で行われる市民マラソンほどではないが、そこそこの人数が10キロコースを走る。
マラソンと言うと42.195キロというイメージも多いが、今回のマラソンは別の角度から見る為にも20キロと設定されている。
普通の20キロコースで走るのはマラソンでの招待選手――柏原もここに該当するが――。
ソレとは別に用意されているのは、特殊10キロコースと言う物である。ここで走るのはごく限られた招待選手に限定され、それはマラソンランナーに告げられていない。
「スタートは午前9時か――何をするつもりなのか」
 横乳が見えるような上着を着ていたのは、ビスマルクである。
今回、彼女はマラソンの招待選手と言う訳ではない。しかし、動画サイトの主催と言う事で姿を見せたのだ。
「招待選手には柏原の名前も――!?」
 そして――彼女は、特殊10キロと言う走行距離が短くなっている事を――改めて知る事になる。
柏原がマラソン部門で参加している事の意味、そうしなければ都合の悪かった意味を――。
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