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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち(旧タイトル:不正破壊者の我侭姫) 作者:桜崎あかり

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エピソード30


 時間はアーケードリバースが立ちあげられた時期から少し前、西暦2016年までさかのぼる。


 西暦2016年、埼玉県ではふるさと納税での返礼品である【何か】が大きな話題となった。
返礼品で転売騒動が起きているのは今に始まった訳ではないので、転売できないような物にするのには反対される事はない。
しかし、それでも度を超えていたと役所側も釘を刺すような――衝撃的内容の返礼品だったからである。
「本当に、これでよかったのか? 君の言うような必要性があるとは思えない」
「聖地巡礼には大きな問題もあると言う話がある。それを踏まえれば、これが返礼品はネタにしかならないだろう」
「それよりも、もっと別な物を返礼品にするべきなのでは?」
「もっと地域色を強めた方が――」
「転売不可と言う物にすれば――」
 草加市役所内の会議室では、そんな意見が多く聞かれた。
今回の返礼品が市役所の周辺でも想定外の物だったのが――最大の理由だろう。


 その返礼品とは、新たなARゲームの出資者になる事が出来ると言う物である。
他にも色々な返礼品はある中で、これだけが妙に目立つ結果となった。
実際、返礼品の上位にこの『出資者になれる権利』は入っていない。
「何故、このような返礼品を思いついたのか?」
「転売防止と言う意味では面白いかもしれないが――」
「これを返礼品にして、何の意味がある? それだったら募金等の方が――」
 様々意見は他の都道府県からも聞かれた。
当然と言えば当然の反応に間違いはないだろう。ネット上でもそう思う人物は多かったし――。
『新たなARゲームを草加市で展開する為の出資金募集』
 この一文を見て、本気だと思う人間がいないというのも問題があるのかもしれない。
エイプリルフールと言うには時期が過ぎているし、ネットの炎上商法を狙った物としては雑と言える。
【これでネット炎上狙いと言うには、まとめサイトも取り上げないだろう】
【逆に外しまくって謝罪する流れか?】
【公式が病気としか思えない】
 ネット上でも、こういう冷めたリアクションしか出ないので――いくら本気を出したと言っても、認めてもらえないのが現状だ。
出資金に関しては既にふるさと納税扱いと言う事もあり、新たな金額が要求される事はないと明記され、ふるさと納税と言う事が分かっていても――新手の詐欺と警戒する人間がゼロではない。


 返礼品を物ではなく、出資という形にしたのは別の意味でも画期的と言う意見は存在する。
しかし、それが受け入れられるには色々と説明が足りなさすぎるのも現実だ。
こうした事情を踏まえてか、公式のホームページが1週間前倒しで公開され、そこから説明不足と言う箇所は解消されている。
それでもお金の使われ方に違和感を覚えたり、これを税金でやる事に反対する市民からのクレームが市役所に寄せられた。
クレームに関しては想定内だったようだが、それ以上に驚いたのが出資者が現れた事である。
「信じられない」
「数人規模であれば打ち切りを考えていたが、予想以上に多いぞ」
「一体、どうなっているのか?」
 希望者は数百人規模――それこそクラウドファンディング等よりも資金が集まっているような計算だ。
市役所側も、これにはさすがに困惑するのだが、この反応を予想していた人物がいたのである。
「これが、全ての始まりとなる――」
 公式サイトの更新で一万人以上が参加している事を伝えるニュースを見て、別の意味で驚いている男性がいた。
彼は後に武者道という会社を立ち上げ、草加市内のARゲームを改革していくであろう人物――山口飛龍やまぐち・ひりゅうである。
「芸能事務所側は、自分達がコンテンツでも――地球上でも頂点を取ったと勘違いをしているが、その時代も終わりを告げる」
 その後、この出資は別の意味でも衝撃的なものへと変化していった。
それこそが――ARゲーム『アーケードリバース』となるのだが、それは少し先の話である。
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