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スクールバトラー 作者:時田一哉
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第02話 : 静かなクラスメイト

「はぁ……あのな。なんんで俺がお前の執事にならないといけないんだよ」
「私がそう決めたからよ!」

 ……めちゃくちゃだこいつ。世界の中心は自分と言いたげなそんな顔をしている。何様だ。

「うわぁ……あいつ勇気があるなぁ。久々津に口答えなんて……」
「だなぁ……俺は無理だ」

 外野は黙ってろ。つか、頼む俺の身代わりになってくれ。

「……俺は絶対そんなものになんかならないからな」
「何言ってんのよ……ごちゃごちゃうるさい執事ね」

 もはや無駄か?俺がいつまでもドアの前に止まって慎重に中の様子を伺っていた罰か……?

「そうと決まれば、ふっ……」

 久々津は不気味な笑みを浮かべた。

「な、なんだよ」
「本当にうるさいわね。退学したい?したいんだ?ふぅん……」

 げ……なんでそうなるんだ。こいつの思考回路おかしいんじゃないのか?

「したいんならどうぞご勝手にバイバーイ」
「……はぁ?」

 意味わかんねぇよこいつ。

「じゃあ、諦めて私の執事になることね」

 それもそれで嫌な選択だな……

「どっちにする?退学になるか、私の執事になるか。それとも何、メイドになるわけ?あんたが選びなさい」

 しょうがない、嫌だが……退学になるよりはマシだ。

「――執事になる、なります」
「よし、結構よ。あんた名前はなんていうのよ?」
「……柊恭介」
「よし、恭介……ね。ダッサ、ただでさえあんたは眼鏡だって似合ってないのに」

 ダサくて結構。その代わり、俺以外でもいいから、世界中の恭介さんに謝れ。つかダサいとか金持ちの価値観で言ったろ、絶対。

「何が介よ。キョウでいいわ。あんた、今日からキョウね」

 勝手に命名するな。なんで勝手にニックネームつけられないといけないんだよ。

「あ、ダジャレじゃないわよ」

 サッブ……こいつサッブ。くだらないのはこいつのシャレだ。
 俺との話がついたからか久々津はまた周りを見渡しはじめた。まだ下僕作るつもりなのかこいつ。

「いい加減ネクタイから手を放せ」
「……あんた、そんなこと言って逃げない?」
「逃げない。逃げたとしてその後いずれにしろ捕まえにくるだろ」
「よくわかってるじゃない。よし、もし嘘ついたら、退学よりもっと酷いことになるからよろしくね?」

 退学より酷いことってなんだよ……そんなことまでできる権利があると思ってんのか?

「さて……」

 久々津がある一人の人に目を止めた。
 その人物は……一言で言えばあまりにもキレイすぎて人形に見える。誰かが近くを通ったら、真っ直ぐすぎる髪は艶やかに靡く。顔も整っていて綺麗だ。だけど、無表情である。せっかく可愛いって言うのに笑わないとはもったいない。まぁ、これは俺個人の思いだ。

「あんた名前は?」
「………………」
「……真白(ましろ)……真白(ましろ)静江(しずえ)、です」

 その人物はゆっくり久々津を見て、そうつぶやいた。声もその外見に似合う綺麗なソプラノを奏でた。

「へぇ……ふぅーん。あんた名前も外見も可愛いわね」
「…そうですか…」

 ここに変態発見。まさか真白さんを、メイドにするのか…?外見だけでこの子を下僕にするとか可哀想だろ。

「あんた下僕になる気ない……?」
「………………」

 真白さんは久々津から目線をずらして俺の方に視線を向けてきた。とてもキラキラした綺麗な目で純粋そうな子だ。可愛い……じゃなくて、なんでそんな目で俺を見るんだ。何か俺に問いかけているみたいだ…
 ……なんとなくわかったような気がする。
『あなたもいるのですよね?』
 俺はそう問いかけてきてるみたいに見えた。
『あぁ…いる』
 そう思いながら頷いた。すると、真白さんは久々津に目を戻して小首を立てに振った。

「よし、決定ね」

 マジかよ。今ので伝わったのか?
 真白さんはゆっくり席を立ったかと思うと、俺の手を握った。それと同時にすみれの香りが……じゃなくて、……背ちっさ、そこがまた可愛い……って、最後に本音が出る俺。はぁ……ダサい俺とは違う。

「よろしく…お願いします…」

 でも、やっぱり無表情だった。笑顔があれば最高なんだがな……
 そう思っていると、ちょうど担任が来た。

「よし、そうと決まれば…来なさい」

 久々津は担任に構わず、俺と真白さんの手を乱暴に握って走り出した。俺はいいが真白さんの手を乱暴にするとは……

「ちょ、君たち、ホームルームが…」
「――残念です先生……さようなら、この学校から居なくなってもお元気で……」
「いってらっしゃい……」

 教師も久々津には逆らえないんだよな……まぁ、しょうがない。この学校は久々津グループがお金を出してやって行けるしな。

「で、どこに行くんだよ」
「美容室よ。決まってるじゃない」
「は、美容室!?」
「あんた髪ボサボサなんだもん。仕方がないじゃない。私の執事がダサいなんていやだもん」

 勝手すぎるだろ……周りに普通の容姿ならゴロゴロいただろうに。ダサいのが嫌ならなんで俺にしたんだか。
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