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スクールバトラー 作者:時田一哉
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第01話 : 人生が変わった瞬間

「……行ってきます」

 学校に向かうダルさを振り払うように母さんにそう告げて家を出た。
 今日は新学期。俺は一年から一つ上がって二年だ。高校二年は一年と三年に挟まれていてあまり気負いをせずに、ちょうどいい学年だと俺は思う。


 この学校のクラス発表は、新学期開始の日だ。今日は運命の分かれ目だ。
 今年はどんな奴が同じクラスになるのか学校に行き、貼ってある紙をみるまではわからない。
 俺は一人だけ同じクラスになりたくないやつがいる。そいつの名は『久々津(くぐつ )綾羽(あやは)』という。
 久々津は噂によると自分の気に入った人をどんどん自分のメイドか執事にして、その学年が終わるまで扱き使うとか。
 下僕になった奴は例えば、日直や掃除当番代わったり、休日に呼び出して家のことやらせたり、とにかく面倒なことを押しつけられていろいろなことをやらされるらしい。
 そのは久々津はお金持ちでしかもこの学校に寄付をしているらしく、だからかはわからないが、偉そうに振舞っているらしい。まったくこんな迷惑な話は他に聞いたことがないぞ、おい。
 まぁ、とにかくそんなやつの下僕なんてものになったら、俺の人生一年が台無しだ。


 さて、学校まで来たわけだが……紙を見た俺は戦慄した。人生でこんなに最悪だったことはない。『久々津綾羽』と同じクラスとは…
 俺はクラスの前まで来て深呼吸をすると、意を決して静かにドアを開けてみた。
 少しだけ開いたドアから教室を覗き見てみる。すると早速みつけた……奴だ。教室の真ん中で、久々津綾羽がムスッとしながらキョロキョロ見回していやがる。
 うわ……朝一番でさっそく獲物を探してるのか?あいつ。

「むー……」
「うっわ、目を合わせるなよ……目を合わせるなよ……」
「わ、わかってるってっ……!目を合わせたら1年間あいつの扱き使われるだろ」

 ドアの近くにいた男子生徒二人が青い顔をしてコソコソと話し合っている。名前は知らん。男子生徒から視線を久々津に戻すと、奴はこっちを見ていた。
 うわ……なんでこっち見てんだよ、最悪だ。奴がは何を俺と目が合った瞬間満面な笑みを浮かべてきやがった。

「うわぁ、可哀そうに……」

 ニッコリと満面の笑みを浮かべた悪魔がこっちに向かって歩いてくる。最悪な1年の予感……
 ずり落ちたメガネを押し上げる俺は、表面上にはあまり出ていないが内心ではかなりあせっていた。
 俺の目の前まで来た悪魔はネクタイをつかむとすごい力で引っ張った。悪魔……久々津綾羽の顔がアップで眼球に映る。

「あんた、私の執事になりなさいっ!」 

 き、来たぁっー!!


 第1犠牲者、(ひいらぎ)恭介(きょうすけ)(俺)。





 最悪な1年の始まりだ。
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