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赤狐蒼狼琴奏記 作者:レルバル
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はじめてのとけい。

「毎日毎日、お前元気だなぁ……」

朝九時。
俺は耳元でカチカチカチカチと動く時計とかいうやつを見て話しかけた。
知ってるか?
こいつ毎日飽きないでずっとぐるぐる回ってるんだぜ?
しかも形はなんだ。
ずっと人間界で愛されているドラモエンとかいうなんかよく分からない奴だ。
そのよく分からない奴の手にぐるぐる回るものが付いてる。
つまり、なんか毎日飽きもしないでぐるぐるとやってるやつなんだ。
ちなみに麓は今いない。
買い物だとか、天界でなんだとかこっちもよく分からない。
俺にそういうことを聞くな。
話とか基本聞かないんだ俺は。

「元気だな……おい。
 せめて返事ぐらいしようぜ」

『カチカチカチカチカチ……』

「ちぇ……つまんないの。
 おい、聞いてるのか?」

『カチカチカチカチカチ……』

俺は時計とかやらをむんずと掴んでしゃかしゃか振ってみた。
それでも時計は悲鳴も何もあげない。
面白くない。

「ねーひまー」

『カチカチカチカチ……』

「ねーってばー」

『カチカチカチカチ……』

もういいよお前……。
はぁ、何か暇をつぶせるのはないのかな……。
これは退屈だぞ。
いったい俺はこの暇をどうやって潰せばいいんだよ。
麓もいないし。
麓いないし。
あー麓いたら絶対楽しいのに。
いないし。
いたらいたらでぐいぐい首絞めてくるけどいないといないで暇。
となると今俺をかまってくれるのはこいつ(時計)だけで。
何とかして暇を和らげてもらわないと。
そういえば麓に時計の読み方とか教えてもらったけど……。
それによれば今は朝九時五九分ぐらいになるのかな?
もうまるまる一時間俺はこいつとうにうにしてるわけか。
となるとまるまる一時間こいつから俺は返事をもらってないわけで。

「構えよーなー」

俺がむんず、と時計を掴んだ瞬間なにか変なものを押してしまった。
それが何かは分からないんだけども……。

『起きて―起きて―朝だよー起きろよオイ!!』

「!?」

思わず後ずさり。
何、なんだ今の。
怖い。
ケンカ仕掛けられてる。

「ご、ごめん!」

『起きろやクズてめぇ舐めてんのかああ?』

謝っているというのに反応はない。

『さっさと起きやがれてめぇぶんなぐるぞ!!』

「謝ってんだろうが!
 ざっけんな!!」

ぶんなぐられてたまるか!
殴られるぐらいなら俺から殴ってやる!
俺はそう思って思いっきり横から時計を殴りつけた。
時計は跳ねて行って、壁にぶつかる。
リスとかだとこれぐらいで死んで動かなくなるが……。

『起きろゴミ野郎!!
 肥溜めに戻されてぇのか!!』

「っ!?
 うわぁあああああっ!!」





~あふたーすとーりー~

「ただいま……ってなんだこれ」

「あ、麓……。
 こいつがなんか喧嘩売って来たから……」

「あー。
 で、なんでお前は泣きそうなわけ?」

「だって、殴っても殴っても黙らないし――。
 顔潰しても――だから怖くて……」

「見事にばらばらにしたな。
 はーやれやれ。
 目覚まし機能を教えておくべきだったかぁ」


ありがとうござました。
あーバカだわぁ。
馬鹿だわぁウルバル。
でもそんなところがかわいいんじゃないかなぁって。
勝手に最近そう思い始めました。
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