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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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白粉


 ここに来て気になっていた事を訊いてみる事にした。
「あ、そうだ。一つ聞きたいことがあるんですが」
「ん?なんだい?」

「あの、白粉ってありますか?」
「なんだい?回復師さんはお化粧に興味があるのかい?」
 そう言いながら鏡台の前に置いてある木製の入れ物を取り出して渡してくれる。

「これはサエラのだけど、うちじゃあ大体の人がこれと同じのを使ってるね」
 受け取って中を確認し診断してみる。
 【診断】

≪ここの中の成分で鉛白って使われてる?≫
『少しお待ちください。……はい使われていますね』
≪やっぱり、何かで読んだ事あったんだよな。昔の白粉って鉛白を使ってるって≫

「これって最近出回ったの?」
「なんだい、本当に興味があったのかい?そうだよ、以前の物より安いしノリもいいから最近じゃこれが一番売れてるんじゃないかねえ?」

「そうですか、この中の鉛白が人体におあまりよくないんですよ」
「そうなのかい?どうにもなって無いけどね」
「今すぐどうかなるわけじゃないですが……これ何処で手に入りますか?」

「ん?今は品切れになってるから買うのは難しいかもねえ。あたしの予備をあげるよ。少し待ってな」
 そう言うと部屋から取って来たのか同じ木製の入れ物を持ってきてくれた。

「ありがとうございます。」
「いいよ、サエラを治してくれたお礼だよ。はい」
「じゃあ、今度こそ本当に失礼します」
「あいよ、今度はお客で来な。サービスしてあげるから」
「ハハ、余裕が出来たら来ますね」

 部屋を出て階段を降りるとさっきのロビーに出た。出口に横に用心棒の人が立っていた。周りを見まわしてジョージがいない事を確認してから店の出入り口に向かう。

「あ、ヒデさんジョージさんが先に帰ってくれって伝言貰いましたよ」
 最初に話しかけてきた兄ちゃんが教えてくれた。

「うん、教えてくれて、ありがとう」
 挨拶をして店を出る。道は街灯と店の明かりで明るく歩きやすい。が人が多い丁度一杯飲んで遊びに来た人が多い時間帯のようだ。人にぶつからない様に歩きながら花街の出口まで来た。

「今日は正直疲れた。化粧品の事は明日ポールさんに相談に行こう」
 独り言をつぶやきながらギルドに向かった。診療所に着いて流石に疲れてそのまま寝てしまった。

 次の日いつもの日課のプットアウト広範囲版を唱えサッサと終わらせ、ゲン達と朝食を済ませた。ゲン達とキャリーさんはクエストに向かった。

「さて、これを早く何とかしないとな」
「ヒデ兄師匠、これ何?」
「化粧品、だけど人体に良くない物が使われているから、何とかしないといけないと思ってね」
「え?お化粧ってお金持ちの人とか、貴族の人がする物でしょ?そんなのに身体に悪いものが入ってるの?」
「うん、まだそれが危険なものだって気が付いてないからね」
「早く使うの止めさせないと大変な事になっちゃうよ」
「そうだけど、ただ止めろって言っても聞かないよ。ミラだって知らない人がミラの髪飾りに良くない成分が入ってるから外しなさいとか、言われても取らないでしょ?」
「う、う、そうだね。ヒデ兄師匠から貰った大事なものだし」
「ハハ、ちょっとたとえが良くなかったか。まあ、少なくても代用品を作ってからじゃないとね」

「え?ヒデ兄師匠お化粧品なんて作れるの?」
「うーん、知識はあるけど無理だね、だからポールさん所に行こうと思ってる」
「じゃあ、急いで行こうよ」
「うんそうだね、いこう」

 ママさんに行き先を告げてから、ポールさんの家に向かった。ちなみに今日はママさんがウィンクをしてきたのでいつも通り飛んできたハートを叩き落しておいた。

 ポールさんの家に着くとドアを開けて中に入る。ドアについているベルが鳴って来店を知らせる。
「いらっしゃいませ。ってヒデさんかお久し振りです。主人がいつもお世話になっています」
「いやいや、こっちの方がお世話になってますよ。ポールさんいますか?」
「はい、いつもの部屋にいますよ。ヒデさんが最近来ないから寂しがってましたよ」
「はは、ウィルさんにもそれ言われちゃった。じゃあ、お邪魔しますね」
「はーい、どうぞ」

 ポールさんの部屋のドアをノックして中に入る。
「おお、ヒデ君かよく来たのう。ささ、こっちに来て座りなさい」
 いつものようににこやかに迎えてくれるポールさん。横にいたラウラがミラのそばまで来て手を取って挨拶している。

「ミラちゃん久し振り」
「ラウラちゃんも久しぶり」
「「アハハ」」

「ポールさんと大事な話があるから外で遊んでおいで」
「「はーい」」
 素直に出ていく二人を見てドアが閉まってからポールさんに向き直る。

「ん?どうしたヒデ君?何かいつもと雰囲気違うようだが?」

「これがなにかわかりますか?」
 そう言って化粧品を前に出す。
「ん?これは、化粧品か?」
「そうです、実はこの中に人体に良くない成分が入っているんです」

「な、何じゃと?こういった化粧品は裕福層の女性はほとんどが使っている物じゃぞ。最近は街でも使ってる人をよく見るが」
「何でも最近出たこれが安くて化粧のノリが良いらしく品切れになるくらい売れてるんですよ」
「フム、安くなって裕福でなくても手が届く嗜好品になったわけか」
「全ての化粧品を調べたわけでは無いのでわからないですが、この化粧品の中に鉛白というのが使われています。それがまずいんですよ」

「フム、では、それに代わる無害な代用品があればいいのだな」
「酸化亜鉛があれば代用できるんですが」

「あるぞ酸化亜鉛なら」
「え?そうか薬にも使えるんだっけ」
「フム、ではその白鉛の代わりに酸化亜鉛を使うのじゃな。他の成分はわかっとるんだ出来るじゃろ。初めて作るのでな時間がかかるかもしれんし、後他の物で代用出来んか試したいので明日また来てくれ」

「わかりました。明日また来ますね」
「待っておるぞ。早速取り掛かるかの」
 一礼をしてからポールさんの部屋を出た。

「これなら案外早く出来るかも。ただ性能的に鉛白入りの方がいいらしいからな。危険性を前面に出しても弱そうだしな。ヒューイさん達に相談しに行くか」
 モニカさんに挨拶してから店を出ると、店先で遊んでいたミラが寄って来た。

「今日はもう帰るの?」
「うん、明日も来るけど今日はもう終わり。工場回ってから帰るけど、ミラはどうする?一緒に来る?」
「うん、もちろん行くよ。ラウラちゃん明日また来るね」
「うん、また明日ねミラちゃん」

 工場に向かって歩きながらどうやったら代用品として売り出せるか考える。健康な化粧品とかの謳い文句で売り出すか。後はブランド物として出すか。高くして安い鉛白の方に行かれたら意味なくなっちゃうしなー。
 色々と考えながら歩いていたら工場の前に着いていた。

 エディさんに挨拶をして中に入り事務所に向かう。
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