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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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火芸


 部屋に戻ると若様とミラが笑いながら話している。流石、若様話し方が上手いのだろう、ミラが楽しそうに話している。

「ただいま、何楽しそうな話ししてるの?」
「ヒデ兄師匠、お帰りなさい」
「ヒデ君の武勇伝を色々聞いてたんだよ。工場作ってるのは知ってたけど、儲ける為じゃなくて地域全体の生活水準の底上げの為に作ったとは知らなかったよ」

 若様が当たりだろ?って顔してる。ミラの話から若様が導き出した答えなのだろうな。

「まだ、さわりだけですよ」
「そうなのかい?今度聞かせてくれよ?」
「はい、今度ね」

「まあ、お兄様ったら、私のお母様のお怪我がどうなったか興味ありませんの?」
「そんな事は無いですよ。でも、ヒデ君が行ったら直ぐ治しちゃったでしょ?」
「そうなんですのよ、刺繍のお話の方が長かったくらいですわ」
「まあ、リラックスしている時の方が魔法が効きやすいからね。でも、初めて見る刺繍で綺麗だったのは本当だよ」

「ほほー、ミイさんのお母様にそんなご趣味があったとは知らなかったな」
「お部屋に籠りっきりだったので凄い上達したそうですわ」
「それよりも、今度はミイさんの番ですよ。早く魔法を使えるようにしないと足の結晶化が止まらないですよ」

 ニコニコしていた顔が急につまらなそうに変わる。
「わかってますわ。この、お茶を飲んだらやりますわ」
「もう、飲み終わってるみたいですけど」

「コホン、では行きましょうか。エイミー」
「畏まりました。修練所に移動します」
 次の瞬間石畳がひいてあり全体が石で出来ている簡素な広い場所にいた。

「ここなら私の魔法が暴走しても大丈夫ですわ」
「えっと、ミイさんは属性魔法が火だけなのですか?」
「前に調べてもらったので間違いないですの」

「わかりました。それで、全く出ないのですか?ファイヤーボールとかそんなの?」
「ファイヤーはわかりますがボールは何なのです?」
「え?ボールつけないの?」
「つける?」

「こう、火の玉をいくつも出して”おお凄い七つも同時に出せるなんて”とかないの?」
「エイミー聞いたことありますか?」
「ありません」

「う、そうか、まあいいや。じゃあ、火に対する防御力を上げるみたいなのは?」
「それならありますわ。エイミー」
「はい、どうぞミイ様」

 一冊の本をミイさんに渡す。
「ここに載ってますわ」
「こんな本あるなら先に出してくださいよ」
「出そうと思ったら、貴方がファイヤーボールとか言い出したんじゃないですか?」
「う、確かに、まあ見させたもらいますね」

 その本には魔法の名前と呪文そして、効果が書かれている。
「この呪文唱えると発動するんですか?」
「え?ヒデ様は違いますの?」

「俺は呪文唱えませんよ。まあ、無詠唱ってやつですね(キリッ)」
「あ、なるほど」
「あれ?無詠唱そんな凄くない?」
「え?いえ、凄いですけど練習を積めば普通に出来るそうですから」
「あ、そうですか」

 そう言えば、無詠唱で魔法使っても誰も何も言ってなかったっけ。さっきの俺のいい顔、無駄だな。チラット見たら若様が笑うのをこらえてた。

「ゲフンゲフン、さあさあ、ミイさん張り切って詠唱しちゃってください」

「何ですの急にわかってますわ。ゴホン、火よ火よ、五龍の恩恵を受けここに火の加護を受けし者の願いを聞きこの地に力を顕現し火の理より我を守り給え《シールド》」
 ……何も起きない

「やっぱり、ダメですわ」
「うん、その長くて恥ずかしい詠唱は止めましょう。聞いてるこっちが恥ずかしいです」
「え、でもこれを唱えないと発動しないのではないですか?」
「唱えても発動しないんだからこんな詠唱いりませんよ」
「では、どうするのですか?」

「誰かほかの属性でもいいのでシールド出せません?」
「僕のは風だね《シールド》」

 唱えると若様の周りに薄緑の半透明な光が出来る。
「おお、綺麗ですね。ミイさんの時は火だから赤い半透明な光ですかね?」
「どうかしら?でも出なかったですわ」

「ハハ、一回で出なかったら二回目、三回目をすればいいのです。いいですか、イメージして下さい。簡単ですよ、若様が出している物と同じもの出せばいいのですよ。イメージが固まってきたらシールドと唱えるだけです。どうぞ」

「………《シールド》」
 ミイさんの周りに一瞬だけ赤い半透明な光が出来たが直ぐに消えてしまった。光の壁があった辺りを悔しそうに見ている。

「おお、凄い出来ましたよ。流石ですね」
「え?でも一瞬しか出来てませんわ」
「一瞬しかではなくて、一瞬出せたのですよ。もういつだって出せますよ」
「そ、そうかしら?」

「さあ、もう一回イメージです。今度はミイさんが幼い時に暴走してしまって、火の魔法から庇ってくれたお母様に迫ってくる魔法を、今のミイさんがシールドで守ってあげるのです」
「え?それは、……いえ、そうですわ今の私でしたら出来ますわ。今度は私がお母様をお守りしますわ……《シールド》」
 ドンッ近くにいた俺は半透明な分厚い光にぶっ飛ばされた。
「うわー!なに?シールド?」

 若様がシールドをコンコン叩きながら話す。
「凄いな、魔法耐性が上がるくらいのはずなのに、これ物理攻撃もシールドしてるよ」
「イテテ、ミイさん凄いですね」

「うそ、私が魔法を使ってる。使えるなんて夢みたい」

「夢じゃないですよ。このまま色々な魔法を使ってみましょう。魔力が空になるまで使ってみて下さい」
「わかりましたわ」
 そう言うと、ここにいるみんなにさっきのシールドを出す、そのまま中央に向かってファイヤーを唱える。ちゃんと出ると嬉しそうに笑って次々と思いつくまま火系の魔法を使っていく。

 笑いながら火の呪文唱えてるのちょっと怖いです。
「ヒデ様、ファイヤーボールってこんな感じかしら?」

 そう言って見せたのは、どこかの魔人を倒せるくらいのデカイ元〇玉があった。

「デカい、デカいです。そしてこの分厚いシールド越しでも熱いんですけど」
 ふと周りを見ると誰も居ない。探してみると入り口近くに避難してる。

「あら、そうなんですの。ではこれを空に飛ばして細かくなれー」

 もう、魔法とか言うより水芸ならぬ火芸だなこれ。しかしこんなの出来るもんなの?考えていたら、さっきまで車椅子の上ではしゃいでいたミイさんが目を瞑って眠っている。

 いつの間にかミイさんの横に来ていたエイミーさんが、毛布を出してミイさんにかける。小声で「移動します」と言ってミイさんの部屋にワープした。

 部屋に戻るとベッドの上に移して寝かせる。その時診断で見てみたら結晶の範囲が少し狭くなっていた。
「うん、きっとこのままいけば完全に治るよ」

「ヒデ様、主に代わりお礼を申し上げます。最初に”貯め過ぎ”発言の時はとんだごみ虫野郎かと思いましたが。誠心誠意でミイ様の治療をしてくださりありがとうございました」

「どういたしまして。もうちょっと言葉を濁して言ってくれるともっと嬉しいのに」
「え、誠心誠意のとこですか?」

「そっち濁しちゃったらただの悪口になっちゃうよ」
「フフフ、冗談ですよ」

 あ、笑うんだこの子、突っ込むと何十倍になって帰ってきそうだから黙っていよ。そんな事を考えていたらドアがノックされた。エイミーさんがドアを開けると奥様が入ってきた。

「あー良かったまだいてくれて、私の火傷の痕だけじゃなくてミイちゃんの奇病まで治しちゃうなんて凄いのね。ありがとう」

「いえ、スキルのおかげですよ、奥様の方はその後痛みとか違和感は無いですか?」
「ええ、全然ないわよ。ありがとう。でね旦那様がヒデ君に会いたいそうなの、会ってくれる?」

 いやいや、ミイさんのお父様て王様でしょ?嫌だじゃすまないよね。チラッと若様を見ると予想していた最悪にコースに入ったみたいな顔をしてる。

 まあ、断るって選択肢はないよね。

「はい、喜んで」
どこかの居酒屋さんの様に元気よく答えた。
遅くなりました。
寝落ちしちゃいまして、チェック甘いかもです
すいません_(_^_)_
+注意+
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